更新日: 2022.07.07 その他年金

ねんきん定期便を捨ててしまった…過去の加入記録を確認するにはどうすればいい?

執筆者 : 辻章嗣

ねんきん定期便を捨ててしまった…過去の加入記録を確認するにはどうすればいい?
毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」では、公的年金の過去の加入記録などを確認することができます。しかし、ねんきん定期便を大切に保存している人は、意外と少ないのではないでしょうか。
 
今回は、ねんきん定期便をうっかり捨ててしまった方が、過去の加入記録を確認する方法について解説します。
辻章嗣

執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/

年金の加入記録を確認する3つの方法とは


ねんきん定期便以外で公的年金の加入記録を確認する方法には、以下の3つがあります。

(1)年金事務所などを利用する
(2)ねんきんネットを利用する
(3)マイナポータルを利用する

 
それぞれの利用方法について確認していきましょう。
 

年金事務所などを利用する

最寄りの年金事務所などの窓口を訪問するか、専用電話を利用して加入記録を確認することができます。
 

1. 年金事務所などの窓口で確認

全国には、年金事務所や街角の年金相談センターが配置されており、日本年金機構のホームページでお近くの窓口を検索できます(※1)。
 
年金事務所などで直接相談する場合は、予約専用電話(全国共通 0570-05-4890)、またはインターネットで事前予約をしておきましょう(※2、※3)。
 
窓口で相談する際には、運転免許証などの本人確認書類と、年金手帳などの基礎年金番号が分かる書類が必要になります。なお、これらの書類に代えて、マイナンバーカードを利用することもできます(※4)。
 

2. 専用電話で確認

加入記録の確認には、専用電話「ねんきん加入者ダイヤル」を利用する方法があります(※5)。
 
ねんきん加入者ダイヤルは、自営業者などの国民年金加入者向けの番号と、会社員や公務員などの厚生年金加入者向けの番号があります。電話をかける際には、年金手帳などで基礎年金番号を確認しておきましょう。
 
なお、専用のナビダイヤルに一般の固定電話からかける場合は、全国どこからでも市内通話料金で利用できますが、携帯電話などからかける場合は、通常の通話料金がかかるほか、通話料定額プランの対象外となるので注意してください。
 

ねんきんネットを利用する

日本年金機構が運営する「ねんきんネット」を利用すると、インターネットでいつでも加入状況などを確認できます(※6)。
 
ねんきんネットを利用するためには、事前の登録が必要です。
 

1. ねんきんネットの登録方法

ねんきんネットの登録は、ねんきんネットのユーザIDを取得する方法と、マイナポータルと連携する方法があります。
 
マイナポータルについては後述しますが、ここではまずユーザIDを取得する方法について解説します(※7)。
 
ねんきんネットのホームページから新規登録に進み、今回はねんきん定期便が手元にないケースなので「アクセスキーなし」をクリックします。
 
その後、基礎年金番号など必要事項を入力するほか、パスワードを設定してユーザIDの発行手続きを行います。
 
後日、ユーザIDが郵便で届きますので、ユーザIDと事前に設定したパスワードを使って、ねんきんネットにログインすることができます。
 

2. ねんきんネットで確認できることは

ねんきんネットを利用すると、捨ててしまった「ねんきん定期便」の電子版をはじめ、年金記録など以下の情報を、パソコンやスマートフォンで確認することが可能です(※8)。

(1)電子版「ねんきん定期便」
(2)電子版「被保険者記録照会回答書」
(3)自分の年金記録
(4)将来の年金見込額

 
また、ねんきんネットでは持ち主不明となっている年金記録の検索もできるため、自身の年金加入記録に「漏れ」や「誤り」があった場合の確認にも役立ちます。
 

マイナポータルを利用する

マイナンバーカードを取得されている方は、マイナポータルと連携して、ねんきんネットにログインすることができます(※9)。
 
マイナポータルを利用するためには、利用者登録が必要です。
 

1. マイナポータルの利用者登録

マイナポータルの利用者登録は、パソコンまたはスマートフォンから行えます。
 
利用者登録にはマイナンバーカードのほか、マイナンバーカードを取得した際に設定した、数字4桁の利用者証明用電子証明書パスワードが必要です。
 
また、マイナンバーカードの読み込みには、ICカードリーダライタを利用する方法と、スマートフォン(QRコード)を利用する方法があります。
 
以上の準備ができたら、パソコンまたはスマートフォンに専用アプリをダウンロードしてマイナンバーカードを読み込み、利用者証明用電子証明書パスワードを入力してログインします。
 
あとはメールアドレスなどの必要事項を入力し、利用者登録を行います。
 
なお、マイナポータルへのログインには、2回目以降もマイナンバーカードとパスワードが必要となります。
 

2. マイナポータルとの連携によりできること

マイナポータルと連携した場合、ねんきんネットで年金記録などの確認に加えて、以下の国民年金の手続きをインターネットで申請することができます。

(1)保険料の免除・猶予の申請
(2)学生の保険料納付特例の申請
(3)国民年金への加入申請

 

まとめ

ねんきん定期便が手元になくても、年金事務所などの窓口や専用電話、ねんきんネットを利用することで、年金の加入記録を確認できます。
 
また、ねんきんネットとマイナポータルを連携すれば、加入記録などの確認だけでなく、国民年金について一部の手続きをインターネットから行うことも可能となります。
 

出典

(※1)日本年金機構 全国の相談・手続き窓口
(※2)日本年金機構 年金相談予約
(※3)日本年金機構 予約相談について
(※4)日本年金機構 窓口での年金相談のご案内
(※5)日本年金機構 電話での年金相談窓口
(※6)日本年金機構 ねんきんネット
(※7)日本年金機構 アクセスキーをお持ちでない場合の登録方法
(※8)日本年金機構 「ねんきんネット」とは?
(※9)デジタル庁 マイナポータル 年金に関する情報の確認と申請について
 
執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士
 

ライターさん募集