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更新日: 2021.08.19 年金

国民年金はなぜ毎年保険料が変わる? 金額はどうやって決められるの?

執筆者 : 辻章嗣

国民年金はなぜ毎年保険料が変わる? 金額はどうやって決められるの?
2021年度の国民年金保険料は月額1万6610円ですが、この額は年度ごとに変わります。今回は、平成16年に行われた年金制度改正の概要と国民年金保険料がどのようにして決定されるのか解説します。
 
辻章嗣

執筆者:

執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/

辻章嗣

執筆者:

執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/

平成16年の年金制度改革とは

わが国の年金制度は、社会経済と調和した持続可能な公的年金制度を構築し、公的年金制度に対する信頼性を確保することなどを目的として、平成16年(2004年)に大きく変わりました(※1)。
 

1.給付と負担の見直し

わが国の年金制度は、現在の現役世代が納めた保険料によって年金が支給される賦課制度が採用されています。従来の年金制度では、まず年金の給付水準を設定し、必要な負担(保険料)水準を設定していました。
 
この年金制度改正によって、まず将来の負担(保険料)の上限を設定し、その範囲内で給付水準を調整することとされました(※2)。
 

2.保険料の見直し

そこで、平成29年(2017年)以降の国民年金の保険料水準を1万6900円に固定し、平成17年(2005年)から平成29年にかけて、改正前の保険料1万3300円から毎年280円ずつ引き上げることとされました。
 
ただし、実際の保険料は、平成16年に定められた負担(保険料)水準に、平成16年から賦課される時点までの賃金上昇率を乗じて定められます。従って、今後の年金額は1万6900円をベースに賃金上昇の状況に応じて変化します(※3、4)。
 

国民年金保険料はどのようにして決まるのか?

1.保険料の計算方法

毎年度の保険料額は、次の計算式に基づき平成16年の制度改正で決まった保険料額(A)に物価や賃金の伸びに合わせて求められる保険料改定率(B)を乗じて決定されます(※4)。
 
毎年度の国民年金保険料額=(A)×保険料改定率(B)
 
なお、保険料改定率(B)は、前年度の保険料改定率に名目賃金変動率(C)を乗じて求められます。また、名目賃金変動率(C)は、物価変動率と実質賃金変動率から求められています(※4)。
 
保険料改定率(B)=前年度保険料改定率×名目賃金変動率(C)
名目賃金変動率(C)=物価変動率×実質賃金変動率

 

2.過去の国民年金保険料の推移

過去の国民年金保険料は、下表のとおり推移してきました。そして、平成29年度(2017年度)以降は、基準となる保険料は1万6900円に固定されており、大きく変わることはありません。
 
なお、令和元年度(2019年度)からは、産前産後期間の保険料免除制度が施行されたことにより、基準となる保険料が月額100円上乗せされて、1万7000円になっています(※4)。
 

年度 平成16年制度改正で決められた保険料額 保険料改定率 実際の保険料額
2005 13,580 1.000 13,580
2006 13,860 1.000 13,860
2007 14,140 0.997 14,100
2008 14,420 0.999 14,410
2009 14,700 0.997 14,660
2010 14,980 1.008 15,100
2011 15,260 0.984 15,020
2012 15,540 0.964 14,980
2013 15,820 0.951 15,040
2014 16,100 0.947 15,250
2015 16,380 0.952 15,590
2016 16,660 0.976 16,260
2017 16,900 0.976 16,490
2018 16,900 0.967 16,340
2019 17,000 0.965 16,410
2020 17,000 0.973 16,540
2021 17,000 0.977 16,610

(※4を基に筆者作成)
 
なお、国民年金保険料は、前々年度末までには決定されることになっており、令和4年度(2022年度)の国民年金保険料は、既に1万6590円に決定されています(※5)。
 

まとめ

平成16年(2004年)に年金制度が改正され、平成29年(2017年)以降の国民年金保険料の水準は固定されました。従って、今後、国民年金保険料が大きく変わることはありませんが、賃金上昇率に応じて毎年見直されています。
 
出典
(※1)厚生労働省 平成16年の制度改正
(※2)厚生労働省 平成16年 年金制度改正のポイント 給付と負担の見直しの骨格
(※3)厚生労働省 平成16年 年金制度改正のポイント 保険料の上昇は極力抑え、将来水準を固定します。
(※4)日本年金機構 国民年金保険料の額は、どのようにして決まるのか?
(※5)日本年金機構 国民年金前納割引制度(現金払い 前納)
 
執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

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