更新日: 2021.12.24 その他年金

低所得の年金生活者の支援となる年金生活者支援給付金

執筆者 : 杉浦詔子

低所得の年金生活者の支援となる年金生活者支援給付金
公的年金の収入や、その他の所得が一定の基準額以下である低所得の年金生活者の方を支援するため、年金に上乗せして支給される「年金生活者支援給付金」という制度があります。どんな方が、どのくらいの給付を受け取れるのか、制度の内容について見ていきます。
杉浦詔子

執筆者:杉浦詔子(すぎうらのりこ)

ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント

「働く人たちを応援するファイナンシャルプランナー/カウンセラー」として、働くことを考えている方からリタイアされた方を含めた働く人たちとその家族のためのファイナンシャルプランニングやカウンセリングを行っております。
 
2005年にCFP(R)資格を取得し、家計相談やセミナーなどのFP活動を開始しました。2012年に「みはまライフプランニング」を設立、2013年よりファイナンシャルカウンセラーとして活動しています。
 

年金生活者支援給付金の対象とは?

老齢・障害・遺族基礎年金を受給している方で、低所得に該当する場合は年金生活者支援給付金を受け取ることができます。
 
令和3年度において、所得額が前年より低下したことなどで年金生活者支援給付金の新たな支給対象となる方には、令和3年8月31日から順次、日本年金機構より年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が送られています。
 

年金の種類ごとの支給要件、どんな人がいくらもらえる?

年金生活者支援給付金の支給要件と支給額を、老齢・障害・遺族基礎年金の受給者ごとに見ていきましょう。
 

老齢年金生活者支援給付金

老齢年金生活者支援給付金は、以下の支給要件を全て満たしている方が対象です。

(1)65歳以上の老齢基礎年金の受給者
(2)同一世帯の全員が市町村民税非課税
(3)前年の公的年金等の収入金額(※1)と、その他の所得との合計額が88万1200円(※2)以下

 
(※1)障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まず。
(※2)78万1200円超、88万1200円以下の場合は「補足的老齢年金生活者支援給付金」を支給。

老齢年金生活者支援給付金の額は月額5030円を基準として、保険料納付済期間などに応じて算出された以下(1)と(2)の合計額です。

(1)保険料納付済期間に基づく額(月額)=5030円×保険料納付済期間/被保険者月数480月
(2)保険料免除期間に基づく額(月額)=1万845円×保険料免除期間/被保険者月数480月

 

障害年金生活者支援給付金

障害年金生活者支援給付金は、以下の支給要件を全て満たしている方が対象です。

(1)障害基礎年金の受給者
(2)前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下

 
(※1)障害年金等の非課税収入は給付金の判定に用いる所得に含まず。
(※2)扶養親族等の数に応じて増額。

障害年金生活者支援給付金の額は、障害等級2級の方は月額5030円、1級の方は月額6288円です。
 

遺族年金生活者支援給付金

遺族年金生活者支援給付金は、以下の支給要件を全て満たしている方が対象です。

(1)遺族基礎年金の受給者
(2)前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下

 
(※1)遺族年金等の非課税収入は給付金の判定に用いる所得には含まず。
(※2)扶養親族等の数に応じて増額。

遺族年金生活者支援給付金は月額5030円です。ただし、2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合、5030円を子の数で割った金額がそれぞれに支払われます。
 

年金生活者支援給付金を受け取るには

年金生活者支援給付金を受給するには、年金生活者支援給付金請求書をお近くの年金事務所に提出することになりますが、基本的に課税証明書等の添付は必要ありません。
 
原則として手続きをした翌月分から支給の対象となりますので、支給要件に該当する場合は速やかに請求手続きをしましょう。
 
なお、支給要件を引き続き満たしていれば、2年目以降の手続きは原則不要ですが、支給要件を満たさなくなった場合、「年金生活者支援給付金 不該当通知書」が送付され、給付金は支給停止となります。
 
請求についての不明点などは、年金生活者支援給付金制度の特設サイトで案内している給付金専用ダイヤルか、年金事務所へご相談ください。
 
出典
厚生労働省 年金生活者支援給付金制度 特設サイト
 
執筆者:杉浦詔子
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント

ライターさん募集