更新日: 2022.05.23 国民年金

年金の受給時期を70歳にすると、65歳のときより年金の受給額は何%違う?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

年金の受給時期を70歳にすると、65歳のときより年金の受給額は何%違う?
繰下げ受給をすると、年金の受給時期は遅くなりますが年金受給額を増やせます。老後資金対策として繰下げ受給を検討する方は多いです。
 
しかし、「70歳まで繰下げした場合の増額率はどれくらい?」「受給時期を75歳にすると年金額はどれくらい増える?」など疑問をもっている方もいるのではないでしょうか。
 
そこで本記事では、繰下げ受給の特徴や70〜75歳まで繰下げした場合の年金額について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

「繰下げ受給」とは

年金の受給開始年齢は原則65歳となりますが、繰下げ受給をすると受給開始年齢を遅らせることができます。老齢基礎年金と老齢厚生年金はそれぞれに最大75歳まで繰下げが可能です。
 
繰下げ受給は年金を受け取る時期が遅くなる代わりに、繰下げ1ヶ月につき0.7%増額となります。75歳まで繰下げした場合の増額率は84%です。このように、繰下げ受給をすると年金を受け取る時期は遅くなりますが、年金受給額は増えます。
 
ただし、昭和27年4月1日以前生まれの方は繰下げ受給の上限が70歳で増額率は最大42%です。また、昭和16年4月1日以前生まれの方は年単位の増額率となり最大88%です。
 

繰下げした場合の年金受給額

繰下げした場合の年金額は増額率を乗じて計算できます。それでは、70歳まで繰下げした場合の年金額はいくらになるのでしょうか。以下で確認をしてみましょう。
 

70歳まで繰下げした場合

65歳から受け取る年金額が年間200万円(月額約16万6000円)だとした場合、70歳0ヶ月(増額率42%)まで繰下げしたときの年金額は、年間284万円(月額約23万6000円)です。65歳から受け取る年金を70歳まで繰下げすることで、年間84万円も増やせることが分かります。
 
一方、70歳11ヶ月まで繰下げした場合の増額率は49.7%で、年金額は年間299万4000円(月額約24万9000円)となります。6年近く繰下げすることで、65歳で受け取る年金額と比べて、年間99万4000円も年金額を増やすことが可能になります。
 
このように、年金の受給時期は5~6年程度遅くはなりますが、年金額を大幅に増やせます。
 

最大の75歳まで繰下げした場合

上記のとおり、繰下げ受給は年金受給開始年齢を最大75歳まで遅らせることが可能です。75歳まで繰下げした場合の増額率は84%です。65歳から受け取る年金額が年間200万円の場合、75歳まで繰下げをすると年金額は年間368万円(月額約30万6000円)となります。
 
このように、年金受給開始年齢が65歳から10年ほど遅くなりますが、年金受給額は年間168万円も増やせます。
 

65歳より早く年金を受け取る「繰上げ受給」もある

繰上げ受給とは、65歳より早く年金を受け取ることができる制度です。最大60歳まで繰上げができ、繰上げ1ヶ月につき年金額が0.4%減額となります。60歳まで繰上げした場合の減額率は24%です。減額率は、日本年金機構のホームページで確認ができます。
 
例えば、65歳から受け取る年金額が年間200万円(月額約16万6000円)とします。60歳0ヶ月まで繰上げした場合の年金額は年間152万円(月額約12万6000円)です。
 
また、60歳11ヶ月まで繰上げした場合の減額率は19.6%で、年金額は年間160万8000円(月額13万4000円)となります。年金の受け取り時期は5~6年程度早くなりますが、年金受給額は大幅に減ることになります。
 
ただし、昭和37年4月1日以前生まれの場合は繰上げ1ヶ月あたりの減額率は0.5%、最大30%となります。
 

年金受給開始を70歳にすると65歳のときより受給額が42%増える

繰下げ受給をすると、年金受給開始年齢は遅くなりますが、年金受給額を増やすことができます。70歳まで繰下げすると、年金受給額は65歳のときと比べて42%も増えることになります。受給時期が75歳であれば、増額率は84%です。年金受給額が大幅に増えるため、老後資金対策としても有効です。
 
ただし、繰下げ受給をする場合は、年金受給時期までの資金計画を立てておく必要があります。70歳まで繰下げの場合は5年、75歳まで繰下げの場合は10年間の生活資金を貯金や給与で工面しなくてはいけません。
 
繰下げ受給をする場合は、事前に受給時期までの資金計画を立てておくようにしましょう。
 

出典

日本年金機構 年金の繰下げ受給
日本年金機構 年金の繰上げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ライターさん募集