更新日: 2022.02.10 その他年金

将来支給される年金額が具体的に分かるのは何歳から?確認方法は?

執筆者 : 辻章嗣

将来支給される年金額が具体的に分かるのは何歳から?確認方法は?
50歳以上の方に届く「ねんきん定期便」には、将来受け取れる年金見込額が記載されていますが、50歳未満の方に送付される「ねんきん定期便」では、将来の年金額を知ることはできません。
 
今回は、将来支給される年金額を確認する方法について詳しく解説します。
辻章嗣

執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/

「ねんきん定期便」に記載されている年金額とは

毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」に記載されている年金額は、50歳未満と50歳以上の方では内容が異なります(※1)。
 

1. 50歳以上の方に届く「ねんきん定期便」

50歳以上60歳未満の方に届く「ねんきん定期便」には、現在の年⾦制度に60歳まで継続して加⼊したものと仮定して、65歳から受け取れる年⾦⾒込額が記載されています(※2)。
 
また、60歳以上65歳未満の方の場合は、「ねんきん定期便」の作成時点での年⾦加⼊実績に応じて、65歳から受け取れる年⾦⾒込額となっています。
 

2. 50歳未満の方に届く「ねんきん定期便」

50歳未満の方に届く「ねんきん定期便」には、「ねんきん定期便」作成時点の年⾦加⼊実績に応じて計算した年⾦額と、前年の「ねんきん定期便」に記載された年⾦額が併記されています(※3)。
 
従って、1年間に働いて得た報酬や払い込んだ年金保険料に基づき、将来支給される年金がいくら増えたのかは知ることができますが、50歳以上のように将来支給される年金見込額を確認できません。
 

将来支給される年金額を確認する方法

年金の加入状況は、「ねんきん定期便」以外でも電話や年金事務所の窓口などで確認できます。
 
ただし「ねんきん定期便」と同様に、将来受け取れる年金見込額を確認できるのは50歳以上の方に限られ、50歳未満の方が確認できるのは年金加入記録のみとなっています(※4)。
 

1. 「ねんきんダイヤル」により申し込む方法

「ねんきんダイヤル」に電話すると、年金見込額を試算してもらうことができます。試算結果は後日郵送されますが、状況によっては3週間以上の日数を要する場合もあります。
 
「ねんきんダイヤル」の電話番号は、0570-05-1165、または03-6700-1165です(※5)。
 

2. 年金事務所などの窓口で確認する方法

全国にある年金事務所や、街角の年金相談センターの窓口でも、年金の加入記録や見込額を確認できますが、電話予約をしてから訪問することをお勧めします。
 

「ねんきんネット」を利用して年金額を確認しよう

日本年金機構が提供しているインターネットサービス「ねんきんネット」を利用すると、50歳未満の方でも将来支給される年金見込額を試算することができます。
 
試算方法には「かんたん試算」と「詳細な条件で試算」の2つがあります。また、それぞれの試算結果を確認、比較することもできます(※7)。なお、「ねんきんネット」を利用するためには事前登録が必要です(※8)。
 

1. かんたん試算

画面をクリックするだけで、職業や月収など現在と同じ年金加入条件が60歳まで継続するものと仮定して、年金見込額を自動的に試算できます。
 

2. 詳細な条件で試算

今後の働き方や老齢年金の受給開始年齢、国民年金保険料の未納分を今後納付した場合など、詳細な条件を自身で設定して年金見込額を試算できます。
 

3. 試算結果の確認・比較

「かんたん試算」や「詳細な条件で試算」で行った試算の結果は、一覧表やグラフで確認できます。
 
複数の試算結果を比較することも可能なため、将来の働き方や年金の受け取り方など人生設計に役立てることもできるでしょう。
 

まとめ

50歳以上の方は「ねんきん定期便」や「ねんきんダイヤル」、または年金事務所などの窓口で、将来支給される年金見込額を知ることができます。
 
また、「ねんきんネット」を利用した場合、50歳未満の方を含めて今後の働き方や老齢年金を受け取る年齢など、条件を変えた複数の年金見込額の試算結果を比較できるので、老後資金やライフプランについて考える際に活用してみてはいかがでしょうか。
 
出典
(※1)日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
(※2)日本年金機構 令和3年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方 50歳以上の方
(※3)日本年金機構 令和3年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方 50歳未満の方
(※4)日本年金機構 年金見込額試算
(※5)日本年金機構 電話での年金相談窓口
(※6)日本年金機構 予約相談について
(※7)日本年金機構 ねんきんネットより「年金見込額試算」
(※8)日本年金機構 「ねんきんネット」に登録するには?
 
執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

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