障害年金における「障害等級」とは? 年金支給の対象となるのは何級から?

配信日: 2021.07.26

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障害年金における「障害等級」とは? 年金支給の対象となるのは何級から?
あなた自身やあなたの大切な人が突然の病気やけがにより体が不自由になり、一定の要件を満たした場合、生活の保障として「障害年金」が支給されます。この障害年金の制度でわかりにくいこと、それが「一定の要件」です。
 
そこで、一定の要件のうち、特に「障害等級」にスポットを当て、障害年金のことを見ていきましょう。
秋口千佳

執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)

CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

障害年金とは

障害年金とは、病気やけがにより体が不自由になり、仕事や生活に制限が加わるようになった場合に、受け取ることができる年金です。この年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があり、医師の診断を受けた時点で加入していた年金の種類(国民年金なのか厚生年金なのか)により、どちらを受給できるか決まります。
 
また、障害年金を受給できる要件は年金の種類によってそれぞれ異なりますので、それらを確認していきましょう。以下、日本年金機構HPから障害基礎年金の受給要件と障害厚生年金の受給要件を引用します。
 

【障害基礎年金の受給要件】

国民年金に加入している間、または20歳前(年金制度に加入していない期間)、もしくは60歳以上65歳未満(年金制度に加入していない期間で日本に住んでいる間)に、初診日(障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日)のある病気やケガで、法令により定められた障害等級表(1級・2級)による障害の状態にあるときは障害基礎年金が支給されます。
 
※障害基礎年金を受けるためには、初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしていること(保険料納付要件)が必要です。ただし、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はありません。
 

(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

 
引用:日本年金機構「障害年金」
 

【障害厚生年金の受給要件】

厚生年金に加入している間に初診日のある病気やケガで障害基礎年金の1級または2級に該当する障害の状態になったときは、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給されます。また、障害の状態が2級に該当しない軽い程度の障害のときは3級の障害厚生年金が支給されます。
 
なお、初診日から5年以内に病気やケガが治り、障害厚生年金を受けるよりも軽い障害が残ったときには障害手当金(一時金)が支給されます。
 
※障害厚生年金・障害手当金を受けるためには、障害基礎年金の保険料納付要件を満たしていることが必要です。
 
引用:日本年金機構「障害年金」
 

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障害等級とは

日本年金機構のホームページに詳しく掲載されていますが、部位別(目、耳、上肢、下肢、精神、心臓、神経系など)の状態に応じて、障害等級が決められています(※)。つまり、細かく決めることにより、医師による判断の違いを防ぎ、「こういう状態であるときは2級です」と決めているのです。
 
この障害等級の判断に誤りがあると、障害年金を受給できないこともあるので、厳密に決めておく必要があります。障害基礎年金の場合、障害等級表には1級と2級の記載があり、どちらかの場合にのみ、受給できます。ところが障害厚生年金の場合、障害等級1級から3級と障害手当金という4段階に分かれています。
 
つまり、障害厚生年金のほうが、受給要件の範囲が広くなっています。
 

国の制度を正しく知って正しく利用しよう

社会福祉を充実させるためには、日本に十分なお金が必要であり、景気が下向きになると、国の税収も減り、社会福祉を削らざるをえない状況になることもあります。しかしながら社会福祉制度は、景気に左右されることなく充実させる必要があり、憲法でも保障されているように、少なくとも必要最低限の保障はあるべきです。
 
ところが、ほんの一部の人が社会福祉制度を悪用し、本来の対象者でない人が受給しているという現実もあります。そのため、この制度について正しく理解し、正しく利用することで、本当に必要な人に必要な支援が届くようになってほしいものです。
 
出典
※日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」(平成29年12月1日改正)
日本年金機構「障害年金の制度」
日本年金機構「障害年金」
 
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

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