更新日: 2022.06.03 厚生年金
アルバイトやパートでも厚生年金に加入できる要件は? 加入するメリットはなに?
「厚生年金に加入するとどんなメリットがあるのだろうか」「給料の手取りが減るのは避けたい」「そもそも将来的に年金の受給は難しいのではないか」、このように思っている人もいるのではないでしょうか。
当記事では、アルバイトやパートが厚生年金に加入する要件をはじめ、加入のメリット・デメリットを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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アルバイト・パートが厚生年金に加入できる要件
アルバイト・パートで働いているからといって、厚生年金への加入が必須というわけではありません。以下の要件に該当する人が厚生年金の加入対象者となります。
・従業員数が501人以上の企業で働いている
・1週間あたりの所定労働時間が20時間以上
・雇用が1年間を超える見込みがある
・月額賃金が8万8000円以上
・学生ではないこと(休学中や夜間学生は加入対象のため除く)
しかし、厚生年金適用条件の拡大に伴い、令和4年(2022年)10月と令和6年(2024年)10月に加入要件の変更があります。変更を実施するのは「従業員数」「雇用期間」の2点で、詳しい内容は図表1を参考にしてください。
【図表1】
令和4年(2022年)10月以降 | 令和6年(2024年)10月以降 | |
---|---|---|
従業員数 | 101人以上 | 51人以上 |
雇用期間 | 継続して2ヶ月を超えて使用される見込み |
出典:日本年金機構 令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大より筆者作成
従業員数の引き下げによって、多くの会社が厚生年金の加入要件を満たせるようになります。また、雇用期間が1年以上から2ヶ月以上に変更されれば、短期間労働者も厚生年金に加入しやすくなるでしょう。
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アルバイト・パートが厚生年金に加入するメリット
アルバイト・パートが厚生年金に加入すると、以下のようなメリットを受けられます。
・受け取れる年金が増える
・健康保険で手当金が支給される
自由に使えるお金が減るから厚生年金に加入したくないと考える人もいるかもしれません。しかし、厚生年金の保険料は、雇用主である企業との折半です。退職しないかぎり、企業が保険料を半分負担してくれます。
受け取れる年金が増える
厚生年金に加入する最大のメリットが、将来的に受け取れる年金額が増える点です。公的年金は2階建てとよばれていて、図表2のように成り立っています。
【図表2】
1階:国民年金 | ・20歳以上60歳未満の人すべてに加入する必要がある ・就業形態は関係ない |
2階:厚生年金 | ・会社員や公務員などといった組織に属する人が納付する必要がある ・保険料は毎月の給与から自動で差し引かれる |
筆者作成
加入しているのが国民年金だけの場合、受給できるのは老齢基礎年金の部分のみです。しかし、厚生年金に加入した場合、在職中の給料額を基に算出する「報酬比例部分」が上乗せされた額を受給できます。
また、厚生年金加入者は、障害基礎年金に加えて障害厚生年金が上乗せされたり、遺族基礎年金に加えて遺族厚生年金も受給できたりする場合があります。
健康保険で手当金が支給される
厚生年金と合わせて健康保険の加入も必要です。厚生年金に加入すると、雇用主が加盟する健康保険組合に加入しないといけません。健康保険には、傷病手当金や出産手当金の支給といったものがあるため、けがや病気、出産を理由に一定期間仕事ができなくなったときの保障が手厚くなります。
保障内容は図表3を参考にしてください。
【図表3】
支給額 | 支給期間 | |
---|---|---|
傷病手当金 | 月給の3分の2程度 | 病気やけがで会社を休んだ日から起算して3日を経過した日から働けない期間(最長1年6ヶ月間) |
出産手当金 | 産前42日・産後56日までの間 |
出典:厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト パート・アルバイトのみなさまより筆者作成
傷病手当金や出産手当金ともに、国民健康保険にはない制度です。けがや病気、出産で働けなくなったときのことを考えたら、安心できる保障の一つでしょう。
厚生年金に加入して年金受給額を増やそう
アルバイトやパートでも厚生年金に加入すれば受け取れる年金額が増えて、老後生活の安定が可能です。また、けがや病気、出産などで働けなくなったときの保障が手厚いといったメリットも得られます。
これからアルバイトやパートで働こうと考えている人もいるかもしれません。そのときは、時給以外に厚生年金の加入要件を満たせるかどうかを考慮したうえで勤務先を探してみるのもいいのではないでしょうか。
出典
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト パート・アルバイトのみなさま
日本年金機構 令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部