更新日: 2022.11.27 その他年金

年金の「繰下げ受給」と「受給額増額」についての認知度はどのくらい? 今から考えておきたい「定年延長」について確認

年金の「繰下げ受給」と「受給額増額」についての認知度はどのくらい? 今から考えておきたい「定年延長」について確認
超高齢化社会が問題視されている日本。一般的な定年である60歳を超えたシニアが働きやすい社会をつくるために、政府もさまざまな工夫をしています。
 
例えば、年金の繰下げ受給。今年4月には年金法が改正され、繰り下げの上限年齢が75歳まで引き上げられ、最大で84%の受給額増額が見込める仕組みになりました。また、昨年には高年齢者雇用安定法の改正も行われており、定年を70歳まで引き上げたり、そもそも定年制を廃止したりなどの対応が企業の努力義務とされています。
 
このような年金受給の繰り下げや定年延長について、働き盛りの世代はどのように感じているのでしょうか。エン・ジャパン株式会社が発表した意識調査の結果を見てみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

年金受給額が増える! 年金受給の繰り下げについて知っている人はたったの14%

この調査は、エン・ジャパン株式会社が運営する「ミドルの転職」を利用する35歳以上の2376名を対象に行われたもの。年金法の改正により、年金の受給を遅らせれば受給額が増える仕組みになっていることをきちんと把握している人はどれくらいいるのでしょうか。
 

【年金の受給開始を繰り下げた場合、受給額が増額されることを知っているか】

・内容を含めて知っている 14%
・名称だけ知っている 56%
・「知らない」(知らない、全く知らない計) 28%

 
「詳しいことはよくわからないけど、そんなことを耳にしたことがある」という層がもっとも多く、全体の半数強でした。
 
きちんと内容を把握している人は、十数%しかいないようです。働き盛りのミドル世代は、まだ年金の受給開始時期について気にしていない人が多いのかもしれません。このご時世、「今から気にしていても数年後には年金のシステム自体どうなっているかわからない」といぶかしんでいる人も少なくなさそうです。
 
ちなみに、定年延長についての認識は以下のとおり。
 

【70歳までの定年引き上げや継続雇用制度の導入が、企業側の努力義務になったことを知っているか】

・内容を含めて知っている 15%
・名称だけ知っている 50%
・「知らない」(知らない、全く知らない計) 35%

 
こちらも先ほどとだいたい同じような割合に。何歳まで働くのか、働けるのかといった問題は、若いうちからシミュレーションしておくに越したことはないもの。もし定年70歳時代が来たとしたら、年金受給の繰り下げも検討することになるため、この2つの法改正についてはしっかり把握しておきたいですね。
 

【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資

【PR】J.P.Returns

おすすめポイント

・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる

定年延長については、賛成派が多数! できる限り働きたい理由はやっぱり「お金」

年金受給の開始を遅らせる選択や、定年延長の仕組みなど、政府はシニアが長く働きやすい環境をつくろうとしています。このことに対して、働き盛りの世代はどう感じているのでしょうか。
 

【歳をとっても長く働ける環境づくりに賛成か反対か】

・賛成 35%
・どちらかといえば賛成 46%
・どちらかといえば反対 14%
・反対 5%

 
80%以上の人が、賛成と回答。明日はわが身ですから、歳をとっても長く働きたいと考えているミドルが多いということなのでしょうか。
 
ちなみに、自分自身は何歳まで働きたいかという問いに対しては、もっとも多かったのが「61歳~65歳」で28%。しかし2位は「70歳」(21%)、3位は「71歳以上」(20%)と、70歳を超えても働きたいという人が40%を超える結果になっています。
 
一般的な定年である60歳を超えても働きたいという理由はなんなのでしょうか。
 

【定年延長しても働きたい理由 TOP5(複数回答)】

1位:年金だけでは生活できないから 63%
2位:定期収入を得られる期間が延びるから 52%
3位:健康・体力維持のため 51%
4位:これまでの経験でまだ会社に貢献できると思うから 44%
5位:社会参加を継続できるから 41%

 
1位と2位は、当然のことながらお金に関する理由でした。
 
具体的に「年金支給額は確実に減少するから」「年金額にも不安があり、身体が動くうちは収入を得るために働きたいから」といった声もあがっています。不安定な時代ですし、年金については以前から不安視されていますね。余裕のある老後生活をするために、ギリギリまで働いてお金を貯めたいという人が多いことがわかります。
 
いっぽうで、定年延長せずに60歳まで働きたいと考えている人の理由(複数回答)としては、「仕事以外のことに時間を使いたい」「60歳定年が妥当だから」「体力・能力的についていけなくなるから」がTOPに。
 
たしかに、ここまで長くしっかり働いたのだからそろそろ仕事以外のことをしてゆっくり過ごしたいという気持ちもありますよね。今は元気でも、60歳を過ぎてバリバリ働けるのかという身体的な面で不安を感じる人もいるようです。
 
未来は誰にもわからないもの。いつまで自分が健康でいられるのか、寿命もわからないのに年金受給を繰り下げてもいいのかなど、考えれば考えるほど悩んでしまうといったこともあるでしょう。
 
家族と相談したり、周りの意見を聞いたり、このような意識調査をこまめにチェックしたりして、自分が将来どうしたいのか考えておくのは大切なのかもしれません。
 

出典

日本年金機構 令和4年4月から年金制度が改正されました
厚生労働省 高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~
エン・ジャパン株式会社 ミドル2000人に聞いた「定年延長」に関する意識調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集