更新日: 2022.08.03 その他年金
障害年金がもらえる障害の程度とは? 年金制度で異なる障害等級を解説
今回の記事では、障害年金がもらえる障害の程度について解説します。加入している年金制度によっても基準が異なりますので、障害年金の請求を検討中の人は参考にしてください。
執筆者:西岡秀泰(にしおか ひでやす)
社会保険労務士・FP2級
障害基礎年金の対象となる障害の程度
障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金の2種類があります。国民年金に加入している人には障害基礎年金、厚生年金に加入している人には障害厚生年金が支給されます。最初に、障害基礎年金の対象となる障害の程度について説明します。
障害基礎年金は障害等級1級・2級
障害基礎年金の対象となる障害の程度は、障害等級の1級・2級です。各等級の目安は次の通りです。
・障害等級1級
他人の介助を受けなければ、日常生活のことがほとんどできないほどの障害の状態。身の回りのことは何とかできても、それ以上の活動はできない人や、入院や在宅介護を必要とし、活動の範囲がベッドの周辺に限られる人などが該当します。
・障害等級2級
日常生活が極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害の状態。家庭内で食事を作る程度の活動はできても、それ以上の重い活動はできない人や、入院や在宅で活動の範囲が病院内・家屋内に限られる人などが該当します。
障害等級1級・2級の障害の程度
障害等級1級・2級の具体的な障害の程度は、国民年金保険法施行令で図表1の通り定められています。
図表1 障害等級1級・2級の障害の程度
引用:日本年金機構「障害等級表」
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障害厚生年金の対象となる障害の程度
次に、障害厚生年金の対象となる障害の程度について説明します。
障害厚生年金は障害等級1級~3級
障害厚生年金の対象となる障害の程度は、障害等級の1級〜3級です。1級と2級の障害の程度については、障害基礎年金と同様になります。3級の目安は次の通りです。
・障害等級3級
日常生活にはほとんど支障はないが、労働する上で著しい制約を受けることを必要とするような状態。
なお、厚生年金の加入者が障害等級1級・2級に該当した場合、障害厚生年金に加えて障害基礎年金も支給されます。国民年金加入者と比較して、厚生年金加入者は支給対象となる障害の範囲が広く、1級・2級に該当した場合はより多くの障害年金を受給できます。
障害等級3級の障害の程度
障害等級3級の具体的な障害の程度は、厚生年金保険法施行令で図表2の通り定められています。
図表2 障害等級3級の障害の程度
引用:日本年金機構「障害等級表」
障害手当金の対象となる障害の程度
厚生年金に加入している人は、障害等級1級〜3級に該当しなくても所定の障害状態に該当すれば、障害手当金が支給されます。障害基礎年金や障害厚生年金と異なり、障害手当金は一時金で支給されます。
障害手当金の対象となる障害の程度は、厚生年金保険法施行令で図表3の通り具体的に定められています。
図表3 障害手当金の対象となる障害の程度
引用:日本年金機構「障害等級表」
医師と相談し、障害等級を判断し支給の可能性があれば早めに請求しよう
障害年金を受け取れる障害の程度は、加入している年金制度によって異なります。国民年金加入者が受給する障害基礎年金は障害等級1級・2級に、厚生年金加入者が受給する障害厚生年金は1級〜3級に該当すれば、障害年金が支給されます。
身体障害者手帳などの等級は障害年金の等級と認定基準が異なるため、自分がどの等級に該当しそうかは、担当の医師に相談して判断しましょう。障害年金請求に対する審査が終わらないと障害年金支給の有無や障害等級は判明しませんが、可能性があれば早めに請求しましょう。
出典
日本年金機構 障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額
日本年金機構 障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額
日本年金機構 障害等級表
執筆者:西岡秀泰
社会保険労務士・FP2級