夫の扶養からはずれて国民年金の種別が変わった。「未納期間」を防ぐために行う手続きとは?

配信日: 2021.12.08

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夫の扶養からはずれて国民年金の種別が変わった。「未納期間」を防ぐために行う手続きとは?
自分で事業を始めたり、再就職や雇用形態が変わったりして、夫の扶養からはずれるケースがあります。その際には、国民年金の種別が変わることから、速やかに種別変更の手続きを行う必要があります。手続きは変更の内容によって異なりますので、それぞれ解説します。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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国民年金の種別とは?

20歳以上60歳未満の方は、国民年金に加入することになりますが、その人の属性により、その種別について以下のように区分けされています。

●第1号被保険者:自営業者、フリーランスなど
●第2号被保険者:企業に勤めている人、公務員
●第3号被保険者:第2号被保険者の妻(扶養範囲内で働いているケースを含む)

 

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種別の変更と手続き方法(3号から2号)

再就職、もしくはこれまで扶養範囲内での勤務形態から変更し、扶養からはずれた場合は、第3号被保険者から第2号被保険者に変わります。その際の手続きは、原則として事業主が行うこととなっています。
 
したがって、再就職もしくは勤務形態が変更した際には、年金手帳とマイナンバーの情報を遅滞なく事業主に伝えるようにしてください。
 
事業主は、変更があった日から5日以内に年金事務所に「被保険者資格取得届」を提出します。もし届け出漏れがあり、後日その事実が判明した場合には、事業主はさかのぼって取得届を提出するとともに、その期間の保険料を支払う必要があります。
 
なお、保険料については事業主と折半となるため、会社から受け取る給与明細にて保険料が確実に徴収されているかどうかを確認しておくとよいでしょう。
 
ちなみに、健康保険も変わります。加入する健康保険組合によっては、保険証の発行に一定の期間を要することもありますので、健康保険証が必要な場合は、あらかじめその旨を会社の労務部門など該当部署の担当者に伝えておきましょう。
 

■パートやアルバイトの場合は要注意

近年、制度改正により、パートやアルバイトの場合でも厚生年金保険の適用が拡大される傾向にあります。現在、短期間労働者であっても、要件しだいでは厚生年金保険の被保険者に該当することとなる可能性もあります。自分の働き方や雇用期間などの契約をきちんと確認し、自分が雇用保険の適用となるのかどうかについても調べておくようにしてください。
 

種別の変更と手続き方法(3号から1号)

自分で事業を始めるなど、個人事業主となった場合は、第3号被保険者から第1号被保険者への変更手続きを行う必要があります。この手続きは自分自身で行わなければなりません。
 
変更があった日(開業日)から14日以内に、お住まいの市区町村の窓口にて手続きを行います。その際には年金手帳もしくは基礎年金番号通知書を持参するようにしてください。
 
そして、それ以降は自身で国民年金保険料を支払う必要があります。また、健康保険についても国民健康保険に切り替わることから、その保険料の支払いも必要です。保険料の支払いについては、納付書払いのほか口座振替を選ぶことができます。納付忘れを防ぐためにも、種別変更の手続きの際、口座振替での納付手続きを行っておくと安心です。
 

■届け出を忘れていた場合はどうなる?

以前は、このような届け出を忘れており、国民年金保険料の支払いができていない期間が2年以上発生していた場合は、2年より前の保険料を支払うことができず、その分受け取れる年金額が減少する、もしくは年金が受け取れないという事態が発生していました。
 
しかし、現在では法律が改正されたことにより、「特定期間該当届」を年金事務所に提出することで、その期間を受給資格期間に算入できる制度が用意されています。
 
ただし、あくまでも受給資格期間に算入されるだけであり、受給額はその分少なくなります。60歳以降65歳までの間で要件を満たす場合に加入できる「任意加入」制度を利用することで、払えなかった保険料を払い、将来受け取る年金額を満額に近づけることができるので、そのような際には加入を検討するとよいでしょう。
 

まとめ

今後は、改正年金法により厚生年金被保険者の拡大が段階的に行われることが予定されています。また、子育てがひと段落したことから、自分の得意分野を生かして起業する女性もいらっしゃるかもしれません。
 
こういった時には、国民年金の種別が変わること、そしてその手続きがどのように行われるのかをきちんと把握しておきましょう。自分自身で手続きを行う必要がある場合は、期限までに窓口にて手続きを行うことを忘れないようにしてください。
 
出典
(※1)日本年金機構「就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き」
(※2)日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」
(※3)日本年金機構「第3号被保険者(専業主婦・主夫)からの手続きが遅れた方へ」
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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