更新日: 2021.09.15 国民年金
国民年金保険料が高い……と感じたら、知っておきたい前納割引制度
そこで、国民年金保険料が負担だと感じたときに使うことのできる前納割引制度について見ていきます。
執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士
国民年金保険とは
国民年金保険とは、日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人が加入する保険です(※1)。多くの人は保険という認識を持っていないかもしれません。保険とは万一の時に保障してくれるものです。では、この国民年金保険が保障する「万一の時」とはどんな時でしょうか。
(1)ある一定の年齢に達し老後を迎えた時
(2)病気やけがにより働けなくなった時
(3)一家の主たる生計維持者が亡くなった時
つまり、これらの「万一の時」に一定の保障をしてくれるのが国民年金保険です。さらに、国民年金保険料を支払うと、その支払った保険料は、全額がその支払った人の所得税の所得控除となり、節税効果もあります。
なお、節税効果となる国民年金保険料の支払いは、民間の保険会社に支払った保険料の所得控除のように限度額がないため、より効果が得られます。
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でも(国民年金)保険料は高い
万一の時の保障になるとか、所得控除というメリットがあるとか、メリットは分かったが、やはり保険料は高い、というのが正直なところではないでしょうか。冒頭にも書きましたが、令和3年度の保険料は月額1万6610円なので、年額は19万9320円となり、家計に大きな負担と感じることもあるかもしれません。(※2)
保険料をできるだけ安くしたい
この国民年金保険料を高いと感じる人は多く、そういった人向けに用意されているのが、前納割引制度です。簡単にいえば、毎月の支払いをまとめて(半年分・1年分・2年分)支払ってくれる人には、割り引きますよ、という制度です。具体的に見ると次のとおりです。
この表のとおり、割引額は少ないものの、毎年この制度を繰り返し活用すると、少しずつですがお得感を味わえます。割引制度を利用したい人は、お近くの年金事務所に問い合わせてください。
なお、国民年金保険料の前納割引制度には、「現金払い」(※3)と「口座振替」(※4)と「クレジット決済」(※5)があります。
国民年金保険と民間の保険会社の保険との併用
繰り返しになりますが、国民年金保険は保険です。民間会社の保険と同じ保障になるものもあるので、民間会社の保険に加入されるときは、国民年金があることを忘れてはいけません。国民年金に加入したうえで、足りない保障部分を民間の保険会社で補う、というのが当たり前のスタイルです。
国民年金保険の保障が足りるかどうかは、毎年誕生日月に送られてくる「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」でも確認できます。
ただし、具体的にあなたは遺族基礎年金を○○○円受給できます、とは書いていません。そのため、ねんきん定期便やねんきんネットの見方が分からない人は、専門家である社会保険労務士やファイナンシャル・プランナーに聞いてみてください。
出典
※1 日本年金機構「年金Q&A(国民年金の加入)」~「Q 国民年金はどのような人が加入するのですか。」
※2 日本年金機構「国民年金の加入と保険料のご案内」
※3 日本年金機構「国民年金前納割引制度(現金払い 前納)」
※4 日本年金機構「国民年金前納割引制度(口座振替 前納)」
※5 日本年金機構国民年金保険料をクレジットカードで支払いたいとき(やめたいとき)
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士