更新日: 2021.08.07 iDeCo(確定拠出年金)

65歳までiDeCo加入ができるように。50代から始める場合の注意点

65歳までiDeCo加入ができるように。50代から始める場合の注意点
老後資金への関心が高まる中、iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者は、2021年3月末で193.9万人(厚生労働省「iDeCo(個人型)の加入者数の推移」より)となり、2016年の制度改正から加入者数が毎年増加しています。
 
iDeCoに加入できるのは20歳以上60歳未満の人ですが、2022年5月から一定の条件を満たすと65歳まで加入できるようになります。加入できる期間が延びることで、加入を考える50代の人が増えるかもしれません。
 
50代から始める場合は、受給開始時期に制限が生じる場合があり、30代や40代に比べると運用期間が比較的短くなります。今回はiDeCoを始める場合の注意点を紹介します。

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伊達寿和

執筆者:伊達寿和(だて ひさかず)

CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員

会社員時代に、充実した人生を生きるには個人がお金に関する知識を持つことが重要と思いFP資格を取得。FPとして独立後はライフプランの作成と実行サポートを中心にサービスを提供。

親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けて、地域に根ざしたFPとして活動中。日本FP協会2017年「くらしとお金のFP相談室」相談員、2018年「FP広報センター」スタッフ。
https://mitaka-fp.jp

iDeCoの概要

iDeCo(個人型確定拠出年金)は国民年金や厚生年金とは異なり、任意で加入する私的年金の制度です。
 
iDeCoに加入すると、掛け金を自分で拠出し(給与天引きにできる場合もあります)、自分で選んだ金融商品で掛け金を運用します。そして、掛け金とその運用益の合計額を給付金として受け取る仕組みです。ただし、運用の結果によっては運用損が発生し、給付が掛け金より少なくなる場合もあります。
 
iDeCoでは税制上の優遇措置があります。拠出した掛け金は所得控除の対象になり、運用益については非課税で扱われます。また、給付の受け取りについては、一時金として受け取るときは退職所得控除、年金として受け取るときは公的年金等控除の適用が受けられます。
 

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65歳まで加入ができるケース

iDeCoは、基本的に20歳以上60歳未満の人が加入できます。現在、掛け金の拠出ができるのは60歳までですが、2022年5月からは国民年金被保険者であれば65歳までに延長されます。
 
改正後は、会社員・公務員(第2号被保険者)については、厚生年金に加入していれば65歳までiDeCoに加入することができます。また、自営業などの第1号被保険者、専業主婦などの第3号被保険者については、任意加入被保険者であれば65歳までiDeCoに加入することができます。
 
会社員などで60歳以降も仕事を続ける人や、老齢基礎年金の満額受給を希望するために国民年金に任意加入をする人が該当します。50代で加入した場合でも、65歳まで加入できるのであれば、10年近い加入期間を確保することができるようになります。
 
また、受取開始時期は60歳から70歳までとなっていますが、改正により60歳から75歳までと5年拡大しますので、こちらも選択肢が増えることになります。
 

受給開始時期の制限があるケース

iDeCoで運用した掛け金を60歳から受け取るには、個人型確定拠出年金に加入していた期間(通算加入者等期間)が10年以上必要です。通算加入者等期間とは、企業型確定拠出年金とiDeCoの加入者期間と運用指図者期間を合算した期間です。
 
通算加入者等期間に応じた受給開始時期は、現在以下のとおりです。
 

●10年以上の場合、60歳
●8年以上10年未満の場合、61歳
●6年以上8年未満の場合、62歳
●4年以上6年未満の場合、63歳
●2年以上4年未満の場合、64歳
●1月以上2年未満の場合、65歳

 
例えば55歳で加入した人は60歳までの加入期間が5年ですので、受給開始時期は63歳になります。60歳から62歳までは運用指図者として、掛け金の拠出をせずに運用だけを続けることになります。50代から始める場合は受給開始時期を、事前に確認しましょう。
 

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運用期間も考慮して運用方法の検討を

50代から始める場合は運用方法にも注意しましょう。iDeCoでは自分で運用商品を選択しますが、運用商品には預金などの元本保証以外に、投資信託など値動きのある金融商品も含まれています。
 
20代や30代であれば、運用期間が30年以上ありますので、途中で大きな値動きがあったとしても長期で運用をすることで影響を抑えることができるかもしれません。しかし、50代から始める場合は、運用期間が10年以下になることもありますので、運用の途中で評価額が大きく下がるなどの影響で、受給が掛け金よりも少なくなる可能性があります。
 
50代から始める場合は、受取開始時期すなわち運用期間を考慮して、運用方法も検討する必要があるでしょう。税制上の優遇措置は他の年代と同様に受けられますので、税制メリットを重視して、リスクを抑えた運用にするのも1つの方法です。
 
出典
厚生労働省 確定拠出年金制度 規約数等の推移(規約数、事業主数、企業型年金加入者数、個人型年金加入者数)
厚生労働省 2020年の制度改正
iDeCo公式サイト iDeCo(イデコ)の特徴
iDeCo公式サイト 年金資産の受け取り(給付)について
 
執筆者:伊達寿和
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員

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