更新日: 2022.09.28 国民年金

「国民年金」は払った分だけ将来受け取ることができるの?

「国民年金」は払った分だけ将来受け取ることができるの?
現役時代には国民年金の保険料が生活を圧迫しますが、支払った分が将来、本当に老後の生活資金として戻って来るのか心配になることはありませんか? 今回は、国民年金制度の基礎を説明するとともに、受給開始までに支払った保険料の総額に対し、受け取れる年金はどのくらいの規模になるのかを、その計算方法とあわせて解説していきます。
勝川みゆき

執筆者:勝川みゆき(かつかわ みゆき)

ファイナンシャルプランナー2級・AFP

国民年金の基本的な制度

ここで、国民年金の基本的な制度を確認しましょう。
 
日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人は、国民年金へ加入することが法律で決まっています。65歳になると、加入期間や支払った保険料に応じて国民年金(基礎年金)を受け取ることができます。
 

被保険者の種類

国民年金の被保険者は、職業などにより次の3つに区分されます。
 

●第1号被保険者 学生や自営業者、農林漁業者など
●第2号被保険者 会社員や公務員など
●第3号被保険者 国内に居住し、第2号被保険者に扶養されている配偶者

 
第2号被保険者は厚生年金にも加入しているため、勤め先の給料から天引きされる形で保険料を納付しています。
 
第3号被保険者は、第2号被保険者の加入制度が負担するため、自己負担はありません。一方、第1号被保険者は、自分で毎月保険料を納める必要があります。保険料は月額1万6590円(2022年度)です。まとめて前払いすると、期間に応じて割引があります。
 

賦課方式

日本の年金制度は、賦課方式で運営されています。現役世代が納めた保険料が、その時の年金受給者への支払いに充てられます。現役世代が高齢になって年金を受給する時には、その下の世代が納めた保険料から年金を受け取ることになるのです。
 

給付の種類

国民年金に加入することで受けられる給付は、65歳からの老齢基礎年金だけではありません。もしも、病気やけがなどで障害を負ってしまった場合には、障害基礎年金が受けられます。また、加入者が死亡した場合には、遺族が遺族基礎年金を受け取ることができます。
 

老齢基礎年金の受給資格

老齢年金を受給するためには、原則として国民年金の加入期間が10年以上必要です。ただし、免除または猶予された期間がある場合は、その期間も合算できます。
 

国民年金はいくら払い、いくら受給できるのか

それでは、国民年金の保険料はいくらか、また、いくらくらい受け取ることができるのかを見ていきましょう。
 

国民年金保険料

2022年度の国民年金の保険料は、月額1万6590円です。20歳から60歳まで保険料を支払った場合、40年間で約800万円となります。
 

老齢基礎年金の受給額

老齢基礎年金の計算方法は、「77万7800円(22年度満額)×(保険料納付済月額÷480ヶ月)」となっています。保険料を納付した期間が30年の場合は58万3350円、20年の場合は38万8900円となります。
 
例えば、65歳から男性の平均寿命の81歳まで老齢基礎年金を受給した場合、満額で受給すると、「77万7800円×16年」で約1200万円になります。この累計受給額は納付した保険料の約1.5倍にあたります。
 
さらに、65歳から女性の平均寿命の87歳まで受給した場合には、「77万7800円×22年」で約1700万円です。こちらは支払った保険料の約2倍です。
 

まとめ


 
国民年金は、10年から11年ほどで払った分の金額が受給できる計算になります。ただし今後、支払う保険料が変わったり、老齢基礎年金の受給額が減額されたり、受給開始年齢が引き上げられたりといった可能性もあります。
 
とはいえ、確実に受給するために国民年金の保険料はしっかりと払っておいた方がよいでしょう。もし保険料の免除や納付猶予、学生納付特例を受けた期間がある場合は、可能な範囲で追納(10年以内に限られる)を検討することもおすすめします。
 
自分自身が何歳まで生きるか、正確には誰にも分かりませんが、人生100年時代が到来し、想定していた以上に長生きをする可能性もあります。年金は長生きするほど得をする制度と言えますが、より豊かな老後を送れるよう、できるだけ早い段階から資金計画を立て、資産や貯蓄を殖やす努力をしておくことが大切です。
 

出典

日本年金機構 国民年金・厚生年金保険被保険者のしおり(令和4年度版)

厚生労働省 いっしょに検証! 公的年金~年金の仕組みと将来~

厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況

 
執筆者:勝川みゆき
ファイナンシャルプランナー2級・AFP

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