更新日: 2022.11.08 年金

障害年金請求のつまずき(5)「診断書の内容が軽い」

執筆者 : 和田隆

障害年金請求のつまずき(5)「診断書の内容が軽い」
障害年金を請求しよう。そう思って準備を始めたものの、予想していなかった問題に直面して、作業が前に進まないことがあります。つまずいてしまったわけですね。そんなとき、どうしたらよいのでしょうか。具体的に考えてみましょう。第5回は「診断書の内容が軽い」です。
 
和田隆

執筆者:和田隆(わだ たかし)

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、特定社会保険労務士、社会福祉士

新聞社を定年退職後、社会保険労務士事務所「かもめ社労士事務所」を開業しました。障害年金の請求支援を中心に取り組んでいます。NPO法人障害年金支援ネットワーク会員です。

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障害年金の請求ではよくあること

医師に作成してもらった診断書の内容が予想外に軽く、障害年金の裁定で用いられる障害認定基準に照らし合わせてみると、障害年金を受給できるかどうか不安になるということは、障害年金の請求ではよくあることです。さてどうするか、悩んでしまいますね。
 

医師に十分に伝えていたか

もとはといえば、診断書の作成を依頼するときに準備が十分でなかったことになります。それまでに、自分の就労時の状態や日常生活での困りごとを医師に十分に伝えていたでしょうか。
 
そうでない人が多いと思います。「最近の調子はどうですか」と尋ねられると、軽々に「おかげさまで順調です」などと答えたり、「何か不便なことは無いですか」と聞かれて「特にありません」などと安直な返事をしてしまったりしていなかったでしょうか。こうした場合、医師はあなたの傷病以外のことはよくわからないまま、診断書を作成することになります。内容が軽くなっても仕方がありません。
 

書面にまとめて渡しておく

これを防ぐには、診断書の作成を依頼するときに、就労時の状態や日常生活での困りごとを書面にまとめ、「これを読んで、参考にしてください」と言って未記入の診断書と一緒に渡すという方法があります。誠実な医師なら、書面をしっかり読んでから診断書を作成してくれるはずです。
 

医師に率直に相談する

とはいうものの、取りあえず診断書の作成を依頼して、出来上がった診断書を見てから内容が軽すぎると気付いた場合は、後の祭りになりかねません。そうした場合、対応策は限られます。
 
一つは、それからでも、医師に相談することです。「診断書の内容が、実態とかなり違います」と率直に言い、修正をお願いしてください。しかし、医師のほうも医療の専門家ですから、修正に応じてくれるかどうかは分かりません。「ダメ元」と思っておくべき対応策でしょう。
 

「病歴・就労状況等申立書」に書き込む

もう一つの対応策は、診断書はそのまま障害年金の請求で提出しますが、自分で作成して一緒に提出する「病歴・就労状況等申立書」に就労時の状態や日常生活での困りごとをしっかり書き込むことです。ただし、障害年金の裁定では、診断書が最も重視されますので、そうした申立書が役に立つ可能性はかなり低めです。何もしないよりはまし、と受け止めておきましょう。
 

やむを得ず、転医する

そして、もう一つの対応策は、その診断書をほごにして、転医することです。診断書の修正依頼がこじれて信頼関係が崩れた場合などに時々あることですが、治療が一時的に中断してしまいますので、あまりお勧めできません。治療内容に関してではなく、診断書のために転医するというのは、本末転倒ともいえます。
 

障害認定日当時の診断書は修正してもらいにくい

なお、以上のことは、請求時の直近3ヶ月以内の症状を書いた診断書の場合です。障害認定日請求で作成してもらう障害認定日当時の診断書の場合は、当時のカルテに基づいて作成されるからです。診断書の作成依頼時に、当時の就労時の状態や日常生活での困りごとなどを思い出し、書面にして渡すことは可能ですが、その効果は分かりません。
 

正しい治療をしてもうためにも意思疎通を十分に

結局、常日頃から、医師とは意思疎通を十分にしておくことが大切ということになります。診断書の作成以前に、症状にあった正しい治療をしてもうためにも、それはいえることでしょう。
 
執筆者:和田隆
ファイナンシャル・プランナー(AFP)、特定社会保険労務士、社会福祉士

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