更新日: 2022.08.30 年金

【国民年金】支払えなくなったらどうなる? どんな手続きをすればいい?

執筆者 : 木元泰徳

【国民年金】支払えなくなったらどうなる? どんな手続きをすればいい?
国民年金への加入は、日本に居住する以上、発生する国民の義務です。しかし、家計が苦しくなったり、失業してしまったり、経済的な理由によって支払えなくなるときもあるでしょう。
 
そんなとき、申請をせずに支払いをしなかった場合はどうなるのでしょうか。また、支払いが厳しくなったとき、どうするべきなのでしょうか。詳しく解説していきます。
 
木元泰徳

執筆者:木元泰徳()

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

国民年金には加入義務がある

国民年金の機能のひとつ、老齢年金は65歳以降、生涯を終えるまで一定の金額が支給される、老後の生活の基礎となる重要な収入源です。国民年金はほかにも、障害を負ってしまったときや、一家の大黒柱を失ってしまったときにも、障害年金や遺族年金が給付される、保険的な機能を持っています。
 
そんな国民年金は、日本国内に居住する20~60歳未満の人が、全員加入することが法律で義務付けられています。基本的に会社員や公務員は給与から天引きされて間接的に支払いを行い、学生や自営業者は各自で納付する必要があります。
 

国民年金が支払えなくなった場合の手続き

加入と支払いの義務がある国民年金ですが、支払いが困難なときにはどうすればよいのでしょうか。通常は、以下の3つの手続きのいずれかを行います。
 

(1)全額免除・一部免除

本人・世帯主・配偶者の前年所得が一定額以下の場合に、申請により保険料が全額、または一部免除されます。
 

(2)納付猶予

50歳未満の人で本人・配偶者の前年所得が一定額以下の場合に、保険料の納付が猶予されます。
 

(3)学生納付特例

学生で本人の前年の所得が一定額以下の場合に、保険料の納付猶予を受けられます。
 
このほかにも、失業や新型コロナウイルス感染症の影響で納付が困難になってしまった場合も、保険料が免除、または猶予される可能性があります。支払いが難しくなったときは近くの年金事務所に相談してみましょう。
 
なお、全額免除・一部免除・納付猶予・未納は、それぞれ年金の受給資格期間、および老齢基礎年金の年金額に影響を与えます。免除・猶予申請を行う場合は、図表1を参考にしながら検討してください。
 
図表1
 

 
出典:日本年金機構 国民年金・厚生年金保険被保険者のしおり(令和4年度版)より筆者作成
 

国民年金、支払わないとどうなる?

国民年金の免除・猶予などの制度を解説しましたが、それらを利用しなかった場合、どうなるのでしょうか。滞納で生じる問題は次の3つです。
 

(1)老後の年金額が減ってしまう

原則65歳以降、受給が始まる老齢基礎年金は、保険料を納付した月数に応じて受給金額が増えていきます。20歳から60歳までの40年間、保険料を支払えば満額を受給できますが、例えば10年間だけ納付した場合は、受け取る年金額も4分の1ほどになってしまいます。
 

(2)各種年金が受け取れない

老齢基礎年金は10年間の資格期間がなければ、受給資格を失ってしまいます。したがって、長期間の滞納で資格期間が短いと、65歳になっても年金を受け取れず、収入の基礎部分が得られない場合があります。
 
また、障害年金の資格期間は「初診日がある月の2ヶ月前までの被保険者期間のうち、保険料を納付した期間と免除期間の合計が3分の2以上」必要です。
 
遺族年金は「生計を維持していた人が死亡した日の前日を基準にして、死亡日が含まれる月の前々月までの被保険者期間に、国民年金の保険料納付済み期間および免除期間、厚生年金・共済組合の加入期間合計が3分の2以上あること」という要件があります。それぞれの年金の受給資格が得られるよう、未納の月をなくしましょう。
 
なお、免除や納付猶予の申請を行っていれば、10年を上限に追納が可能です。資格期間を満たしていない人、受給金額を増やしたい人は利用しましょう。
 

(3)資産を差し押さえられる場合も

300万円以上の所得を持ち、7ヶ月以上保険料を滞納した場合には、財産を差し押さえられる場合もあります。この場合、給与の一部や銀行預金、自動車など価値があるものを強制的に差し押さえられ、さらに延滞金を支払うことにもなります。
 
こうした状況になるのを避けるため、必要な場合は免除申請などを行って、国民年金を滞納しないようにしましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金・厚生年金保険被保険者のしおり(令和4年度版)

日本年金機構 障害年金ガイド(令和4年度版)

日本年金機構 遺族年金ガイド(令和4年度版)

日本年金機構 日本年金機構年度計画

日本年金機構 国民年金保険料の延滞金

 
執筆者:木元泰徳
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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