更新日: 2021.04.08 iDeCo(確定拠出年金)
公務員はiDeCoに関心が高い?
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執筆者:馬場愛梨(ばばえり)
ばばえりFP事務所 代表
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。
過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。
近年のiDeCoの加入状況は?
公務員の加入者数はどれくらい多いのか、まずは近年のiDeCoの加入状況を見てみましょう。
■iDeCoの加入者数
iDeCoの加入者数は、2021年1月時点で「約185万人」です(※1)。厚生労働省の資料(※2)によると、iDeCoの加入対象者(公的年金の被保険者)は約6762万人ですので、加入率はおよそ「2.7%」です。
■公務員の加入率は特に高い
2017年の法改正でiDeCoに加入できる人の範囲が広くなり、公務員も加入できるようになりました(※3)。
iDeCoの加入対象になる公務員(共済組合員)の数は約450万人(※2)、そのうち加入者数は約40万人(※4)、つまり公務員のiDeCo加入率は「8.8%」で、全体の「2.7%」を大きく上回っています。
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公務員のiDeCo加入率が高いのはなぜ?
公務員の加入率が高いのには、以下のような背景があると考えられます。
■共済年金の廃止により年金が減った危機感
公務員はかつて「共済年金」という制度に加入していたのですが、これは2015年に一般の会社員と同じ「厚生年金」に統一されることになりました(※5)。それに伴って「職域加算」という年金の上乗せ部分が廃止され、結果的に将来受け取れる年金が少なくなったのです。
直近で将来もらえる年金が減ることが確定し、新しく年金を上乗せできる制度に加入できることになったとなれば、関心を持つ人が多くなっても不思議ではありません。
■税や年金を業務で扱っていて詳しい人が多い
公務員全員ではありませんが、なかには業務の中で日常的に税金や年金の手続きなどを担当している方もいます。iDeCoは年金が増えるだけでなく税負担が軽くなるメリットもありますが、そうした仕組みをよく知っている方や身近に詳しい人がいる方は、「加入しておいた方がメリットを享受できる」という結論に至りやすいと考えられます。
■安定した収入でiDeCoのデメリットもカバー
iDeCoのデメリットの1つとしてよく挙げられるのが「一度投入したお金は60歳まで原則引き出せない」という点です。
ただ、公務員の場合は比較的収入が安定していて、自分から退職しない限り解雇・失業や大幅な給与減のリスクが低いため、一定額を数十年に亘って毎月出し続ける決断もしやすいでしょう。
ちなみに、毎月の収入が不安定な方も多い自営業者や無職の方のiDeCo加入率は、「1.3%」と低い数値にとどまっています。
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まとめ:公務員×iDeCoは相性◎!
iDeCoは年金の上乗せや納税額の圧縮など、公務員だけでなくあらゆる職業の方に役立つものです。ただ、公務員には、iDeCoに関心を持つきっかけや、そのメリットに気づきやすい環境、さらにデメリットを抑えられる雇用体系などから、ほかの職業より加入率が高いのかもしれません。
加入するなら早いほうがよいので「気になっているけれど、まだ加入していない」という方は、この機会に一度よく調べて検討してみてはいかがでしょうか。
(※1)iDeCo公式サイト「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者数等について」
(※2)厚生労働省「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
(※3)厚生労働省「確定拠出年金制度の主な改正(2017年1月1日施行)」
(※4)iDeCo公式サイト「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入等の概況」
(※5)日本年金機構「被用者の年金制度の一元化」
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表