更新日: 2022.01.26 国民年金

国民年金の満額はいくらになる? 満額もらえる要件とは?

国民年金の満額はいくらになる? 満額もらえる要件とは?
国民年金は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人すべてが加入している年金制度です(※1)。国民年金では老後に「老齢基礎年金」が受け取れますが、それがいくらくらいなのかご存じでしょうか。
馬場愛梨

執筆者:馬場愛梨(ばばえり)

ばばえりFP事務所 代表

自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。

過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。

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国民年金(老齢基礎年金)は満額で月額およそ6万5000円

老齢基礎年金は、2021年度は満額で「月額6万5075円」を受け取れることになっています。この金額は、その時の物価や平均寿命などを加味して毎年改定されます(※2)。
 
「満額」とは、20歳から60歳までの40年間にわたって一度も欠かすことなく国民年金保険料を全額納めきった人が、65歳時点から年金を受け取るときの金額を指しています。
 
40年のあいだに保険料が「未納」になっている期間や「免除」を受けた期間があると、その期間や納めた金額に応じて年金額が減らされるため、満額を受け取ることはできません。
 
そもそも、納付済期間や免除期間など対象期間をすべて合算しても10年に満たない人は、基本的に老齢基礎年金を受け取る権利(受給権)が発生しません。1円も受け取れないということです。
 
ちなみに、40年間ずっと自営業者や専業主婦(主夫)だった人は老齢基礎年金しか受け取れませんが、会社員や公務員など厚生年金に加入していた人は「老齢厚生年金」もあわせて受け取ることができます。
 
老齢厚生年金は老齢基礎年金と違い、収入などによって納付する保険料も受け取れる年金額も大きく違うため「満額」という概念がありません。
 

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保険料を納めていない期間があっても満額の年金を受け取る方法

老齢基礎年金を満額受け取るためには、40年間ずっと保険料を支払い続けるのが原則です。ただ、経済的に余裕がない時期があったなど、事情があってそれが難しい人もいるでしょう。そんな人のための救済措置もいくつか用意されています。
 

・任意加入

……保険料納付期間などが足りず、老齢基礎年金を満額受け取れない人は、60歳以降も国民年金に加入して保険料を納付し続けられます。最長65歳まで加入でき、5年間の保険料(約100万円)を納付しきると年間10万円ほど年金が増えます(※3)。
 

・追納

 ……免除、納付猶予、学生納付特例を利用していた人が後からさかのぼって保険料を納められる制度。納付猶予を受けていた人の場合、2年分(約40万円)の保険料を追納すると年間4万円ほど年金が増えます(※4)。
 
受け取れる年金額を増やしたいなら、以下のような方法もあります。
 

・年金の繰り下げ

……年金を受け取り始めるタイミングを遅らせると、それに応じて年金額が増額する仕組みがあります。月単位で選択でき、1ヶ月遅らせると0.7%、5年遅らせて70歳から受け取るようにすると42%アップします。
 

・年金の上乗せ制度

……加入義務がある年金とは別に、任意で保険料を納付して自分の年金の足しにするための制度もあります。iDeCo、付加年金、国民年金基金、小規模企業共済などいくつかありますので自分に合った方法を探してみてはいかがでしょうか。
 
自分が受け取れる年金額が少ないと思ったら、上記の制度を利用する、じゅうぶんな貯蓄を用意する、できる限り長く働くなど、足りない分を補う方法を考えましょう。早いうちから考えておけば、そのぶん準備期間を長く取れるため対処しやすくなります。
 

まとめ

国民年金(老齢基礎年金)は、満額で1年あたり約78万円(月額およそ6万5000円)を受け取れます。満額受け取るためには、40年間分の国民年保険料を全額納めきっている必要があります。
 
ただし、保険料を納付していない期間があっても、任意加入や追納といった方法で満額に近づけることは可能です。受け取り始める時期を遅らせたり、iDeCoなど年金の上乗せ制度を活用したりして、年金額を増やすこともできますよ。
 
(※1)日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」
(※2)
日本年金機構「令和3年4月分からの年金額等について」
厚生労働省「令和3年度の年金額改定についてお知らせします ~年金額は昨年度から0.1%の引き下げです~」(令和3年1月22日付)
(※3)日本年金機構「あなたも国民年金を増やしませんか?」
(※4)日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」
 
(出典)日本年金機構「老齢基礎年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)」
 
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表

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