年金の納付がキツイ! 学生必見の「学生納付特例制度」とは?
配信日: 2022.10.28
20歳から始まる国民年金の保険料を納めなければならないことは分かっていても、「ただでさえ日々の生活のやりくりも大変なのに、年金を払う余裕なんてない」と悩んでいる方もいるかもしれません。
本記事では、そんな悩める学生は必見の国民年金の猶予制度について、条件や制度の利用方法について詳しく解説します。
執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)
ファイナンシャルプランナー2級
学生は年金の納付を猶予してもらえるの?
国民年金は、日本国内に住所を有する20歳から60歳未満のすべての人に加入の義務があり、保険料を納付する義務があります。しかし、学生は「学生納付特例制度」という制度に申請をすることで、在学中の年金の保険料の納付が猶予されるのです。
この制度を利用するためには、学生本人の前年度の所得が一定以下という条件があります。ただし、この所得制限には、家族の所得は関係ありません。国民年金の保険料納付が厳しい学生は、この制度を利用すると、毎月の支出を減らすことができます。
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学生納付特例制度を利用するには?
学生納付特例制度の申請は、以下の場所で行うことができます。
●住民登録をしている市区町役場の国民年金窓口
●近くの年金事務所
●在学中の学校(学生納付特例制度の代行事務を行う許認可を受けている場合のみ)
申請には以下の書類が必要となります。
●学生納付特例制度申請書
●学生証のコピー
申請書は、日本年金機構のホームページから入手することができます。また、これらの手続きは電子申請も行うことができるため、役所や年金事務所に行く時間が取れない方は、電子申請も検討してみましょう。
「追納」ってなに?
学生納付特例制度で納めなかった保険料を、後から納付することを「追納」といいます。
「学生納付特例制度」を使うことで、在学中の保険料納付の負担がなくなります。しかし、保険料を納めていないということは、60歳まで満額で納めた場合と比べて総額の保険料が少なくなります。猶予期間に納めるはずだった保険料を後から納めることで、将来もらえる年金を増やすことができるのが「追納」です。
10年間であれば追納が可能なので、社会人になって経済的に余裕ができたら追納をすることをおすすめします。追納期間は10年間ありますが、社会人生活の忙しさで納付を忘れてしまうこともあります。いつ頃に追納するのかあらかじめ計画を立てておくとよいでしょう。追納のために毎月無理のない範囲で積み立てをすることも賢明な方法です。
制度をうまく活用して将来にも賢く備えよう
年金の保険料の支払いが難しい学生のための猶予措置はご理解いただけたでしょうか。
在学中はつい保険料を猶予してもらえるという点にのみに着目しがちですが、将来支給される年金を考えるときちんと満額で納めたいところです。学生納付特例制度と、その後の追納制度を上手に活用して、将来にもしっかりと備えることができるといいですね。
出典
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級