更新日: 2021.08.06 その他年金

60歳以降も働いて、年金を増やせるケースとは?

執筆者 : 杉浦詔子

60歳以降も働いて、年金を増やせるケースとは?
定年が60歳である企業などに勤めており、勤め先に勤務延長制度や再雇用制度などがある場合は、60歳以降も働くことが可能となっています。
 
60歳以降も働いて年金保険料を納め続けることで、受け取る年金が増えるか考えてみましょう。

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杉浦詔子

執筆者:杉浦詔子(すぎうらのりこ)

ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント

「働く人たちを応援するファイナンシャルプランナー/カウンセラー」として、働くことを考えている方からリタイアされた方を含めた働く人たちとその家族のためのファイナンシャルプランニングやカウンセリングを行っております。
 
2005年にCFP(R)資格を取得し、家計相談やセミナーなどのFP活動を開始しました。2012年に「みはまライフプランニング」を設立、2013年よりファイナンシャルカウンセラーとして活動しています。
 

老後の年金を増やす方法

将来、受給できる年金額を増やすことができれば、老後の生活はより豊かになると考えられます。年金受給額を増やす主な方法には、老齢基礎年金を満額にする、老齢厚生年金の受給額を増やす、年金として受け取るための財形年金貯蓄をするなどがあります。
 

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老齢基礎年金を満額にする

老齢基礎年金は、20歳から60歳になるまでの40年間(480月)納めると満額の年額78万900円、月額で6万5075円(令和3年度)を受け取ることができます。
 
高校卒業後に大学や専門学校に進学した場合、20歳の誕生日を迎えた時点では学生であることが多くなります。在学中に年金保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」を利用していると、卒業してすぐに年金保険料を納め始めたとしても、60歳までに480月の年金保険料を納めることはできません。
 
例えば、20歳から大学卒業までの2年間(24月)、学生納付特例で年金保険料の納付の猶予を受けていたとします。この場合、年金は24月/480月分減額され、受給額は年額約74万円になります。年金を65歳から85歳まで20年受給すると考えると、総受給額が約80万円少ないことになります。
 
老齢基礎年金を満額受給するための保険料納付期間を満たしていないケースで60歳以降も働き続けるときは、国民年金に任意加入をして保険料を納めることで、受け取れる年金を満額に近づけることができます。
 
60歳から62歳まで働いて月額1万6610円(令和3年度の例)の保険料を納付した場合、24月で約40万円を支払うことになりますが、65歳から20年間の年金の総受給額が約80万円増えます。
 
なお、60歳以降の働き方によっては厚生年金に加入となり、国民年金の任意加入を行うことはできません。
 

厚生年金の受給額を増やす

60歳以降もフルタイムなどで働くことを選択すると、厚生年金に加入することとなります。厚生年金には70歳まで加入できますので、60歳の定年後も働く場合は厚生年金に加入継続することで受給額を増やせます。65歳からの老齢厚生年金の受給額の計算式は以下となります。


平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの厚生年金の加入期間の月数+平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月からの厚生年金の加入期間の月数

老齢厚生年金は平均標準報酬額が高く、加入期間が長いほど、受給額が多くなります。
 
例えば、平均標準報酬額20万円で60歳から65歳になるまでの5年間(60月)働き続け、厚生年金に加入継続すると、受給額は年額約6.5万円(20万円×5.481/1000×60月)増えます。70歳まで10年間(120月)働いた場合は年額約13万円です。
 

財形年金貯蓄を始める

老齢基礎年金や老齢厚生年金といった公的年金を増やす以外に、例えば勤務先に財形制度があれば、財形年金貯蓄に任意に加入することで年金額を増やすことができます。
 
財形年金貯蓄は、60歳以降に年金として受け取るための老後の資金づくりを目的としており、満55歳未満の勤労者が加入でき、財形住宅貯蓄と合わせて貯蓄残高550万円まで利子などに税金がかからない制度です。給与から一定額の天引きで積み立てられます。
 
このように年金として受給する額を増やすコツは、できるだけ長く働き続け、納める保険料や貯蓄額を増やすことなのです。
 
なお、60歳以降も働き続けることで年金受給額を増やすだけでなく、その収入により、老後の生活のために取り崩す貯蓄額を最小限に抑えることができます。貯蓄に余裕を持つことで老後生活はより豊かになります。
 
出典
日本年金機構 任意加入制度
日本年金機構 老齢年金ガイド(令和3年度版)
 
執筆者:杉浦詔子
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント