更新日: 2021.08.15 iDeCo(確定拠出年金)

2022年の改正でiDeCoにどんな影響があるの?

2022年の改正でiDeCoにどんな影響があるの?
iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者数は、2021年6月時点で200万人を超えています。
 
2017年の法改正により、加入対象者の範囲が公務員や専業主婦の方まで拡大されたことで加入者が急速に増えましたが、さらに2022年にも法改正で加入可能年齢や老齢給付金の受け取り方の選択肢が広がるほか、加入条件なども緩和されます。
 
今回は、法改正でiDeCoがどのように変わるのか解説します。

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廣重啓二郎

執筆者:廣重啓二郎(ひろしげ けいじろう)

佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー

立命館大学卒業後、13年間大手小売業の販売業務に従事した後、保険会社に転職。1 年間保険会社に勤務後、保険代理店に6 年間勤務。
その後、コンサルティング料だけで活動している独立系ファイナンシャルプランナーと出会い「本当の意味で顧客本位の仕事ができ、大きな価値が提供できる仕事はこれだ」と思い、独立する。

現在は、日本FP協会佐賀支部の副支部長として、消費者向けのイベントや個別相談などで活動している。また、佐賀県金融広報アドバイザーとして消費者トラブルや金融教育など啓発活動にも従事している。

法改正でiDeCoはどう変わる?

現行のiDeCoは、原則として60歳未満の国民年金被保険者の方しか加入(掛け金の積み立て)できません。これが法改正で、2022年5月より65歳未満まで加入可能年齢が拡大されます。
 
2022年5月以降、例えば60歳以上の方が厚生年金に加入して働き続ける場合は国民年金の第2号被保険者となるため、iDeCoに加入して掛け金の積み立てができるようになります。
 

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企業型確定拠出年金とiDeCoの同時加入の緩和

現在、企業型確定拠出年金(以下、企業型DC)に加入している方(2021年3月時点で約750万人)は、ほぼiDeCoに加入できません。
 
というのは、企業型DCの掛け金の上限の引き下げや労使合意に基づいた規約の変更がされない場合、企業型DCとiDeCoは同時加入が認められていないからです。
 
2022年10月からは、企業型DCの加入者でも規約変更などの要件なしに、本人の意思でiDeCoとの同時加入が選択できるようになります。
 
ただし、企業型DCにおいて事業主掛金に上乗せして加入者が掛け金を拠出(マッチング拠出)している場合などは、iDeCoに加入できません。
 
同時加入できるのは企業型DCの事業主掛金とiDeCoの掛け金、これらの合計額が下記の表の金額以内の場合となっています。
 

企業型DCに加入している方がiDeCoに加入する場合 企業型DCと確定給付型(DB、厚生年金基金など)に加入している方が、iDeCoに加入する場合
企業型DCの事業主掛金(1) 5万5000円以内 2万7500円以内
iDeCoの掛け金(2) 2万円以内 1万2000円以内
(1)+(2) 5万5000円以内 2万7500円以内

※厚生労働省 「2020年の制度改正」を基に筆者作成
 

国民年金の保険料の未納や免除期間はありませんか?

今回の法改正で、65歳までiDeCo加入できるようになることをお話ししました。
 
iDeCo加入できる条件は国民年金被保険者であることですが、それではフリーランスや自営業者などの方(第1号被保険者)や専業主婦などの方(第3号被保険者)のように、60歳で国民年金の加入期間が終了する場合は該当するのでしょうか?
 
その答えは、60歳以降で国民年金に任意加入できるどうかで判断されます。
 
国民年金の加入期間は、20歳から60歳までの最大40年と決まっています。しかし、保険料の未納期間があったり、支払いの免除を申請した期間があるなど、国民年金を満額受け取るための受給資格期間を満たしていない場合は、60歳以降、国民年金に任意加入することでiDeCoに加入可能となります。
 

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60歳以降の新規加入での受給時期と受給開始期間の変更

加入可能年齢の拡大により、 60歳から65歳未満までiDeCoに新規加入できるようになりますが、iDeCoへの加入から給付金の受け取りの開始までは5年間が必要となります。
 
例えば63歳でiDeCoを始めた場合、受給開始は68歳からとなり、65歳から68歳までの3年間は積み立て分の受け取りもできません。また、この間の運用は非課税で継続できますが、口座管理手数料がかかります。
 
その他の法改正として、2022年4月からiDeCoの老齢給付金の受給開始時期を60歳(加入者資格喪失後)から75歳までの間で選択できるようになります。
 
今回のiDeCoの法改正は、人生100年時代に合わせた加入可能年齢と受給開始期間の延長といっていいでしょう。今後の働き方にも大きく関わってきますので、この機会に老後のライフプランとiDeCoの利用について考えてみましょう。
 
出典
厚生労働省 iDeCoの概要
iDeCo公式サイト iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者数等について
企業年金連合会確定拠出年金の統計
厚生労働省 2020年の制度改正
 
執筆者:廣重啓二郎
佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー
 

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