令和3年度の国民年金保険料はいくら? 納付できない場合はどうする?

配信日: 2021.06.30

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令和3年度の国民年金保険料はいくら? 納付できない場合はどうする?
毎年度更新される国民年金保険料ですが、納付できない場合はどうすればよいのでしょうか。今回は、令和3年度の国民年金保険料を確認し、納付できない場合の対処方法について解説します。
辻章嗣

執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/

令和3年度の国民年金保険料は

国民年金は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の全ての方が加入するもので、被保険者は下表のとおり3種類に区分されています(※1)。
 

被保険者区分 対象者
第1号被保険者 農業に従事する方、自営業者、学生、フリーター、無職の方など
第2号被保険者 厚生年金保険の適用を受けている事業所に勤務する人
第3号被保険者 第2号被保険者の被扶養配偶者で20歳以上60歳未満の人

(※1を基に筆者作成)
 
第1号被保険者が納付する国民年金保険料は毎年度更新されますが、令和3年度は月額1万6610円になっています(※2)。国民年金保険料の納付は、納付書を用いて金融機関やコンビニエンスストアなどで支払うほかに、口座振替やクレジットカードからの引き落とし、インターネットバンキングまたはモバイルバンキングを利用することもできます(※2)。
 

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国民年金保険料が納付できないときの対処方法は

経済的な理由から国民年金保険料が納付できない場合は、保険料の一部または全部を免除してもらう制度や納付を猶予してもらう制度があります。
 

1.保険料免除制度とは

「保険料免除制度」とは、本人・世帯主・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請する場合は前々年所得)が下表の額以下で、国民年金保険料を納めることが経済的に困難な場合に保険料の納付が免除される制度です。免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類があります(※3)。
 

免除される額 所得の基準
全額免除 (扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
4分の3免除 78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
半額免除 118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
4分の1免除 158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

(※3)を基に筆者作成
 
「扶養親族等控除額」、「社会保険料控除額等」は、年末調整・確定申告で申告した金額になります(※3)。
 

2.保険料納付猶予制度とは

「保険料納付猶予制度」とは、20歳から50歳未満の方で、本人・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が下記の所得基準以下の場合に、保険料の納付が猶予される制度です(※3)。
 
所得基準:(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
 

3.学生納付特例制度

「学生納付特例制度」とは学生の場合、在学中の保険料の納付が猶予される制度です。本人の所得が下記の所得基準以下の学生が対象となり、家族の所得の多寡は問いません(※4)。
 
所得基準(令和3年度):128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等
 
なお、対象となる学生は、大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校および各種学校などに在学する方で、夜間・定時制課程や通信課程の方も含まれます。なお、対象となる学校は日本年金機構のホームページに掲載されている「学生納付特例対象校一覧」(※5)で確認することができます。
 

4.失業等による特例免除とは

失業した場合にも、保険料の納付が免除や猶予される場合があります(※3)。また、令和2年5月1日から、新型コロナウイルス感染症の影響により国民年金保険料の納付が困難となった場合、臨時特例による国民年金保険料の免除や猶予、学生納付特例が以下の2点を満たした方を対象に認められています(※6)。
 

(1)令和2年2月以降、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した
(2)令和2年2月以降の所得などの状況から、当年中の所得の見込みが現行の国民年金保険料の免除等に該当する水準になることが見込まれる

 

保険料の未納と免除・猶予では大違い

国民年金保険料の免除や猶予が認められた期間は、老齢基礎年金を受給するための受給資格期間に算入されます。一方、保険料を納めていない期間は、受給資格期間に算入されないばかりか、障害や死亡といった万が一の事態が発生すると、障害基礎年金や遺族基礎年金が受けられない場合があります(※3)。
 
また、国民年金保険料を免除された期間がある場合は、免除された保険料の割合に応じて老齢基礎年金の額を計算する際に下表の割合で反映されます。一方、保険料の納付猶予と学生の納付特例を受けた期間は、保険料を追納しない限り老齢基礎年金の額には反映されません(※3)。
 
なお、10年以内であれば免除や猶予された保険料を追納することにより、老齢基礎年金の額を増やすことができます。
 

 

まとめ

20歳以上の学生、自営業者、フリーター、無職の方など国民年金の第1号被保険者は、国民年金保険料(令和3年度は月額1万6610円)を直接納付する必要があります。また、経済的に納付が困難な場合は未納にすることなく、保険料の免除や猶予制度、学生の場合は学生納付特例を利用しましょう。
 
出典
(※1)日本年金機構 公的年金の種類と加入する制度
(※2)日本年金機構 国民年金保険料
(※3)日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
(※4)日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
(※5)日本年金機構 学生納付特例対象校一覧
(※6)日本年金機構 新型コロナウイルス感染症の影響による減収を事由とする国民年金保険料免除について
 
執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

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