更新日: 2021.12.14 国民年金

国民年金の繰上げ受給。1ヶ月早く受け取るごとに何%減額される?

国民年金の繰上げ受給。1ヶ月早く受け取るごとに何%減額される?
年金は基本的に65歳からもらうことができますが、希望すれば60歳から70歳の好きなタイミングで受給をスタートすることができます。
 
65歳になる前に年金をもらい始めることを「繰上げ受給」というのですが、この制度を利用するとトータルでもらえる年金が減ってしまう可能性があるのです。具体的にどれくらい減るのか確認してみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

繰上げ受給の減額率

原則65歳から受け取ることができる老齢基礎年金を、60歳から65歳になるまでの間に繰り上げてもらい始めることを「繰り上げ受給」と言います。
 
繰り上げ受給を選択すると、請求した月の翌月分から年金を受け取ることができます。ただし1ヶ月につき0.5パーセント減額されてしまい、それが一生涯続く点に注意が必要です。60歳になってすぐに年金を受け取り始める、つまり最大5年間(60ヶ月)繰り上げた場合、もらえる年金が30パーセント少なくなってしまうのです。
 
2020年5月に年金改革法が成立し、2022年4月からの繰り上げ減額率が0.4パーセントに改善されることになりました。結果60歳から年金をもらい始めた場合の減額率は24パーセントに減少することになります。ただし、この新しい仕組みを使えるのは1962年4月2日以降に生まれた人となります。
 
従来の1ヶ月につき0.5パーセントの減額の場合、76歳8ヶ月の時点で基本となる65歳受給開始と累計受給額が上回り、それ以降は65歳で受給を開始した場合の方が多く年金を受け取れることになります。新しい1ヶ月につき0.4パーセント減額の場合は、80歳10ヶ月で65歳受給開始と累計受給額が上回ることになります。
 

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その他の気をつけたいデメリット

早く年金をもらい始めることができるのは大きなメリットですが、長生きすると減ってしまう可能性があるというデメリットが生じます。その他にも、繰上げ受給にはいくつかデメリットがあるため、そうした点もしっかり押さえておきましょう。
 
デメリットの一つとして、障害年金を受け取れなくなるという点が挙げられます。公的年金には、老後だけではなくけがや病気で障害が出てしまったときに受け取れるものもありますが、繰上げ受給を選択していた場合、60歳から65歳で障害基礎年金を受け取れる状態になったとしても請求できなくなってしまうのです。障害基礎年金は手厚いことが特徴なため、もらえる金額が少なくなる可能性が高くなります。
 
寡婦年金ももらえなくなってしまいます。寡婦年金とは、10年以上保険料を払った第1号被保険者が老齢年金をもらい始める前に亡くなった場合、一定の条件を満たした60~64歳の妻がもらえるお金のことです。
 
妻が繰上げ受給をすると、この寡婦年金は受け取ることができなくなります。また、既に寡婦年金をもらっている妻が自分の年金の繰上げ受給をスタートさせると、寡婦年金をもらう権利は消滅してしまいます。
 

繰上げ受給を選択するメリット

一見すると年金の繰上げ受給にはメリットがないように見えるかもしれませんが、それはあくまで全体を通して見た場合です。早く年金を受け取れるようになったことで、生活が楽になるという人は当然いるでしょう。定年による無収入や加齢による収入減をカバーする方法としては、非常に有効な手段なのです。
 
また、トータルの受給額が減ってしまうと言うのは長生きした場合で、年金をあまり受け取らないうちに死んでしまった場合はその限りではありません。自分が何歳まで生きるかは誰にも予測が付かないので、不安を減らすためにも早くもらい始めたいという人にとって繰上げ受給はメリットの大きい選択肢となります。
 

デメリットを把握して利用しよう

繰上げ受給を選択すると、60歳から年金を受け取ることができるようになります。ただし減額された受給額が一生涯続くことになるため、安易に飛びつかないようにすることが大切です。
 
その他にも繰上げ受給にはいろいろなデメリットがあるため、そうした点を踏まえて自分に一番合った年金の受け取り方を考える必要があるでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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