ねんきん定期便をきっかけに! 老後資金対策をFPが解説
配信日: 2021.05.26
そこで、ねんきん定期便を読み解いて、老後資金づくりに役立てましょう。
執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士
ねんきん定期便って何ですか?
ねんきん定期便を見たり聞いたりしたことはあっても、書かれている内容を理解している人は少ないかもしれません。ねんきん定期便には、将来もらえる年金の金額が記載されています。
(1)ねんきん定期便の概要
出典:日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」(※1)
(2)ねんきん定期便の見方
ねんきん定期便の見方やサンプルの詳細は、日本年金機構のホームページ(※2)に詳しく解説されているので、そちらを参考にされるのが一番ですが、ここでは特に注意してほしいことを簡略的にまとめておきます。
【自分のねんきん定期便がどのタイプなのかを把握すること】
まずは届いたねんきん定期便がはがきなのか封書なのかを確認してください。その違いは情報量です。
封書の場合は、決まった年齢に達したとき(35歳・45歳・59歳)に届き、他の年齢時より、詳しい情報が記載されています。具体的には、35歳と49歳のときは、今までに支払った保険料の履歴が記載されています。59歳のときは、今後受け取れる予定の実際の年金額が記載されています。
はがきの場合は、50歳未満と50歳以上で形式が異なります。具体的には、50歳未満の場合は、これまでに支払った保険料に基づいて将来受け取れる金額が記載されています。そのため、今後の働き方により、受け取れる金額は変わります。50歳以上の場合は、これからも同じ働き方を続けた場合の受け取れる年金額が記載されています。
【書かれている年金額が実際に受け取れる金額なのかどうか】
繰り返しになりますが、同じような書式のねんきん定期便が届いて、「年金額○○○円」と書かれていると、「こんなに少ないの!」と思うかもしれません。しかしながら、その届いたねんきん定期便によって、書かれている年金額の意味が異なります。
漠然とイメージしてもらうために簡単にまとめます。50歳以上になると、実際に受け取れる年金額が書かれていると思ってください。50歳未満の人は、今、ここで保険料を納めるのを止めた場合の受け取れる年金額が書かれている、と思ってください。
つまり50歳以上の人は、書かれている年金額で老後の生活のシミュレーションをすることができ、足りない年金額の予測もつけられます。それに対して50歳未満の人は、今から働き方を変更(保険料の支払額が変更)することで、受け取れる年金額も変更になるので、老後の生活のシミュレーションや足りない年金額の予測は難しいかもしれません。
こうした場合は、「ねんきんネット」に登録して、いろいろな働き方の変更により受取額がどのように変わるのかシミュレーションをしてみることをお勧めします。詳しくは、ねんきんネットのホームページ(※3)で確認してみてください。
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金額を知ってどうするの?
ねんきん定期便(または「ねんきんネット」)から得られる年金情報で、どのような利点があるのでしょうか。主に以下の4つを挙げることができます。
(1)老後資金の不足額を知ることにより、早い時期から対策を立てることができる
(2)働き方を考えることができる(早期退職・75歳まで働く・起業する、など)
(3)障害者になったときに受け取れる年金額(障害年金)を知ることができる
(4)家計を支える大黒柱が亡くなったときに受け取れる年金額(遺族年金)を知ることができる
誕生日月に送られてくるねんきん定期便は、本当に大切な情報が記載された「プレゼント」です。大切な情報を見落とさないようにして、老後の不安を早い時期からなくし、楽しい将来設計をしてみましょう。
[出典]
※1 日本年金機構「大切なお知らせ、『ねんきん定期便』をお届けしています」
※2 日本年金機構「『ねんきん定期便』の様式(サンプル)と見方ガイド(令和3年度送付分)」
※3 日本年金機構「ねんきんネット」
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士