更新日: 2022.11.26 国民年金
【国民年金】女性の受給割合はどのくらい? 平均受給額は?
そこで本記事では、国民年金と女性に着目して、統計データをもとに受給者の割合や平均受給額について解説します。ぜひ、女性の老齢基礎年金の受給状況について、具体的にイメージしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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女性の国民年金受給権者の割合
厚生労働省が公開している「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」によると、令和2年度末における国民年金の老齢給付の受給権者数は3422万人で、そのうち女性は約57%にあたる1938 万人です。日本の女性人口はおよそ6480万人なので、日本の女性全体の約30%が、国民年金の老齢給付の受給権者ということになります。
女性における国民年金の老齢給付について、年齢別内訳は図表1のとおりです。
【図表1】
60~64歳 | 10万人(0.5%) |
65~69歳 | 372万人(19%) |
70~74歳 | 486万人(25%) |
75~79歳 | 362万人(19%) |
80~84歳 | 304万人(16%) |
85~89歳 | 233万人(12%) |
90歳以上 | 171万人(9%) |
※カッコ内は国民年金の老齢給付の女性受給権者数1938万人中の割合
厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報 結果の概要 令和2年度」より筆者作成
このことから、70~74歳の割合が最も高く、繰上げ受給の対象年齢である60~64歳の割合が最も低くなっていることが分かります。
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女性の老齢基礎年金のみ受給者の割合
厚生労働省が実施した「平成29年 年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)」によると、女性の調査対象者のうち、受給している公的年金が老齢基礎年金のみの人の割合は、およそ19%です。同じく公的年金が老齢基礎年金のみの男性の割合はおよそ8%なので、女性のほうが約2倍以上も割合が高くなっています。
なお、同調査における、公的年金が老齢基礎年金のみ受給している人の年代別内訳は、男女別に図表2のとおりです。
【図表2】
年齢 | 女性 | 男性 |
---|---|---|
65~69歳 | 9.6% | 5.2% |
70~74歳 | 15.4% | 5.0% |
75~79歳 | 22.1% | 7.5% |
80~84歳 | 25.7% | 10.8% |
85~89歳 | 26.0% | 16.2% |
90歳以上 | 27.1% | 16.4% |
厚生労働省「公的年金受給者に関する分析」より筆者作成
男女ともに高齢の人ほど老齢基礎年金のみの人の割合が高く、女性の80歳以上の世代から4分の1を超えています。男性でも同様の傾向がみられますが、全ての年代で女性のほうが老齢基礎年金のみの割合が高いのが特徴です。
女性の老齢基礎年金の平均受給額は男性より約5000円低い
「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」によると、令和2年度末における国民年金の受給権者のうち、女性の老齢基礎年金の平均年金月額は5万4112円です。一方男性の平均年金月額は5万9040円で、女性のほうが約5000円も低いことが分かります。
また、年金月額における男女別人数の内訳は図表3のとおりです。
【図表3】
年齢 | 女性 | 男性 |
---|---|---|
1万円未満 | 6万2087人 | 1万2467人 |
1万~2万円未満 | 23万5046人 | 5万8554人 |
2万~3万円未満 | 71万1764人 | 21万6991人 |
3万~4万円未満 | 216万71人 | 68万1950人 |
4万~5万円未満 | 332万1823人 | 134万1815人 |
5万~6万円未満 | 462万1737人 | 313万9242人 |
6万~7万円未満 | 624万1716人 | 859万4057人 |
7万円以上 | 147万3357人 | 40万8917人 |
厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報 結果の概要 令和2年度」より筆者作成
男女ともに、6万~7万円未満の人数が最も多いですが、女性は男性と比べて1万円未満~6万円未満それぞれに人数が分散しているのが特徴です。特に1万円未満しか年金を受給していない人は、女性のほうが男性の約5倍多いという結果が出ています。
年金は老齢基礎年金のみの女性も珍しくない
女性の老齢基礎年金受給者の割合は、受給者全体の約57%、日本の女性全体の約30%にあたります。また、受給している公的年金が老齢基礎年金のみの人は女性の年金受給者のうち約19%に上るという調査結果があり、老後を老齢基礎年金のみに頼る女性も珍しくないことが分かります。
また、年金額に目を向けると、女性の老齢基礎年金の平均年金月額は男性より5000円ほど低いおよそ5万4000円であり、そのなかには年金額が1万円未満しかない人も6万人強いるなど、決して潤沢とはいえない現状があります。
出典
厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業年報 結果の概要 令和2年度
厚生労働省 公的年金受給者に関する分析
総務省統計局 令和2年国勢調査 人口等基本集計結果 結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部