更新日: 2022.10.27 国民年金

日本は災害大国!被災したときに備えて知っておきたい「国民年金の免除」とは

執筆者 : 渡辺あい

日本は災害大国!被災したときに備えて知っておきたい「国民年金の免除」とは
毎年のように自然災害が起こる日本では、いつどこで被害に見舞われるか事前に正確に予測することはできません。もし「被災者」になった場合、国民年金の保険料の納付が免除される制度があることをご存じでしょうか?
 
今回は、もしもの災害に備えて知っておきたい国民年金の免除制度について分かりやすく解説していきます。
渡辺あい

執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)

ファイナンシャルプランナー2級

国民年金の保険料納付が免除されるとき

国民年金は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満のすべての人に加入義務があります。しかし、経済状況によっては保険料の納付が困難な場合のために、国民年金には保険料の免除・猶予制度が設けられています。
 
国民年金の納付は、経済的事情や、出産などの理由によって免除・猶予されるケースがあります。災害に遭った時に条件に応じて保険料の納付が免除されるのも、こうした免除制度のうちの一つです。
 

被災した時にも 保険料納付が免除されることがある

災害で深刻な被害を受け、保険料の支払いが困難なときは、申請を通じて保険料の支払いが免除されます。ただし、支払いが「困難である」と認められるには、その損害の規模について基準が定められているため、注意が必要です。
 
災害によって国民年金の支払いが免除されるには、災害等によって被災した住宅・家財・その他の財産のうち、被害金額がおおむね2分の1以上の損害を受けたことが条件として定められています。
 
国民年金納付の免除を希望する場合は、近くの年金事務所に申請をしましょう。また、国民年金の納付免除申請書は日本年金機構のホームページから入手することができます。
 

免除された保険料はどうなるの?

免除された保険料は、その後の年金受給にどのような影響をもたらすのでしょうか。
 
国民年金の保険料の支払いを免除された場合、免除期間も年金の受給資格期間として計算されるのですが、年金の額には反映されません。つまり、将来受け取ることのできる年金は実際に納付した保険料を基に計算されるので、免除期間に納付しなかった保険料の分、将来の年金に影響が及びうるということです。
 
そのため、満額の年金を受け取りたい場合には、免除期間の終了後に追納する必要があります。追納とは、本来免除期間に納付するはずだった保険料を後で納める制度です。
 
追納をすると、将来の年金を増やすことができるだけでなく、社会保険料控除によって所得税や住民税も軽減されます。追納は基本的に10年以内であれば受け付けられますので、生活基盤が安定したら、追納を検討するようにしましょう。
 

日本は災害大国!万が一に備えた知識をつけよう


 
このように、災害で被災した際には、被害の程度などの条件を満たせば、申請手続きを行うことで国民年金の納付が免除されます。また、追納を行うことにより、将来の受給額を増やすことができます。
 
自然災害が激甚化する昨今、災害を決して対岸の火事とは思わず、「明日はわが身」という心構えをもつことが大切です。もしもの時に免除の申請を冷静に手続きできるよう、本記事で紹介したポイントをしっかり押さえておいてくださいね。
 

出典

日本年金機構 被災された被保険者の皆さまへ、国民年金保険料の免除についてのお知らせ
日本年金機構 年金の追納制度
 
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級

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