更新日: 2021.10.26 年金

国民年金の「任意加入制度」。仕組みとメリットを解説

執筆者 : 菊原浩司

国民年金の「任意加入制度」。仕組みとメリットを解説
国民年金は、収入にかかわらず保険料が一定なため、加入期間によって受け取れる老齢年金の金額が変化します。老齢基礎年金額が満額となる加入期間は480ヶ月(40年)となりますが、これより加入期間が少ない場合は受け取れる金額が減少してしまいます。
 
こうした場合に備え、国民年金には60歳以降も加入を継続して不足する加入期間を補うことができる任意加入制度があります。今回は任意加入制度の仕組みとメリットについて解説していきます。
 
菊原浩司

執筆者:菊原浩司(きくはらこうじ)

FPオフィス Conserve&Investment代表

2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級
製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。
特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。
資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。
独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。

http://conserve-investment.livedoor.biz/

国民年金と任意加入制度の仕組み

国民年金は20歳から60歳までの方が加入することができ、480ヶ月保険料を支払った場合には、老齢基礎年金は月額6万5075円(2021年度)を受け取ることができますが、加入期間が1ヶ月短くなるごとに約135円(2021年度)ずつ減額されていきます。
 
また、加入期間が10年に満たない場合は老齢基礎年金の受給資格が足らず、年金給付を受けることができません。
 
このように60歳までの加入期間を終えても480ヶ月に足りず、満額の老齢基礎年金を受けられない場合や加入期間が10年に満たず受給資格を得られない場合、任意加入制度により65歳まで(受給資格に満たない場合は70歳まで)国民年金の加入を継続することができます。
 

学生納付特例制度を利用した場合、老齢基礎年金が満額得られないことも

国民年金の老齢基礎年金が満額受け取ることができないケースとして、大学への進学などで在学期間中の保険料納付を免除する「学生納付特例制度」を利用し、その後保険料を追納しなかった場合などが想定されます。
 
国民年金の保険料は月額1万6610円(2021年度)、2年分で約40万円にもなりますが、新社会人は貯蓄も収入も十分ではないため、追納にまで手が回らないこともあります。
 
仮に特約免除期間が2年間であれば、老齢基礎年金の受給額は5%減額の6万1821円となり、さらに大学院へ進学し特約免除期間が4年間となった場合は10%減額の5万8568円となります。
 
新社会人のときよりも比較的余裕のある60歳以降に任意加入制度を利用し、480ヶ月の納付期間に達することで老齢基礎年金を満額受け取ることができるようになるため、追納を行えなかった方などは利用してみるといいでしょう。
 

付加年金に加入することができる

65歳未満の任意加入制度の被保険者は、付加年金にも加入することができます。この付加年金は、老齢基礎年金の受給額を上乗せする制度で、通常の年金保険料のほか、月額400円の付加保険料を追加して支払うことで老齢基礎年金の受給額が200円上乗せされるというものです。
 
例えば、60歳から65歳までの5年間、付加年金に加入した場合、200円×60ヶ月(5年間)=年額1万2000円の付加年金を一生涯受け取ることができます。2年間で支払った保険料以上の金額が受け取れるため、年金額を少しでも増やしたい方におすすめです。
 

まとめ

国民年金の任意加入制度は、加入期間が必要期間を満たず、老齢基礎年金を満額受け取れない場合や、受給資格を得られない方を救済する制度で、60歳~65歳(受給資格が得られない場合は70歳まで)の方が利用することができます。
 
学生納付特例などで保険料納付の猶予を受けたが、その後、保険料を追納していない方などは年金受給額を回復させるためにも利用を検討されることをおすすめします。
 
また、65歳までの5年間は、老齢基礎年金を上乗せする付加年金にも併せて加入することもでき、5年間の加入期間で年額1万2000円の上乗せとなります。
 
付加年金は2年間で元が取れる有利な制度ですが、自営業者・学生などの第1号被保険者か65歳未満の任意加入被保険者のみとなっているため、年金額を増加させるためにもチャンスがあればできる限り活用していくとよいでしょう。
 
執筆者:菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表

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