更新日: 2021.12.17 その他年金
年金支給3ヶ月前に届く緑色の封筒。受け取ったらどうすればいい?
同封された年金請求書には、その人の氏名、生年月日、住所やこれまでの年金加入状況の情報があらかじめ印刷されていて、本人が残りの事項を埋めていくことで請求書が完成します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
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ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
自分の年金の歴史が詰まった年金請求書
老齢年金には老齢基礎年金や老齢厚生年金のほか、公務員共済や私学共済などがあります。自営ではなく、雇用されている人を被用者と呼び、被用者年金は一元化が進められています。ここではまとめて老齢年金と呼ぶことにします。老齢厚生年金も、被用者に加えて自営業の人も受け取る老齢基礎年金も、現在は65歳以降に受け取るのが原則となりました。
ただし経過措置があって、男性は昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前に生まれた人は、それより早く「特別支給の老齢年金」を受け取ることもできます。
緑色の封筒が届いたら最初にすることは、自分の年金加入状況が間違いなく記録されているかどうかを確認することです。もちろん無職で国民年金も支払っていない場合などは、いわゆる空白期間もあり得ます。とにかく年金計算の基礎は加入記録にありますので、記憶と記録をたどって正確な年金加入記録を確認・登録することがすべての出発点となります。
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年金の受給開始時期について
老齢年金は受給権が発生したら個人が請求することで給付が始まります。請求なければ給付なしです。受給する・しないは自分の判断で行います。もらえるものならもらえばよいのでは、と思うかもしれませんが、年金受給開始年齢を遅らせることで、年金を増額することもできます。お金を預ければ金利が付いて増えていくイメージです。他に給与所得などがあって十分に生計を立てられるのであれば、受給を遅らせて年金の増額を狙うのも一つの考え方です。
またほかに多くの収入を得ている人は、年金所得が加わることで所得税の総合課税の税率が高くなり、社会保険料なども負担が増すことがあります。今の自分の所得の状況、将来に向けた働き方のプラン、家族の状況など、年金をいつから受け取るかについては、実はとても微妙な判断が必要になることもあります。落ち着いて何がベストの選択かを、よく考えてみることが大事です。
年金事務所では加入記録や手続き方法が確認できます
年金事務所は全国に所在していて、緑色の封筒には所在地一覧が同封されています。年金事務所以外にも「街角の年金相談センター」という出先機関があり、都市部の便利な場所に置かれています。
加入記録に疑問があれば、資料をできる限りそろえて年金事務所へ行けば確認手続きに応じてもらえます。年金請求についての細かなルール・手続きについても教えてもらえますので、疑問があるときは予約を取って早めに年金事務所を訪ねることをおすすめします。
ただし年金事務所では、どういう受給時期・方法がその人にとってベストかまでは教えてもらえません。それはあくまで自分の将来生活をどうしたいかという問題ですので、アドバイスをもとに自分で判断するしかないのです。
年金請求書はどこへ提出すればいい?
いろんな情報を確認し自分の判断が固まって受給するとなれば、年金請求書の空欄をすべて埋めます。結婚している人は配偶者の情報も必要になります。銀行口座などには気をつけて、間違いのないように記入してください。
老齢年金の支給要件は一定の年齢に達することですので、それを証明する書類、つまり戸籍の個人事項証明(抄本)の添付が必要になります。これは事前の日付で用意しても、その年齢に達したことの証明にはなりませんので、誕生日が到来してから戸籍証明を、該当の市役所などで取得してください。
年金請求書の該当欄をすべて記載し、資料をそろえ、誕生日を迎えて戸籍証明を受け取れば、年金事務所に提出あるいは郵送して手続き完了です。もし繰り下げする場合は何もしなくて大丈夫です。受給を始めるときに手続きをしてください。
まとめ
日本年金機構から老齢年金受給を案内する緑色の封筒が届いたら、まず内容、特に年金加入記録に漏れなどがないか、よく確かめてください。正確な記録が正しい年金受給のための前提条件です。老齢年金を受け取るかどうかは、将来の生活設計を描きながら、自分自身で考えることが大切です。困ったときは年金事務所などで相談してみるとよいでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー