更新日: 2022.10.31 その他年金
未支給年金に相続税はかかるの?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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未支給年金とは
未支給年金とは、死亡した年金受給者がまだ受け取っていない年金のことをいいます。なぜ未支給年金が発生するかというと、公的年金は死亡月まで受け取れること、2ヶ月分の後払い方式となっていることが理由です。
例えば、令和4年4月、5月分は6月15日に振り込まれるので、4月20日に死亡した場合には、4月分まで年金を受け取る権利がありますが、6月15日には受取人がいないため、未支給年金に該当します。
未支給年金を受け取れる人
未支給年金は遺族が受け取ります。誰でも受け取れるわけではなく、次の優先順位が定められている点に注意しましょう。
図表1
(1)配偶者
(2)子
(3)父母
(4)孫
(5)祖父母
(6)兄弟姉妹
(7)(1)〜(6)以外の3親等内の親族
年金を受けている方が亡くなったとき 日本年金機構を基に作成
先順位の人が存在している場合には、後順位の人は未支給年金を受け取る権利がありません。年齢制限はないことから、配偶者が寝たきりであっても生存しているのであれば、子が受け取ることはできないということになります。
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未支給年金に相続税はかからない
遺族が受け取った未支給年金は相続財産に含まれず、相続税の課税対象にはなりません。
これは、未支給年金が死亡した年金受給者の財産ではなく、未支給年金を請求する遺族の固有財産であると取り扱うためです。つまり、死亡した年金受給者の財産を相続したわけではなく、自身の財産を受け取っただけということです。この件については、平成7年11月7日に最高裁判決も出ています。
未支給年金は一時所得として所得税の対象
未支給年金は相続税の対象にはなりませんが、受け取った遺族の一時所得として所得税の対象になるため注意しましょう。課税対象となる一時所得の金額は、次の計算式で計算します。
総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額
No.1490 一時所得 国税庁
未支給年金の場合の「収入を得るために支出した金額」は、費用を負担していたのは年金受給者であることから0円と考えます。よって、受け取った未支給年金から特別控除額50万円を差し引いた残額が一時所得として所得税の課税対象になるということです。
つまり、その年の一時所得が未支給年金だけの場合、受け取った金額が50万円を超える場合に限り、確定申告が必要になります。
まとめ
未支給年金は受け取った遺族の固有財産であり、相続財産にならないことから相続税はかかりません。しかし、受け取った遺族の一時所得になるため、所得税が発生する場合には確定申告を忘れずに行いましょう。
出典
年金を受けている方が亡くなったとき 日本年金機構
未支給の国民年金に係る相続税の課税関係 国税庁
裁判例結果詳細 裁判所
No.1490 一時所得 国税庁
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部