年金を「毎月15万円」もらうためには年収でいくら必要なのかを解説

配信日: 2022.10.10

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年金を「毎月15万円」もらうためには年収でいくら必要なのかを解説
老後の生活を送るために、年金は重要な財源です。総務省の調査によれば、65歳以上の単身世帯の消費支出は約15万円と発表されています。そのため、年金で最低限の生活費くらいは確保しておきたいと考えている人は多いのではないでしょうか。
 
本記事は、毎月の年金を15万円もらうためには、年収でいくら必要かを解説します。
川辺拓也

執筆者:川辺拓也(かわべ たくや)

2級ファイナンシャルプランナー

年金を月15万円受け取るために必要な年収

老齢年金を毎月15万円受け取るために必要な年収は、約470万円です。15万円のうち、老齢基礎年金となる国民年金は満額で受け取れるものとして考えます。
 
老齢基礎年金は、20歳から60歳まで国民年金に加入していれば満額で受給可能です。2022年4月から、老齢基礎年金は満額で約6万5000円となります。毎月15万円のうち、約6万5000円は老齢基礎年金とすれば、残り約8万5000円分は厚生年金から用意しないといけません。
 
厚生年金から毎月8万5000円とすると、年間で102万円になります。年間102万円を受け取るための平均報酬月額を計算してみましょう。厚生年金の計算式は、2003年3月まで賞与を除いた月給で計算していましたが、2003年4月から賞与も含む「総報酬制」が導入されました。
 
老齢厚生年金の計算式は以下の通りです。
 

●2003年3月以前:平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
 
●2003年4月以降:平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数

 
実際はそれぞれの計算から算出された金額を合計した額が老齢厚生年金になります。ここでは計算式を以下の条件でシミュレーションしましょう。
 

●2003年4月以降に厚生年金に40年加入
●年収の変動はなく、ボーナスあり
 
平均標準報酬額×5.481/1000×480ヶ月=102万円
 
平均標準報酬額=約39万円
約39万円×12ヶ月=約470万円

 
約470万円が厚生年金で8万5000円を受け取れる目安年収です。これは給与所得者のうち、正規雇用の平均496万円を約20万円下回る結果でした。平均より下回っていますが、新卒社員でいきなり受け取れる年収ではなく、業績や景気で給与のベースも上がりにくいので、年収470万円のハードルが高いと感じる人はいるでしょう。
 
厚生年金の受給額を上げる方法は、かつて「長く働いて年収を高くすれば良い」とされていました。しかし、現代社会では非現実的な状況になりつつあるとされています。
 

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年金の受給額を増やす方法は?

年収が上がらなくても毎月の年金額を増やすなら、繰下げ受給が手っ取り早い方法です。年金の繰り下げをすると、1ヶ月ごとに0.7%の増額率を乗じて受給できます。75歳まで繰り下げ可能で、最大84%の増額率になります。
 
もし毎月の厚生年金が8万5000円に満たなければ、繰り下げをしながら月々8万5000円になるまで待つのも手です。
 

公的年金だけに頼らず生活できるように資産を準備しておきましょう

年金を毎月15万円受け取るためには、年収がいくら必要か計算しました。計算式はあくまで一例ですが、年収は約470万円である必要があります。とはいえ、公的年金は今後も受給額が少なくなる可能性が高いです。公的年金だけに頼ろうとせず、iDeCoやつみたてNISAなどを活用し自助努力で資産を形成している現役世代が増えているのは、自然の流れなのでしょう。
 

出典

e-Stat 総務省 家計調査 家計収支編 2022年4~6月期

日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について

日本年金機構 老齢年金ガイド 令和4年度版

国税庁 令和2年分 民間給与実態統計調査

 
執筆者:川辺 拓也
2級ファイナンシャルプランナー

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