更新日: 2021.09.21 その他年金

自営業者は会社員と比べて、どれくらい年金が少ない? 老後資金の対策は?

自営業者は会社員と比べて、どれくらい年金が少ない? 老後資金の対策は?
自営業者の中には「会社員より年金額が少ないから将来が心配」と不安を抱えてる方もいるのではないのでしょうか。実際に自営業者を確認し、それを踏まえて老後資金の対策について考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

自営業者と会社員の年金額を比較

まずは自営業者と会社員の年金額を比較していきましょう。
 
前提として自営業者は国民年金のみの加入、会社員は日本年金機構が想定する平均的な年収(平均標準報酬、賞与含む月額換算で43万9000円)で40年間就業した場合に受け取る年金で比較します。
 
令和3年度を基に計算すると、自営業者が受け取れる国民年金は満額で月額6万5075円となります。それに対して、厚生年金に加入している会社員は月額15万5421円となり、年金額は自営業者のおよそ2.3倍です。
 
厚生年金はともかく、国民年金だけで余裕のある生活は難しいことがよく分かります。
 

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なぜ自営業者の年金が少ないのか

自営業者の年金が少ない理由は、単純に支払っている保険料が少ないからです。自営業者が加入する国民年金の保険料は、月額1万6610円(令和3年度)です。
 
一方、厚生年金の加入者が支払う保険料は、給与を基準にして決められた標準報酬月額の9.15%で、国民年金と比べて保険料は高額となり、給付もそれに応じて手厚く設定されているからです。
 
また、厚生年金の保険料には国民年金保険料も含まれ、事実上、国民年金と厚生年金の両方に加入しているため、自営業者と会社員とでは年金に差が生じるのです。
 

自営業者の老後対策は?

自営業者は会社員と比べて年金額が少なく、老後の対策が大切になるということは明確です。だからといって、ただ貯金しているだけでは効率よく老後資金を用意することはできません。自営業者の方が貯金以外で老後に備える対策としては、以下のようなものがあります。
 
ただし、これらはあくまでも一例であるため、実際に利用を検討する際は必ずメリットとデメリットを確認し、長期間続けることを前提にしてください。
 

小規模企業共済

自営業者の老後対策として、まず検討したいのが小規模企業共済です。小規模企業共済は自営業者のための退職金制度のようなもので、月々の掛け金は1000円から7万円までの間、500円単位で決められるため、所得に応じて無理なく続けることができます。
 
掛け金は全額が所得控除の対象となる上、将来、共済金を一括で受け取ると退職所得扱いとして税制優遇も受けられます。年金ではありませんが、老後資金としての役割は十分に果たすことができます。
 

iDeCo

給付について原則、60歳以降でしか受け取れないなどの制限はありますが、掛け金の拠出、運用、そして受取時の3段階で節税効果が得られるiDeCo(個人型確定拠出年金)も、自営業者の方の老後への備えでは検討したい制度の1つです。
 
ただし、運用方法によっては元本割れのリスクが生じる可能性、また将来的に特別法人税が復活するなど課税ルールが変更される可能性がある点には注意が必要です。
 

つみたてNISA

毎月一定額ずつ投資信託を購入し、運用益が20年間非課税となる制度がつみたてNISAです。
 
iDeCoほど大きな節税効果はないものの、積み立てた資産をいつでも取り崩すことができ、理論上は経済が成長していく限りその恩恵を受け、複利効果を利かせてコツコツと、そして効率よく老後資産を形成できるのが特徴です。
 

自営業者の方こそ効率よく老後資金対策を!

自営業者の年金は少なく、日本年金機構の試算では厚生年金に加入している会社員の半分以下となっており、豊かな老後を実現するためには対策が必須といえます。
 
自営業者の方の老後の資金対策としては、節税と複利効果で効率よく資産を増やせる可能性がある諸制度の活用が選択肢となり得ますが、なにより将来への備えについて早めに目を向けることが大切なのではないでしょうか。
 
出典
日本年金機構 令和3年4月分からの年金額等について
日本年金機構 国民年金保険料
 
執筆者:柘植輝
行政書士
 

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