更新日: 2022.05.23 国民年金

年金の受給時期を70歳にすると、65歳のときより年金の受給額は何%違う?

年金の受給時期を70歳にすると、65歳のときより年金の受給額は何%違う?
繰下げ受給をすると、年金の受給時期は遅くなりますが年金受給額を増やせます。老後資金対策として繰下げ受給を検討する方は多いです。
 
しかし、「70歳まで繰下げした場合の増額率はどれくらい?」「受給時期を75歳にすると年金額はどれくらい増える?」など疑問をもっている方もいるのではないでしょうか。
 
そこで本記事では、繰下げ受給の特徴や70〜75歳まで繰下げした場合の年金額について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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「繰下げ受給」とは

年金の受給開始年齢は原則65歳となりますが、繰下げ受給をすると受給開始年齢を遅らせることができます。老齢基礎年金と老齢厚生年金はそれぞれに最大75歳まで繰下げが可能です。
 
繰下げ受給は年金を受け取る時期が遅くなる代わりに、繰下げ1ヶ月につき0.7%増額となります。75歳まで繰下げした場合の増額率は84%です。このように、繰下げ受給をすると年金を受け取る時期は遅くなりますが、年金受給額は増えます。
 
ただし、昭和27年4月1日以前生まれの方は繰下げ受給の上限が70歳で増額率は最大42%です。また、昭和16年4月1日以前生まれの方は年単位の増額率となり最大88%です。
 

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繰下げした場合の年金受給額

繰下げした場合の年金額は増額率を乗じて計算できます。それでは、70歳まで繰下げした場合の年金額はいくらになるのでしょうか。以下で確認をしてみましょう。
 

70歳まで繰下げした場合

65歳から受け取る年金額が年間200万円(月額約16万6000円)だとした場合、70歳0ヶ月(増額率42%)まで繰下げしたときの年金額は、年間284万円(月額約23万6000円)です。65歳から受け取る年金を70歳まで繰下げすることで、年間84万円も増やせることが分かります。
 
一方、70歳11ヶ月まで繰下げした場合の増額率は49.7%で、年金額は年間299万4000円(月額約24万9000円)となります。6年近く繰下げすることで、65歳で受け取る年金額と比べて、年間99万4000円も年金額を増やすことが可能になります。
 
このように、年金の受給時期は5~6年程度遅くはなりますが、年金額を大幅に増やせます。
 

最大の75歳まで繰下げした場合

上記のとおり、繰下げ受給は年金受給開始年齢を最大75歳まで遅らせることが可能です。75歳まで繰下げした場合の増額率は84%です。65歳から受け取る年金額が年間200万円の場合、75歳まで繰下げをすると年金額は年間368万円(月額約30万6000円)となります。
 
このように、年金受給開始年齢が65歳から10年ほど遅くなりますが、年金受給額は年間168万円も増やせます。
 

65歳より早く年金を受け取る「繰上げ受給」もある

繰上げ受給とは、65歳より早く年金を受け取ることができる制度です。最大60歳まで繰上げができ、繰上げ1ヶ月につき年金額が0.4%減額となります。60歳まで繰上げした場合の減額率は24%です。減額率は、日本年金機構のホームページで確認ができます。
 
例えば、65歳から受け取る年金額が年間200万円(月額約16万6000円)とします。60歳0ヶ月まで繰上げした場合の年金額は年間152万円(月額約12万6000円)です。
 
また、60歳11ヶ月まで繰上げした場合の減額率は19.6%で、年金額は年間160万8000円(月額13万4000円)となります。年金の受け取り時期は5~6年程度早くなりますが、年金受給額は大幅に減ることになります。
 
ただし、昭和37年4月1日以前生まれの場合は繰上げ1ヶ月あたりの減額率は0.5%、最大30%となります。
 

年金受給開始を70歳にすると65歳のときより受給額が42%増える

繰下げ受給をすると、年金受給開始年齢は遅くなりますが、年金受給額を増やすことができます。70歳まで繰下げすると、年金受給額は65歳のときと比べて42%も増えることになります。受給時期が75歳であれば、増額率は84%です。年金受給額が大幅に増えるため、老後資金対策としても有効です。
 
ただし、繰下げ受給をする場合は、年金受給時期までの資金計画を立てておく必要があります。70歳まで繰下げの場合は5年、75歳まで繰下げの場合は10年間の生活資金を貯金や給与で工面しなくてはいけません。
 
繰下げ受給をする場合は、事前に受給時期までの資金計画を立てておくようにしましょう。
 

出典

日本年金機構 年金の繰下げ受給
日本年金機構 年金の繰上げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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