更新日: 2021.08.17 年金

国民年金保険料の産前産後免除は、届出日に注意しましょう!

執筆者 : 井内義典

国民年金保険料の産前産後免除は、届出日に注意しましょう!
国民年金第1号被保険者が出産する場合、国民年金保険料について産前産後免除を受けることができます。しかし、免除を受けられる月については、その届出日によって変わることもあります。
 
井内義典

執筆者:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

1982年生まれ。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役。

資格学校勤務時代には教材編集等の制作業務や学習相談業務に従事し、個人開業の社会保険労務士・FPとしては公的年金に関する研修講師を務め、また、公的年金の相談業務も経験してきている。

これらの経験を活かして、専門誌で年金に関する執筆を行っている。2018年に、年金やライフプランに関する相談・提案、教育研修、制作、調査研究の各事業を行うための株式会社よこはまライフプランニングを設立、横浜を中心に首都圏で活動中。日本年金学会会員、日本FP学会準会員。

国民年金保険料の産前産後免除制度

自営業者やその配偶者など国民年金第1号被保険者は、毎月国民年金保険料(2021年度:月額1万6610円)を納付する義務がありますが、出産する場合はその保険料の免除が受けられるようになっています(2019年4月施行)。
 
この産前産後免除制度による免除対象期間は、出産予定日または出産日の前月から4ヶ月間(多胎妊娠の場合は出産予定日または出産日の3ヶ月前から6ヶ月間)です。産前産後免除は出産の事実により受けられますので、保険料の申請免除制度等のように所得要件はありません。
 
また、当該産前産後免除期間中は、保険料全額の免除を受けていることにはなりますが、将来の老齢基礎年金の計算上は、保険料免除期間ではなく、保険料納付済期間として扱われるため、免除期間として計算されるより受給額は多くなります。
 
さらに、当該期間については、国民年金の上乗せの付加保険料(月額400円)を納付することができ、あるいは国民年金基金への加入もできます。
 

産前産後免除を受けるためには届出が必要

第1号被保険者として出産することが明らかであれば免除を受けることができますが、免除を受けるための市区町村への届出は必要です。出産予定日の6ヶ月前から届出ができます。届出に期限はなく、届出は出産後でも行うことができます。
 
しかし、その届出の時期によっては、免除を受けられる月が変わることがありますので注意が必要です。
 

届出と出産の時期によって対象期間が変わることも!

免除対象となるのは「出産予定日または出産日の前月から4ヶ月間」と述べました。出産予定日と実際の出産日が異なることもあるかと考えられますが、基準となるのは出産予定日、出産日どちらなのでしょうか。
 
出産予定日の6ヶ月前から行える届出を出産前に行っている場合は、原則、出産予定日を基準に免除対象期間が決まります。実際に、出産予定日と出産日が異なる月であっても、出産予定日のある月の前月から4ヶ月間となります。
 
一方、出産前に届出を行わず出産後に届出を行った場合は、出産日を基準に免除対象期間が決まります。出産日のある月の前月から4ヶ月です。
 
もし、出産予定日が2022年1月で、実際の出産日が2021年12月だった場合、出産前に届出を行っていれば、2021年12月から2022年3月までが免除対象です(【図表1】)。
 


 
一方、出産前に届出を行っていなかった場合は、2021年11月から2022年2月までが免除対象です。出産前に届出をしていた場合と、対象期間がずれることになり、2022年3月分の保険料は免除対象にならず、納付義務が発生します(【図表2】)。
 

 
出産の時が近づくにつれて、出産のことで頭がいっぱいになるかもしれませんが、産前産後免除を受けられる場合、どの月が免除対象となるか、あるいは納付義務があるかをしっかり把握しておくことが大切です。
 
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

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