更新日: 2022.05.20 iDeCo(確定拠出年金)

iDeCoには元本割れがある? iDeCoの元本割れ対策とは?

iDeCoには元本割れがある? iDeCoの元本割れ対策とは?
公的年金の支給額は老後の生活に十分とはいえませんが、それでも極端に支給額が減額されるといったことは今までなく安定しています。
 
しかし、公的年金の不足分を補うための確定拠出年金(DC)は、運用益が見込める反面、元本割れのリスクもあります。
 
この記事では、個人型確定拠出年金(iDeCo)に関して、元本割れのリスクやリスク回避について解説しています。
 
iDeCoに興味はあるけどリスクが心配という人はぜひご覧ください。

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iDeCoとは個人型確定拠出年金

iDeCoは個人型確定拠出年金と呼ばれている年金制度です。給付金が確定している確定給付型年金と違い、拠出金(掛け金)が確定しているタイプです。
 
確定給付はDB、確定拠出はDCとも呼ばれています。その中でも個人型確定拠出年金をiDeCo(イデコ)と呼んでいます。
 
iDeCo以外の確定拠出年金には企業型確定拠出年金があり、企業型DCといわれています。
 

iDeCoの仕組み

 
確定拠出年金は毎月の掛け金を自分で運用します。その運用益によって資産(拠出金)を増やし、将来の年金にする仕組みです。
 
掛け金は、企業型DCの場合、企業が負担します。福利厚生の意味もありますが、企業にとっては給料として支払うよりも税制面で優遇されるメリットもあります。
 
これに対して個人型DCのiDeCoは、掛け金を自分で負担します。しかし、企業型DCを取り扱っていない企業に転職しても、iDeCoであれば継続が可能な点がメリットです。
 
企業型DCもiDeCoも、資金を自分で運用することで利益を図りますが、資金運用の経験がない人でも安心です。
 
なぜなら、運用に関しては商品を選択するだけで、実際の運用は証券会社など投資の専門家が行うからです。
 
利用者はリスクが高くても高配当を狙うか、リスクを回避して安定した利益を狙うのかを選択するだけです。もちろんどちらも考慮した運用も可能です。
 

iDeCoでは運用商品を自由に選択できる

 
iDeCoでは、運営管理機関が提供する運用商品を自由に組み合わせて選択できます。商品によってリスクの度合いや安全性が違うので、バランスよく配分することが必要です。
 
毎月の掛け金は5000円以上、1000円単位で決められます。また、年に1回まとめて拠出可能です。
 
運用に関しては自己責任となるので、自分で情報を調べて商品を選ぶのが原則です。なお、iDeCoを利用する場合は、以下の費用がかかるので注意しましょう。

●初回手数料: 2829円……加入時または移換時に国民年金基金連合会に支払う
●加入者手数料: 105円……毎月掛け金の納付時に国民年金基金連合会に支払う(相殺)

上記以外にも、運営管理機関(証券会社、銀行など)や事務委託先金融機関(信託銀行)にも手数料がかかります。
 
事務委託先金融機関への手数料は一律月66円ですが、運営管理機関の手数料は金融機関によって違いがあるので気を付けましょう。
 

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iDeCoは元本割れの可能性もある

iDeCoでの拠出金の運用は、いわゆる投資に該当するので、元本は保証されていません。最もリスクの低い運用方法を選択しても、元本割れのリスクがあります。
 
なぜならiDeCoを運用するためには、高額ではありませんが、毎月手数料が必ず発生するからです。
 
また、利回りがよい商品ほどリスクが高くなる、いわゆるハイリスクハイリターン商品では、元金を大きく割ってしまう可能性もあります。
 
元本割れリスクは、iDeCoを利用する上で意識しておくべき問題です。
 

iDeCoでの元本割れリスク

例えば、定期預金の金利が年0.1%だとすると、月2万円の拠出金の利息は1ヶ月当たり20円ですが、国民年金基金連合会への初回手数料と月間手数料だけで2934円かかります。
 
これではiDeCoを開始して6年以上は元本割れが続くことになります。
 
拠出金のすべてを最も安全な定期預金で運用するのは、低金利の時代では現実的ではありません。
 
そうすると、リスクのある程度高い商品も含めて運用した上で、元本割れを回避しながら一定以上の運用益を確保することが賢明といえます。
 

iDeCoでのリスク軽減方法

 
iDeCoのリスク軽減方法には以下の3つのポイントがあります。

●長期投資
●積立投資
●分散投資

iDeCoでは掛け金は60歳になるまでは年金として受け取れません。そのため、運用期間は必然的に長期にわたります。この長期運用が、実はリスクを軽減する上で有利となるのです。
 
短期的に運用した場合、大きな損失を取り戻すことはかなり難しいですが、10年以上のスパンで運用すると、ある程度の損失を取り戻すことは必ずしも難しくありません。
 
短期の利益や損失に一喜一憂しないで長期的に見ることで、たとえ短期的に元本割れをしたとしても不安を覚える必要はないのです。
 
また、iDeCoの特徴として、毎月の掛け金で投資(積立投資)をする点があげられます。
 
一度に高額の投資をすると相場の変動の影響を受けやすくなりますが、毎月一定金額の積立方式では、相場が低いときには同じ金額で多く購入でき、高い相場では購入を抑えることになります。
 
つまり積立形式は自然にバランスのよい購入ができる仕組みなのです。
 
iDeCoで元本割れリスクを軽減する最後のポイントは、商品を分散して購入することです(分散投資)。特定商品に偏ってしまうとリスクが集中してしまうので、分散して購入することでリスクを軽減しましょう。
 

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iDeCoで元本割れリスクを軽減するならリスクを分散

投資で大きな損をしないためには、リスクを分散するという点が重要になります。iDeCoは投資によって年金給付金を増やす仕組みです。
 
確定した年金給付額を求めるならDBを選ぶべきで、DCを選んだ以上は、元本割れを覚悟しながら、リスク分散することが大切です。
 
iDeCoは自分で運用する仕組みですが、リスクの分散を考えて商品を選択したら、後は投資のプロが運用します。
 
定期的な見直しをしっかりしていれば、長期的には大きなリスクは避けられると考えるとよいかもしれません。

 

出典

国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCoの特徴

国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト リスクを軽減して運用するには「長期・積立・分散投資」がポイント
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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