更新日: 2022.10.31 国民年金
国民年金の「任意加入者」って? 実例をもとにわかりやすく解説
本記事では国民年金の任意加入者とはなにか、そして任意加入者となることでどのようなメリット・デメリットが生じるのかをわかりやすく解説していきます。
執筆者:茂野博起(しげの ひろき)
AFP・2級ファイナンシャルプランニング技能士
国民年金の任意加入者の要件と実例
国民年金の任意加入制度は、60歳までに老齢年金の受給資格を取得できていない場合や満額でないケースなど、将来の年金受給額の増額を目的に国民年金に任意加入できる制度です。この申し出により、図表1のように60歳以上~65歳未満の5年間に年金を納めることで、年金受給額が増額できることがあります。
図表1
出典 歯科医師国民年金基金 国民年金の任意加入被保険者とは
国民年金の任意加入制度における加入要件は次の3つのうち、いずれかに該当していることが求められます。
1.次の(a)から(e)をすべて満たしている方
(a)日本国内に住所がある60歳以上65歳未満の方
(b)老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない方
(c)20歳以上60歳未満までの保険料の納付月数が480月(40年)未満の方
(d)厚生年金保険、共済組合等に加入していない方
(e)日本国籍が無く、在留資格が「特定活動(医療滞在または医療滞在者の付添人)」や「特定活動(観光・保養等を目的とする長期滞在または長期滞在者の同行配偶者)」で滞在する方以外の方
2.年金の受給資格期間を満たしていない65歳以上70歳未満の方
老齢基礎年金を受給するためには、保険料納付期間、保険料免除期間、そして合算対象期間(カラ期間)の合計が10年以上必要です。年金の受給資格期間に達していない65歳以上70歳までの方が国民年金の任意加入者となることは、将来の年金受取額を増額させられる点で有効になります。
3.外国に居住する日本人で、20歳以上65歳未満の方
海外居住者であれば国民年金に強制加入する必要がなくなるため、支払いの義務はありません。しかし、日本国籍を有している場合、希望すれば任意加入者になることは可能です。任意加入者になれば、将来の老齢年金受給額低下への不安払しょくに少なからず期待がもてるでしょう。
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国民年金の任意加入者になるメリット・デメリット
国民年金の任意加入者になることで享受できるメリットは、主に次の2つです。
1.将来受け取る年金受給額を満額にする、もしくは近づけられる
2.10年間の受給資格期間を満たすことができ、年金を受け取れるようになる
60歳の時点で受給資格期間が足りているか、または足りていなければ残りの納付額を確認しておくと安心です。同時に任意加入者になることで、どれぐらい年金受給額が増えるかについても確認しておくとよいでしょう。
また任意加入者になることで、デメリットが生じるケースも押さえておかなくてはなりません。特に合算対象期間(カラ期間)がある場合です。カラ期間は年金を受け取るための要件となる受給資格期間に含まれますが、年金額には反映されません。国民年金の任意加入者になってカラ期間を埋めようと保険料を納付しても、年金額に加算されるわけではないため注意が必要です。
特にカラ期間が長すぎる場合、加入するメリットが見いだせない可能性があることから、加入を検討する時は事前に年金事務所などにお問い合わせすることをおすすめします。
国民年金の任意加入者の手続き方法
国民年金の任意加入の手続きは、居住地の役所や役場にある国民年金担当窓口で行えます。手続きには以下のものが必要です。
●基礎年金番号通知書または年金手帳など、基礎年金番号を明らかにできる書類
●預貯金などの通帳
●金融機関の届出印(印かん)
なお、任意加入は60歳の誕生日の前日より手続きができます。この他に不明点がある場合は、住所地の役所、役場の国民年金担当窓口または年金事務所に確認してみましょう。
まとめ
国民年金の場合、たとえ満額受給できたとしても、それだけで老後の生活が経済的に充実するとは限りません。受給資格期間が足りていなかったり、カラ期間があったりする場合はなおさらです。もし国民年金の任意加入者の加入要件を満たしているのであれば、老齢基礎年金の受給額をより増やすためにも、国民年金の任意加入者になることを検討してみてはいかがでしょうか。
出典
日本年金機構 任意加入制度
日本年金機構 さ行 受給資格期間
日本年金機構 あなたも国民年金を増やしませんか?
歯科医師国民年金基金 国民年金の任意加入被保険者とは
執筆者:茂野博起
AFP・2級ファイナンシャルプランニング技能士