iDeCo加入中に国民年金の免除申請をしたら、iDeCoはどうなる?
配信日: 2022.11.08
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執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。
iDeCoと国民年金の関係を知る
iDeCoは、国民年金などの公的年金に上乗せして加入する仕組みの年金です。そのため、ベースとなる国民年金保険料の免除を受けた場合には、iDeCoには加入し続けることはできなくなります。
ここで勘違いしやすいのが国民年金の免除の仕組みです。
国民年金保険料は、全額・一部免除を受けた場合であっても、将来、受け取る年金額には反映されませんが(一部免除の場合は、納めた保険料分は反映されます)、加入期間としては通算されます。
また、免除を受けた期間は、一定期間の間は、追って納めることができます。これを追納と言います。
国民年金保険料は、10年以内に追納することで、老齢基礎年金の受給額を満額に近づけることが可能になっているのですが、保険料免除・納付猶予を受けた期間の翌年度から起算して3年度目以降は、当時の保険料に一定の金額が加算されます。また、追納した場合のその期間は「納付」期間として取り扱われます。
国民年金保険の免除申請は困ったときに役立つ制度であるものの、iDeCoにはこのような措置はありません。また、国民年金保険料の追納にあたる、後から納めるということもできません。
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国民年金の免除を受けたとき、iDeCoはどうなるの?
国民年金保険料の免除が決定したときには、iDeCoの加入資格そのものがなくなってしまいます。その場合は、運営管理機関に「加入者資格喪失届」を提出しなければなりません。
届出により資格はなくなってしまうため、iDeCoで積み立てることはできません。
しかしながら、iDeCoに中途解約(引き出し)は認められていません。この場合は、その時点の残高で運営(運用)のみを行うことになります。
ただし、一定の要件を満たす場合は、脱退一時金を受給できます。
1. 60歳未満であること
2. 企業型確定拠出年金加入者でないこと
3. 個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入できない者であること(国民年金保険料免除者や外国籍の海外居住者など)
4. 日本国籍を有する海外居住者(20歳以上60歳未満)でないこと
5. 確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではないこと
6. 通算拠出期間が5年以下、または個人別管理資産の額が25万円以下であること
7. 最後に企業型確定拠出年金または個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者の資格を喪失した日から2年以内であること
この1~7の要件をすべて満たす場合のみ、脱退一時金を支給されることになっています。
特に4の項目に注目してください。ご覧のとおり、日本人である限りiDeCoの脱退一時金は支給されないことが分かるかと思います。
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iDeCoは再加入可能
国民年金保険料の免除期間を終え、国民年金保険料の全額納付の申請手続きが済んでいる場合には、再度、iDeCoに加入することは可能です。
再度、加入する場合も新規申し込みと同様な手続きが必要になります。加入するときには、金融機関から「加入申出書」を入手して記入し、必要な書類を添付し、利用したい金融機関へ提出してください。なお、一部の金融機関では、加入手続きをオンラインで行うことができますので確認してください。
国民年金保険料の免除を受けたいけれど、iDeCoには加入し続けていたいと思う人もいるかもしれません。
確かに免除を受けると金銭的は負担が軽くなりますが、免除申請する前に、家計の見直しをして、免除せずにすむ方法がないのかも考えることも必要です。
国民年金保険料の免除かiDeCoの継続か悩むかもしれませんが、iDeCoには一時停止することも可能です。どちらにするか悩むなら、ベースである、国民年金保険料の納付を優先するようにしましょう。
出典
iDeCo公式サイト 加入者の方へ
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト