年金は月にいくらもらえる? 将来の年金額を確認する方法

配信日: 2021.08.23

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年金は月にいくらもらえる? 将来の年金額を確認する方法
「老後破産」「老後2000万円不足」などセカンドライフにおけるネガティブなニュースを見聞きして、自分の老後のお金について不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
 
漠然とした不安をやわらげるためには、まず自分の置かれている状況を具体的な数字で把握してみるのがおすすめです。将来もらえる年金額の確認方法について解説します。
馬場愛梨

執筆者:馬場愛梨(ばばえり)

ばばえりFP事務所 代表

自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。

過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。

https://babaeri.com/

将来もらえる金額を知るメリット

自分は将来いくらくらいの年金が受け取れるのか。なんとなく「少なそう」というイメージがあったとしても具体的な金額まではわからない。そんな方は一度、今わかる範囲で見込み額を確認してみましょう。
 
年金が月5万円なのか、10万円なのか、15万円なのか、目安だけでもわかれば老後の働き方や貯金の取り崩し方などの計画を立てやすくなります。受け取れる年金額だけでなく、会社から受け取れる退職金の金額もあわせて確認しておくとよいでしょう。
 
「老後にもらえる金額」から「老後生活に必要な金額」を差し引けば、いくら足りないのか、今から毎月いくらずつ貯めていけば用意できそうか、そのために今どんな行動するべきか、逆算していくことができます。
 

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年金は月いくら? 現時点の見込み額を確認しよう

年金額を確認するには、以下のような方法があります。
 

■確認方法1.ねんきん定期便

(出典:日本年金機構(※1))
 
年1回、誕生月に日本年金機構から送られてくる「ねんきん定期便」には、今までの年金加入記録や年金額などが載っています。この年金額は、その時点までの納付状況だけで計算した場合に、1年間にいくら受け取れるかを示しています。
 
手元の数字は少なく見えるかもしれませんが、受け取り開始までさらに年金保険料を支払っていけば、それを反映して実際の受取額は増えていきます。59歳時点の定期便には、「実際に受け取れる年金額」や「受け取り開始を遅らせて増額された場合の年金額」が載っています(※2)。
 

■確認方法2.ねんきんネット

手元にねんきん定期便がなくても、同じく日本年金機構が運営する「ねんきんネット」というサイトで確認できます。
 
ねんきんネットには、自分の今後の収入や職業、年金受給開始年齢などを入力して具体的な金額を試算できるコーナーがあるため、過去の加入記録だけをもとにした年金額しかわからないねんきん定期便と違い、将来まで見通すことができます。
 
(参考:日本年金機構「年金見込額試算」(※3))
 

■確認方法3.年金事務所に問い合わせる

ねんきんネットでの確認が難しいときやわからない部分があるときは、お住まいの地域の年金事務所に問い合わせることもできます。窓口に出向かなくても、電話・郵送・FAXでの相談も可能です(※4)。
 

■確認方法4.iDeCo、企業年金、国民年金基金などはそれぞれの機関に確認

加入義務がある国民年金や厚生年金だけでなく、追加の年金制度に加入している場合は、それぞれの機関で別途確認しましょう。
 

●iDeCo……契約している証券会社で運用実績を確認
●企業年金……勤務先の企業や厚生年金基金・企業年金基金もしくは企業年金連合会に確認
●国民年金基金……全国国民年金基金の公式サイトや各支部への問い合わせで確認

 
(参考:日本年金機構「Q 国民年金基金に加入していましたが、「ねんきん特別便」に基金加入期間が記載されていません。どうしてですか。」、企業年金連合会「あなたの企業年金、お忘れではありませんか?」、国民年金基金ホームページ)
 

■確認方法5.ざっくりと知りたいなら……金融機関などのシミュレーションサイト

あくまでざっくりと手早く知りたいということであれば、金融機関などが用意しているシミュレーションサイトなどもあります(※6)。収入や年齢などの数字を入力すれば、将来の年金額がだいたいいくらになるかすぐに計算できます。
 

■確認方法6.平均値を知りたいなら……厚生労働省の統計

「普通はどれくらい?」「これって多い? 少ない?」と気になったら、厚生労働省が公表している統計を確認すれば平均的な金額がわかります。
 
ちなみに2019年度の「厚生年金保険・国民年金事業年報」(※7)によると、1ヶ月あたりの年金額は会社員など(厚生年金・第1号)では約14万6000円、自営業など(国民年金)では約5万6000円となっています。
 

年金額を確認して老後の計画を練ろう

もらえる年金額は、昇格・降格や転職などによる収入の変化や今後の制度改正などの影響で変わることもあります。
 
ただ、何も知らず年金額の見当もつかないのと、現時点での目安がわかっているのとでは、将来の備えをするにあたり大きな差が生まれる可能性があります。
 
少々手間に感じるかもしれませんが、この機会に一度自分の将来受け取ることのできる年金額を確認し、老後の資金計画をじっくりと練ってみてはいかがでしょうか。
 
(※1)日本年金機構「ねんきん定期便関係/ねんきん定期便サンプル/令和3年度「ねんきん定期便」50歳未満」
(※2)日本年金機構「「ねんきん定期便」をお送りします。」
(※3)日本年金機構「年金見込額試算」
(※4)日本年金機構「年金相談についてのご案内」
(※5)日本年金機構「Q 国民年金基金に加入していましたが、「ねんきん特別便」に基金加入期間が記載されていません。どうしてですか。」
企業年金連合会「あなたの企業年金、お忘れではありませんか?」
国民年金基金ホームページ
(※6)三井住友銀行「年金試算シミュレーション」
(※7)厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報 令和元年度 結果の概要」P8/50
 
(出典)
日本年金機構「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和3年度送付分)
日本年金機構「ねんきんネット」
 
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表

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