更新日: 2022.02.21 年金

自営業やフリーランスが「国民年金基金」に加入したら、将来いくら年金が増える?

執筆者 : 菊原浩司

自営業やフリーランスが「国民年金基金」に加入したら、将来いくら年金が増える?
厚生年金や国民年金などの公的年金制度は、老後の生活を支える重要な柱となりますが、自営業やフリーランスなどの個人事業主が加入する最も基礎的な公的年金である国民年金の老齢給付額は満額でも月額約6万5000円(令和3年度)となり、厚生年金も合わせて受給できる会社員などとは将来の年金額で大きな差が生じています。
 
加入する公的年金制度の数が少ないフリーランスなどの方は、老後の生活資金を確保するために国民年金基金の利用がおすすめです。
 
菊原浩司

執筆者:菊原浩司(きくはらこうじ)

FPオフィス Conserve&Investment代表

2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級
製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。
特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。
資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。
独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。

http://conserve-investment.livedoor.biz/

国民年金基金とは

国民年金基金は、個人事業主やフリーランスなどの国民年金の第1号被保険者のみが加入できる公的年金制度で、第1号被保険者が国民年金に上乗せして受給することができます。
 
これまで、国民年金基金には歯科医師や司法書士・弁護士が対象となる「職能型国民年金」と所在地・業種を問わず加入できる「全国国民年金基金」の2つがありましたが、2019年4月1日以降合併して、全国国民年金基金となっています。
 

国民年金基金の給付金は最大7タイプから選べる

国民年金基金は口数制で、若い内に多くの口数に加入するほど将来受け取れる年金額が増加する構造になっています。
 
加入口数は給付タイプによって終身年金のA型・B型と確定年金のI 型・II型・III型・IV 型・V型の7種類がありますが、1口目は65歳支給開始の終身年金A型(15年の保証期間あり)、またはB型(保証期間なし)のみが選べ、確定年金タイプは2口目以降に増口する場合に選択することができます。
 

上乗せ額は給付タイプと加入時の年齢によって決まる

国民年金基金は加入時の年齢と7つの給付タイプのいずれを利用するかによって年金の上乗せ額も異なります。国民年金基金の利用を検討するにあたり、まず各タイプの特徴と仮に35歳の誕生月までに加入した場合の年金の上乗せ額を解説していきます。
 

【終身年金A型・B型】

A型B型ともに加入者が65歳から生存している限り年金が上乗せ支給されます。年金支給開始前に加入者が亡くなった場合は年金を受け取ることができませんが、A型には15年の保証期間が設定されており、死亡時の年齢によって遺族一時金を受け取ることができます。
 
ただし、掛け金が高めに設定されています。1口目を35歳の誕生月までに加入した場合の上乗せの基本額はA型・B型共に月額2万円となります。
 

【確定年金I~V型】

確定年金は支給開始から一定の保証期間にわたり年金の上乗せ支給を受けることができ、仮に支給開始前や支給期間中に死亡した場合は加入期間また保証期間の残月数に応じた遺族一時金を受け取ることができます。
 
I型とII型は65歳支給開始でI型は15年、II型は10年の保証期間が定められており、80歳まで年金の上乗せ支給を受けることができ、III型、IV型とV型は60歳支給開始で、保証期間は15年(III型)・10年(IV型)・5年(V型)となっています。
 
35歳の誕生月までに加入した場合の上乗せの基本額は、I型~V型で月額1万円となります。支給開始年齢が早いため、年金支給開始までの収入減少を補う効果が期待できます。
 

サラリーマンとの年金ギャップを小さくしよう

2021年度の厚生年金加入世帯の標準的な年金受給額は夫婦2人で月額約22万円といわれています。国民年金のみを夫婦2人で受給する場合は月額約13万円となり、年金の受給額の差は月額約9万円となります。
 
フリーランスはサラリーマンと異なり定年退職がないため、収入が年齢に左右されにくくなっていますが、健康状態によっては事業を継続できなくなってしまう恐れもあります。
 
こうした場合に備え年金受給額をできるだけ大きくしておくと安心ですので、国民年金基金などの公的制度の利用を検討することをおすすめします。
 
執筆者:菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表

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