更新日: 2022.10.25 その他年金

障害者手帳がなくても「障害年金」は受給できる。対象疾患と手続きは?

障害者手帳がなくても「障害年金」は受給できる。対象疾患と手続きは?
病気やけがで長期間の療養が必要だったり、働けてもフルタイムは難しかったりする場合は、生活費をどうするかが問題になります。1つの方法として検討すべきなのが、障害年金の受給です。実は障害者手帳がなくても、条件に当てはまれば受給できます。
 
本記事では、障害年金の対象となる疾患と手続きを詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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障害年金とは

「障害年金」とは、病気やけがが原因で就労に制限がある場合に受け取れる年金です。初診日を迎えた時点で加入していた保険によって、支給される年金の名称と要件、等級および年金額が異なります。
 
図表1
 

名称 受給できる人 等級
障害基礎年金 初診日時点で「国民年金」に加入している人 1級~2級
障害厚生年金 初診日時点で「厚生年金」に加入している人 1級~3級
※一時金も設定されている

 
日本年金機構 障害年金より筆者作成
 
例えば、大学生など厚生年金に加入していないときのけがが原因で障害を負った場合、受給できる可能性があるのは「障害基礎年金」になります。一方、会社員が在職中に病気にかかり、障害が遺伝した場合、「障害厚生年金」を受給できる可能性が出てくると考えましょう。障害年金を受給するには、初診日要件、保険料納付要件、障害等級該当要件の3つをすべて満たさないといけません。
 

初診日要件

障害年金の対象となる病気・けがの初診日は、国民年金または厚生年金保険の被保険者期間中でなくてはいけません。
 
ただし、20歳を迎えるより前に初診日を迎えている場合や、年金制度に加入していない日本在住の人が60歳以上65歳未満のときに初診日を迎えたとしても対象になります。
 

保険料納付要件

1.保険料納付要件の原則は加入期間の3分の2以上納めていること
2.1を満たさない場合は、直近1年間に滞納期間がないこと

 
どちらか1つの条件を満たす必要があります。ただし、20歳を迎えるより前に初診日を迎えた場合は保険料納付要件を問われません。
 

障害等級該当条件

病気、けがの状態が障害年金の受給要件に当てはまるかも問題になります。一般的には以下の病気、けがが障害年金の受給対象です。
 
図表2
 

外部障害 視覚、聴覚、肢体(手足など)の障害など
精神障害 統合失調症、うつ病、認知障害、てんかん、知的障害、発達障害など
内部障害 呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、血液・造血器疾患、糖尿病、がんなど

 
日本年金機構 障害年金の対象となる病気やけがにはどのようなものがありますか。より筆者作成
 
実際は国民年金法施行令別表、厚生年金保険法施行令別表、国民年金・厚生年金保険障害認定基準に照らし合わせて該当するかが判断されます。
 

障害者手帳を持っているかどうかは関係ない

障害者手帳を持っていなくても障害年金を受給することは可能です。障害年金の管轄は日本年金機構であるのに対し、障害者手帳の交付主体は地方自治体(都道府県知事、指定都市および中核市の市長)であり、まったく異なります。したがって、障害者手帳を持っていても、障害年金を受給できないケースもあるため注意が必要です。
 

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障害年金を受給するまでの流れ

障害年金を受給するまでの流れを簡単にまとめました。
 

1.年金事務所で必要な書類をもらう
2.医師との面談に先立ち障害の程度を確認する
3.病歴・就労状況等申立書案を作成する
4.主治医に診断書作成を依頼する
5.年金請求書や病歴・就労状況等申立書を完成させ、年金事務所や市区町村役場に提出する
6.結果が郵送されてくる

 

まずは主治医に相談を


 
病気やけがをすると、健康なときと同じように働くのはなかなか難しいです。不本意ながら仕事を辞めざるを得ない事態が起きるかもしれません。だからこそ、条件に当てはまれば毎月一定額が受給できる障害年金は、経済面のみならず、精神面でもプラスに働きます。
 
まずは自分や家族が条件に当てはまりそうか、主治医に相談してみましょう。主治医から快い返事がもらえなかったり、話しづらかったりした場合は、病院のソーシャルワーカーや社会保険労務士などの専門家を頼っても構いません。また、地方自治体の障害者支援センターや社会福祉協議会でも相談を受け付けています。
 

出典

日本年金機構 障害年金
日本年金機構 障害年金の対象となる病気やケガにはどのようなものがありますか。
日本年金機構 年金請求書提出までの流れ
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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