年金未払いを調べる方法とは? 未払いがあった場合、どのような手続きが必要?

配信日: 2021.06.10

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年金未払いを調べる方法とは? 未払いがあった場合、どのような手続きが必要?
年金は老後の生活を支える大切なお金です。私たちが老後に受け取る年金は「3階建て」といわれています。
 
1階部分が「国民年金」、2階部分が「厚生年金」、3階部分が「企業年金等」に分かれます。1・2階部分は「公的年金」といい、国が社会保障の一環として運営しています。3階部分は従業員の福利厚生の一環として、会社が任意に厚生年金の上乗せ給付を行う制度です。
 
将来受け取る年金額は、加入実績に応じて決定します。もし、過去に未払い(未納)などがあった場合は、受け取る年金はどうなるのでしょうか。今回は、年金未払い(未納)の調べ方と対応方法について解説します。
廣重啓二郎

執筆者:廣重啓二郎(ひろしげ けいじろう)

佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー

立命館大学卒業後、13年間大手小売業の販売業務に従事した後、保険会社に転職。1 年間保険会社に勤務後、保険代理店に6 年間勤務。
その後、コンサルティング料だけで活動している独立系ファイナンシャルプランナーと出会い「本当の意味で顧客本位の仕事ができ、大きな価値が提供できる仕事はこれだ」と思い、独立する。

現在は、日本FP協会佐賀支部の副支部長として、消費者向けのイベントや個別相談などで活動している。また、佐賀県金融広報アドバイザーとして消費者トラブルや金融教育など啓発活動にも従事している。

国民年金の加入義務者とは?

日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の全ての方は、国民年金に加入する必要があります。この国民年金の加入者は、次の3種類に分けられます。
 

第1号被保険者:自営業者・農業者とその家族、フリーター、学生、無職など(第2号被保険者、第3号被保険者に含まれない人)
第2号被保険者:民間会社員や公務員など厚生年金、共済の加入者
第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者(年収が130万円未満の人)

 
国民年金は加入実績で受け取る年金額が異なります。特に、転職を繰り返している方や会社員から個人事業主になった方などは、未加入期間や加入記録などに漏れがないか、過去にさかのぼってご自身の国民年金の加入実績を確認しておく必要があります。
 

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どのようにして未払い(未納)を調べるの?

さて、過去の国民年金の加入実績はどのように調べたらいいのでしょうか。年金事務所など最寄りの窓口で確認する方法がありますが、今回は、自宅でも確認できる「ねんきんネット」をご紹介します。
 
まず、年金手帳もしくは「ねんきん定期便」で基礎年金番号を確認し、日本年金機構のホームページから「ねんきんネット」へアクセスして新規利用登録をします。
 
登録する際は「アクセスキー」のあり、なしのどちらかを選びます。アクセスキーとは17桁の番号で、毎年、誕生月に送付されるねんきん定期便に記載されている番号です。なお、アクセスキーの有効期限は、ねんきん定期便の到着後3ヶ月以内になります。
 
アクセスキーがある場合は、ユーザIDが即時発行されます。アクセスキーがない場合は基礎年金番号や氏名、生年月日などを入力してユーザIDの発行を申し込み、後日ユーザIDをお知らせするはがきが郵送されてきますので利用登録までに少し時間がかかります。
 
ねんきんネットに登録すると、過去の年金記録を確認することができます。月別の年金記録で国民年金や厚生年金の加入月数、国民年金の免除期間、未加入期間などが分かります。もし、免除期間や未加入(未払い)がある場合は受け取る年金が減額されますので、今後どのように対応するか考えておく必要があるでしょう。
 

国民年金の保険料の免除期間、未加入がある場合はどうしたらいいの?

国民年金の保険料の免除期間や未加入分については、保険料の後払い(追納)ができる場合があります。保険料の免除を利用した場合、10年前までさかのぼって追納できますが、未払い(未納=免除申請していない)の場合は過去2年分までしかさかのぼって追納できません。
 
追納できない未払い分は、60歳から65歳までの間、任意加入として国民年金の保険料を支払うことができます。ただし、支払う国民年金の保険料は、過去の保険料としてではなく、実際に支払うときの保険料となりますので注意が必要です。
 
なお、ねんきんネットでは国民年金の保険料の追納可能な月数と金額を確認することができます。
 

まとめ

国民年金の免除・未加入(未払い)分は、まず、追納できるかどうかの問題と支払う余裕があるかどうかの問題があるでしょう。個人事業主の方などは、支払うことで事業に支障がないか判断しなければなりません。
 
また、追納した場合は将来受け取る年金がいくら増やせるか確認しておきたいところです。ねんきんネットに登録すると、概算で将来の年金見込み額を確認することもできます。年金制度を理解して、国民年金の未払い分を今後どうするか対応方法について考えておきましょう。
 
出典
日本年金機構 ねんきんネット
 
執筆者:廣重啓二郎
佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー

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