「年金事務所」と「役所の国民年金課」の違いとは? 何ができて何ができない?

配信日: 2022.11.06

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「年金事務所」と「役所の国民年金課」の違いとは? 何ができて何ができない?
公的年金制度の維持のため、これまでにさまざまな制度改正がなされてきました。年金の支給開始年齢が後ろ倒しになったり、公的年金控除の金額が引き下げられたりするなど、「老後にしっかりと年金は支給されるのか」と不安を持つ方も多いことでしょう。
 
そこで、改めて年金に関する手続きや問い合わせができる、公的な窓口について確認しておきませんか? 本記事では、代表的な窓口である年金事務所と、市区町村にある役所・役場(以下、「役所」)の国民年金課との違いについて解説します。
齋藤たかひろ

執筆者:齋藤たかひろ(さいとう たかひろ)

2級ファイナンシャルプランナー

年金事務所とは


年金事務所とは、厚生年金および国民年金を運営する「日本年金機構」の業務を行うための事務所のことです。「日本年金機構法」に基づき、年金加入者に対する業務を分担するため、必要な場所に厚生労働省が設置しています。
 

全国に設置

日本年金機構法第29条で、「機構は、従たる事務所の業務の一部を分掌させるため、被保険者、事業主及び受給権者の 利便の確保に配慮しつつ、必要な地に年金事務所を置くものとする。」と定められています。
 
年金事務所は全国47都道府県に312カ所が置かれています(2021年12月時点)。
 

どこでも相談可能

個人の場合は年金事務所に管轄はなく、どこの年金事務所でも相談を受け付けています。年金手帳や日本年金機構が送付した基礎年金番号の分かる書類があれば、対応してくれます。
 

年金に関するすべての手続きが可能

年金事務所では公的年金に関するすべての手続きが可能です。例を挙げると、個人の年金給付に関する請求や変更手続き、「基礎年金番号通知書」「年金証書」の再発行、年金相談や各種通知に関する問い合わせなどです。
 
また、年金事務所でしかできない手続きもあります。将来受け取れる年金額の確認などです。さらに、厚生年金に関する手続きは、原則として年金事務所でのみ可能です。
 

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役所の国民年金課とは

役所には国民年金を担当する国民年金課(国保年金課、保険年金課という場合もあり)があります。役所の国民年金課では、国民年金に関するものであれば、ほとんどの手続きが可能です。
 

国民年金に関するほとんどの手続きが行える

役所の国民年金課では、年金額の確認はできませんが、保険料の確認はできます。保険料の追納も含め、納付に関わる対応をしてくれます。
 
また、失業や災害、出産などの理由で、年金保険料の納付が経済的に困難となった場合の減免・猶予といった手続きも、国民年金課で行えます。ただし、利用できるのは国民年金に関する手続きだけです。
 

利用できるのは住民のみ

前述の通り個人であれば、年金事務所は全国312カ所どこでも相談や手続きを受け付けてくれます。一方で、役所の国民年金課で手続きする場合には、住んでいる地域にある役所でのみ、対応してくれます。
 

適切な窓口を選択しよう

年金に関する手続きは年金事務所で行うとワンストップで済みます。近くにある方は、年金事務所を利用するのが便利でしょう。日本年金機構のウェブサイトでは、近くの年金事務所を検索できます。
 
また、役所での住所変更の手続きと併せて、年金の減免の手続きをしたいといったような特別な事情があれば、役所の国保年金課を訪ねるのも良いでしょう。相談内容や目的に合わせて、より適切な窓口を選択してみてください。
 

出典

日本年金機構 日本年金機構法
日本年金機構 アニュアルレポート(年次報告)
日本年金機構 全国の相談・手続き窓口
京都市情報館 国民年金の手続きについて(区役所・支所保険年金課で可能な手続き)
 
執筆者:齋藤たかひろ
2級ファイナンシャルプランナー

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