厚生年金保険料って、どうやって決まるの? 計算方法を分かりやすく説明

配信日: 2020.07.09

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厚生年金保険料って、どうやって決まるの? 計算方法を分かりやすく説明
公的年金には、国民全員が対象となる1階部分の国民年金と、会社員や公務員が対象になる2階部分の厚生年金とがあります。
 
年金というと難しいと思われがちですが、ここでは厚生年金の「厚生年金保険料」について、分かりやすく説明いたします。
小久保輝司

執筆者:小久保輝司(こくぼ てるし)

幸プランナー 代表

30数年の営業経験と金融・経済の知識をマッチング納得いくまでお話しさせていただきます。

国民年金とは

国民年金とは、日本に居住している20歳から60歳未満で厚生年金に加入していない方が被保険者となります。会社勤めではない自営業の方や無職の方、また学生は、この国民年金に入ることになります。
 
「国民年金の保険料」は、分かりやすく定額で決まっています。令和2年度の保険料は月額1万6540円です。
 
また「国民年金の受給額」も定額になっており、「約78万円×保険料納付月数÷480月」で計算できます。分かりやすくいうと「約2万円×保険料を掛けた年数」で計算でき、例えば、30年間国民年金を掛けたとすると年間60万円弱の年金をもらうことになります。
 

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厚生年金とは

厚生年金は、企業に勤める会社員や、公務員が対象になります。国民年金と違い、仕組みはちょっと複雑です。
 
厚生年金の保険料率は、平成16年から段階的に引き上げられ、平成29年より18.3%に固定されています。そして、保険料は基本的に企業と従業員が折半して払うことになります。
 
なお、厚生年金は事業所単位で適用され、「適用事業所」に常時使用されている70歳未満の方が被保険者となります。
 

厚生年金の保険料の計算方法は

厚生年金の保険料は、給与(通勤費や残業手当などを含む)と賞与それぞれに18.3%をかけて計算され、その合計金額を労使で折半します。
 
保険料の計算では、給与は「標準報酬月額」といい、賞与は「標準賞与額」といいます。被保険者の支払額は、毎月の給与については「標準報酬月額×保険料率の2分の1」になり、賞与は「標準賞与額×保険料率の2分の1」になります。
 
「標準報酬月額」は、1等級(8万8000円)から31等級(62万円)に分かれ、毎年9月に、4月から6月の報酬月額を基に決められます。31等級が上限になりますので、例えば給与を100万円もらっている方でも31等級の62万円ということになります(※)。
 
「標準賞与額」は、支給1回につき150万円(年3回まで)が上限となります。したがって、300万円もらっても上限の150万円で計算されることになります。
 
厚生年金保険料は毎月の給料ならびに賞与から天引きされ、事業主が事業主負担分と合わせて支払いを行います。
 
<計算具体例>
 
Aさん
給与(残業手当・通勤手当を含む)を月額30万円(4月から6月の平均)、賞与を年2回・1回につき50万円(合計100万円)もらっているケース
 
厚生年金保険料額表で、Aさんは19等級の標準報酬月額30万円となり、平均賞与額は1回につき50万円となります。
 
そこで、被保険者の負担する厚生年金の保険料率は18.3%÷2で9.15%となりますので、Aさんの毎月の負担額は、30万円×9.15%で2万7450円、賞与時の負担額は50万円×9.15%で4万5750円となります。
 
したがって、年間でのAさんの負担額の合計は、給与分32万9400円、賞与分9万1500円で合計42万900円となります。
 
なお、「厚生年金の受給額」は、納付月数と収入により変わります。
年金保険機構の試算では、平均的な収入(給与+賞与で月約44万円)で40年間勤務した場合、夫婦2人分の国民年金を含む厚生年金の受給額は、月額約22万円となります。
 
したがって、夫婦で65歳から84歳(男女合計の平均寿命)まで月約22万円もらうとすると、合計で約5000万円もらうことになります。大きな金額です。
 

まとめ

厚生年金に加入している皆さん、今一度給与明細表をチェックしてみてください。給与明細表に記された厚生年金保険料が高いと感じられる方もいらっしゃると思いますが、実際には明細書の金額の2倍の金額をかけているのです。
 
厚生年金を含む公的年金は終身で、長寿に対応しており、「老後の収入」の60%以上を占める公的年金は生活の基本となっていくものです。
 
出典
(※)日本年金機構 厚生年金保険料額表
 
執筆者:小久保輝司
幸プランナー 代表


 

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