更新日: 2022.05.24 その他年金

年収910万円の世帯は、将来どれくらい年金を受給できる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

年収910万円の世帯は、将来どれくらい年金を受給できる?
会社員が将来受給する老齢厚生年金は、年収によってその金額が変わります。会社員の給与収入が高いとその分税金も高くなったり、国の支援制度の対象から外れたりするので、必ずしも年収が高ければ高いほど良いとは言い切れません。
 
しかし、老齢厚生年金の支給額は、上限はあるものの年収に応じて上がるため、年収の高さが利点になるともいえます。この記事では、世帯年収910万円の世帯に焦点を当てて、年金の受給額を紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

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サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

老齢年金の仕組み

老齢基礎年金は、保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間が10年以上あれば受け取れる年金です。
 
一方、老齢厚生年金は老齢基礎年金の上乗せとなる年金で、老齢基礎年金の支給対象かつ厚生年金の加入期間がある人が受け取れます。会社員や公務員として働いたことがある人は老齢厚生年金の対象です。高齢になると受け取れる老齢年金は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2種類で構成されています。
 

老齢年金の計算方法

老齢基礎年金の年間支給額は77万7800円(2022年度)を満額として、「77万7800円×保険料納付月数÷480か月(40年) 」の計算式で求めます。それを12分割して偶数月の15日に、前月・前々月分をまとめて支払うかたちで支給しています。満額であれば月ごとの支給額は約6万4816円です。
 
一方、老齢厚生年金の支給額は、報酬比例部分と経過的加算と加給年金額の合計で決まります。老齢厚生年金の支給額の中心であり、年収が関わるのが報酬比例部分です。
 
報酬比例部分の計算式は2003年4月より前とそれ以降で異なり、内容もかなり複雑ですが、2003年4月以降の額は「平均標準報酬月額×5.481÷1000×2003年4月以降の加入月数」で計算できます。
 

年収910万円の世帯の年金

以下、「平均標準報酬月額×5.481÷1000×2003年4月以降の加入月数」の式を使って年収910万円の人の報酬比例部分を計算します。
 
910万円を12分割した約75万8333円を平均標準報酬月額とし、480ヶ月加入したとすると、報酬比例部分は約199万5083円です。12分割した月額は約16万6256円となり、2020年の老齢年金の平均額である14万6145円を報酬比例部分のみで上回りました。
 
とはいえ、40年間ずっと年収が910万円というわけではありません。次に、年収が300万円、500万円、700万円、910万円と段階的に上がり、それぞれの年収で10年間働いて計40年間厚生年金に加入したパターンを考えてみましょう。
 
40年間の平均年収は約602万5000円となるので、さらに12分割した約50万2083円を平均標準報酬月額とします。その場合は報酬比例部分が約132万921円、12分割した月額が約11万78円となります。老齢基礎年金を加算すれば平均を十分に上回る額です。
 

年収910万円の世帯の老齢厚生年金はおよそ11万以上!

年収が段階的に上がり年収910万円になった人は、月額約11万円の老齢厚生年金が受け取れます。世帯年収910万円を長く維持していれば、それ以上となります。加えて老齢基礎年金もあるので、年収910万円もあれば平均以上の額の年金支給が期待できるでしょう。
 

出典

日本年金機構 老齢年金(受給要件・支給開始時期・年金額)
厚生労働省令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
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