更新日: 2022.09.26 その他年金
現役時代に「パート」中心で働いていた場合、65歳以降の公的年金額は月額「7~10万円」になる?
そこで、現役時代にパートやアルバイト中心で働いていた場合、将来受け取れる年金額がどれくらいになるのか、統計と共に確認していきます。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
常勤のパート中心だった方の年金額は平均9万円
平成29年に行われた「老齢年金受給者実態調査」の結果では、現役時代に常勤のパート中心で働いてきた方の平均的な老齢年金は月額9万円、アルバイト中心の場合は月額8万1000円となっています。
出典:厚生労働省年金局数理課 「公的年金受給者に関する分析」
この平均から推定すると、現役時代の働き方が常勤のパート中心であった方の年金額は、月額で約7万円から10万円の範囲となっている場合が多そうです。
とはいえ、年間の年金額では、常勤パート中心で50万円から100万円の範囲が全体の約半数が占めていることを考えると、実際には平均の9万円より年金額が少ないケースも多くなりそうです。
また、年金受給者全体の平均月額は12万3000円となっているため、今後の年金制度に大幅な変更がない限り、パート中心に働いてきた方が受け取れる平均的な年金額は、一般的な平均の4分の3程度になると覚悟すべきでしょう。
なお、現役時代が正社員中心だった方の年金額の平均は月額16万6000円で、パート中心では正社員の半分程度の給付水準となっています。
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常勤パート中心の働き方だとなぜ年金額が低くなる?
常駐パート中心で働いていた方の年金額が、年金受給者全体の平均よりも低い理由は、パートの方の給与水準が正社員よりも低いことにあります。
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」によると、雇用形態別の給与では正社員以外は男女ともに、すべての年齢階級で正社員よりも給与が低く、最も差が大きい場合では65%前後となっています。
出典:厚生労働省 「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」
給与水準が正社員よりも低くなるパート中心の働き方では、なぜ年金額が少なくなるのかといえば、厚生年金の受給額が正社員に比べて少なくなるからです。
厚生年金の受給額は、厚生年金に加入して保険料を支払っていた期間の給与におおむね比例します。そのため、パート中心で正社員よりも低い給与で働いていた場合、将来給付される年金額が少なくなる結果となってしまうのです。
パート中心で働く人は老後の備えをどうするべきか
これから老後までパート中心で働こうと考えている場合、将来受け取る年金が少なくなる可能性が高くなるため、その点を踏まえて現役世代のうちから老後に向けた準備が必要です。
もちろん配偶者や子がいれば、家族で協力して生活していくことができる場合もあるでしょう。しかし、家族に頼ることが難しいという状況も考えられるので、次のような方法を視野に入れて老後の対策について検討していく必要があります。
●正社員としての転職などを通じて収入アップを目指す
●働く時間を増やしたり、副業・ダブルワークなどでの収入アップを目指す
●貯金や資産運用で老後の資産を形成しておく
●年金を受けながら長く働き続けることも検討する
まだ30代や40代といった比較的若い方であれば、正社員としての転職のほか、少ない資金や隙間時間で始められる副業、長期的な資産運用を行うのは有効でしょう。
常勤パート中心で働いている方は年金が少ないことも想定して老後の対策を
現役時代に常勤パート中心で働いていた場合、65歳から受け取る年金は統計による平均で月額9万円となっています。資産があるなど特別な事情がなければ、老後に家族に頼らず年金だけで生活していくのは厳しいことも考えられるでしょう。
現在、パート中心で働いており、今後もその可能性が高い、あるいはそのつもりでいるという場合、老後の年金は少なくなることをあらかじめ想定し、働き方や老後の備えについて前向きに考えてみてください。
出典
厚生労働省年金局数理課 公的年金受給者に関する分析
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査の概況
執筆者:柘植輝
行政書士