学生時代の未払い年金保険料はいつ、どうやって追納する? 追納のメリット・デメリットについて
配信日: 2022.09.29
「追納制度」とは、保険料を払えない人の年金受給の減少を救済するため、後から保険料を支払うことができる制度です。
学生納付特例の追納とはどんなものか、メリット・デメリットをふまえて説明します。
国民年金とは
「国民年金」は、国民が半分・国が半分負担して成り立つ終身の国民皆年金制度で、保険料は定額・世代間扶養の公的年金です。そして65歳になったら、加入期間や支払った保険料に応じて、「老齢基礎年金」として受け取ることができます。
20歳から60歳未満の国民すべての人が被保険者となり、老齢給付を受け取るためには、10年(免除・猶予された期間含む)の受給資格期間が必要です。
国民年金の保険料は、一ヶ月あたり約1.7万円(令和4年度)の定額で、40年間満額納めた場合の年金額は約78万円です。
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年金保険料の追納制度とは
国民年金保険料の納付が難しいときは、以下のような免除や猶予などの制度があります。
(1)全額免除・一部免除制度
本人・世帯主・配偶者の前年所得が、一定額以下の場合
ただし1月から6月に申請する人は前々年所得が対象
(2)納付猶予制度
50歳未満の方で、本人・配偶者の前年所得が一定額以下の場合
ただし1月から6月に申請する人は前々年の所得が対象
(3)学生納付特例制度
学生の方で、本人の前年所得が一定額(128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険控除等)以下の場合
ただし1月から3月に申請する人は前々年の所得が対象
このような国民年金保険料の免除(全額免除・一部免除)・納付猶予・学生納付特例を受けた人は、年金保険料を全額納めたときに比べ、その期間分、老齢基礎年金の受給額が少なくなります。
「年金保険料の追納制度」とは、追納の承認を受けた月の前10年以内であれば、この期間の保険料を納めることができる救済制度です。ただし承認を受けた期間の翌年度から起算して、3年目以降に追納する場合は加算金が上乗せされます。
また、対象の人が追納するには、申請書類などをそろえて年金事務所に申し込みます。
国民年金を追納するメリット・デメリットは
「公的年金」は、社会保障制度の1つとして社会全体で高齢者の生活を支える制度です。また、老齢年金だけでなく、障害年金や遺族年金などの給付もあります。
主な特徴として、終身にわたって老齢年金として受け取れることや、物価上昇に対して年金額が増加する実質的に価値のある年金を受給できます。
追納するメリットとしては、
(1)追納することで、年金の年間受給額が増える。
(2)納付した保険料は社会保険料控除の対象となり、所得税・住民税が減額される。
(3)追納した保険料も終身で年金として支給されるので、長生きすればするほど年金額が増える。
などがあります。
一方、追納するデメリットとしては、
(1)保険料を払わなければならない。
(2)3年目以降に追納する場合は、加算金がプラスされる。
などがあります。
未払い年金保険料を追納した場合の年金受給額は
学生時代に「学生納付特例制度」を利用し、後に追納した場合、
条件(1)20歳から22歳の2年間の未払い分を、
条件(2)年間20万円追納、老齢基礎年金にプラスし、
条件(3)65歳から85歳(男女の平均寿命)まで20年間受給する。
この条件で、20年間の追納額・受給額を、税金は考慮せず計算してみると、
追納額は 2年間で20万円×2年=40万円となる一方、
これに対する受給額は 20年で(1.95万円×2年分)×20年=78万円となります。
「受給額」は追納しなかった場合に比べ、20年間で38万円(=78万円-40万円)の増となり、受給額は追納分の約2倍になります。それに、追納した金額には、社会保険料控除が適用され、所得税・住民税も減額されます。
まとめ
「学生納付特例制度」を利用した場合の追納は、各自の都合で追納する期間、支払い(全部一括から6ヶ月分ごとの分割払い)が選択できますので、お金に余裕ができたとき、早い時期に実施しましょう。ただし、納付はクレジット払い不可となっています。
「将来、年金が支給されるかどうか分からないという不安があり、追納分は投資に回したい」と考える人もいるようですが、不確定要素が多い世の中、変動幅の大きい投資より、安全で確実な年金で積み立てる方が実質的メリットはあるのではないでしょうか。
出典
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
執筆者:小久保輝司
幸プランナー 代表