更新日: 2022.01.27 その他年金
発達障害も障害年金が申請可能な場合も。毎月の支給額はどのくらい?
「発達障害があって、障害年金を受け取りたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。障害年金の仕組みを正しく理解するためにも、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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発達障害は障害年金を受け取れる?
発達障害は、先天的にみられる脳の働き方の違いにより、小さいころから行動や情緒に特徴がある障害です。同じ障害でも、個人によって特性の現れ方は異なります。また、いくつかの障害を併せ持つ子も多くいます。
障害年金は、支給要件を満たせば発達障害の人でも受け取れます。では、もう少し詳しく見ていきましょう。
発達障害の障害等級
障害年金には、障害の程度を認定するための基準が設けられています。日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」の「第2 障害認定に当たっての基本的事項」によると、1~3級の程度は(表1)のようになります。
(表1)
障害の程度 | 障害の状態 |
---|---|
1級 | 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの |
2級 | 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの |
3級 | 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、 社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの |
引用:障害認定基準(令和4年1月1日改定)|日本年金機構
発達障害においては、社会行動やコミュニケーション能力の障害により、対人関係や意思疎通が円滑に行えるかどうかに着目して認定を行います。
また、発達障害以外にも別の病気を併発している場合、症状を総合的に判断して認定されます。
初診日要件
障害年金の重要な要件の1つである「初診日要件」ですが、日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」によると、下記のように記載されています。
・「初診日」とは、障害の原因となった傷病につき、初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日をいう
発達障害の場合、医学的には先天性とされる病気も、実際には関連のある症状が出て、初めて診療を受けた日が「初診日」となります。また、幼少期に発症したものであっても、基本的には発症時点以後に診療を受けた日が「初診日」です。
ただし、知的障害における初診日は、生まれた日をもって初診日とみなされます。先天性障害の種類によっては、生まれた日が初診日となるケースもあるため、事前によく確認する必要があるでしょう。
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障害年金の支給額はどれくらい?
障害年金は大きく分けると、障害基礎年金・障害厚生年金・障害手当金の3種類があります。それぞれの障害年金の支給額を見ていきましょう。
【障害基礎年金】
●1級:97万6125円(1ヶ月あたり8万1343円)+子の加算(対象者のみ)
●2級:78万900円(1ヶ月あたり6万5075円)+子の加算(対象者のみ)
【障害厚生年金】
障害厚生年金は、年金の加入期間や過去の報酬などに応じて金額が変わる、「報酬比例の年金額」にプラスして支給されます。
●1級:報酬比例の年金額×1.25+配偶者の加給年金額(22万4700円)
●2級:報酬比例の年金額+配偶者の加給年金額(22万4700円)
●3級:報酬比例の年金額(最低保証額は58万5700円)
【障害手当金】
障害手当金は、「報酬比例額の年金額×2」を一時金として支給します。最低保証額は、117万1400円です。
なお、子の加算額は、子どもが2人までの場合は1人につき22万4700円。3人目からは1人につき7万4900円の支給です。
発達障害も要件を満たせば障害年金が受け取れる
障害年金のポイントは、病名(障害名)ではなく、申請者の障害の程度とほかの要件を満たすかどうかで決まります。
障害の程度により1~3級の等級があり、障害基礎年金は1級が97万6125円、2級は78万900円です。障害厚生年金と障害手当金は、申請者の年金の加入期間や過去の報酬などで金額が変わります。
発達障害で障害年金の請求を考えている人は、障害の程度や初診日などの要件を、事前にしっかりとチェックすることをおすすめします。
出典
日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」
日本年金機構「令和3年度版 障害年金ガイド」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員