更新日: 2021.11.02 国民年金

「ねんきん定期便」はいつまで保管しておけばよい?

執筆者 : 馬場愛梨

「ねんきん定期便」はいつまで保管しておけばよい?
年1回、日本年金機構から届く「ねんきん定期便」。公的機関から送られてくる重要そうな書類なので、捨ててもよいのか、いつまで保管しておくべきなのか迷ってしまうかもしれません。
 
結論からいうと、ねんきん定期便は中身をよく確認したら捨てても構いません。その理由も含めて詳しく解説します。
馬場愛梨

執筆者:馬場愛梨(ばばえり)

ばばえりFP事務所 代表

自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。

過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。

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そもそも「ねんきん定期便」とは?

ねんきん定期便は「自分が今まで加入した年金の記録」や「将来もらえる年金の見込み額」などが書かれた書面です。日本年金機構が発行していて、毎年1回、誕生月に送られてきます。
 
基本は圧着はがきなのですが、35歳・45歳・59歳のときだけ情報量がより多い封書で届きます。
 
重要な書類ですので、届いたら必ず内容を確認するべきですが、保管しておく必要はありません。なぜなら、ねんきん定期便に記載されている内容は、ねんきん定期便がなくても確認できるからです。
 

ねんきん定期便を捨てても、ねんきんネットで確認できる

ねんきん定期便を発行している日本年金機構では、インターネットで年金受給見込み額や保険料の納付状況等が見られる「ねんきんネット」というサービスを提供しています。
 
最初に登録が必要で少々手間がかかりますが、一度登録しておけばオンラインでいつでも、ご自身の年金に関するさまざまな内容が確認できます。
 
ねんきんネットでは、ねんきん定期便ではわからない「今後働き方を変えた場合、老後の年金がいくらになるか」なども試算できます。社会保険料控除証明書などの再交付申請や、持ち主不明の年金記録の検索なども可能です。
 
ねんきんネットが見られる状態なら、ねんきん定期便を捨ててしまったからといってそこまで困ることはないでしょう。ねんきん定期便にはお金にまつわる個人情報が載っているため、捨てるならシュレッダーにかけて処分するのがおすすめです。
 
ちなみに、インターネットが苦手なら電話相談窓口の「ねんきんダイヤル」や「ねんきん加入者ダイヤル」もありますし、地域の年金事務所の窓口で担当者に直接たずねることもできます。
 

ねんきん定期便の中身を把握しよう

ねんきん定期便は捨てても問題ありませんが、だからといって届いてすぐに中身を見ずに捨ててしまうことは避けましょう。
 
ねんきん定期便の目的は、「年金記録を保管する」というよりは、「自分の年金について考えるきっかけになる」ことにあります。せっかく1年に1回リマインドしてくれていますので、しっかりと中身を読みましょう。
 
まれに「働いていて年金保険料を納めていた期間のはずなのに『未納』になっている」というケースもあります。記録に漏れや誤りがある状態で放置すると、最悪の場合、将来受け取れる年金額が本来の額より少なくなってしまいます。
 
自分の老後の暮らしに直結しますので、ねんきん定期便が届いたら必ず「過去に納めた年金保険料の記録」と「将来もらえる年金額の見込み」をチェックするようにしましょう。
 
書類の見方は日本年金機構の公式サイトでも紹介されていますし、わからない場合は年金事務所などに問い合わせれば教えてもらえます。
 

まとめ:ねんきん定期便は捨ててもOK!

ねんきん定期便は、なんとなく捨てにくい書類かもしれません。しかし、一度中身を確認したら捨ててしまっても問題ありません。そこに書いてある情報は、ねんきんネットなどほかの方法でも確認できるからです。
 
もちろん、不安な方や部屋のスペースの余裕がある方は、毎年ずっとファイリングしていって保管し続ければ安心できるでしょう。夫婦間などで情報をシェアしたいときなどは、書面があったほうが便利かもしれません。
 
ねんきん定期便は、保管しているかよりも中身を把握しているかのほうが重要です。次回届いたら、一度じっくりと読みこんでみてはいかがでしょうか。
 
ねんきん定期便が届いたタイミングなら、ねんきんネットの登録手続きも手元に情報がそろっているのでスムーズに進めやすいですよ。
 
出典
日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」
日本年金機構「「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和3年度送付分)」
日本年金機構「ねんきんネット」
日本年金機構「電話での年金相談窓口」
 
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表

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