更新日: 2022.11.30 国民年金

国民年金保険料の「免除」と「猶予」の違いって? 「受給資格期間」には反映されるの?

国民年金保険料の「免除」と「猶予」の違いって? 「受給資格期間」には反映されるの?
国民年金保険料をさまざまな事情で納められない時に申請できる制度に「免除」「猶予(ゆうよ)」があります。これらの制度にはどんな違いがあるのでしょうか? 本記事では制度内容の違いや、将来の年金受給などへの影響などを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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「免除」とは、どんなこと?

本人(60歳未満)などの前年所得が一定金額以下の場合や、出産前後・失業などで年金保険料を納めることが難しい場合に申請し、承認されると納付が免除される制度です。
免除される額は「全額」から「4分の1」など4種類あり、本人・世帯主(配偶者)の所得などによって、免除される金額と期間が決まります。
 
免除される理由にはさまざまな種類があり「産前産後期間の免除」「法定免除」「特例免除」などがあります。免除された期間の保険料は、10年以内であれば後から納めることも可能です。
免除の申請から承認されるまでの期間も年金保険料の納付が必要で、免除が承認されれば計算された金額が返還されます。
 

<産前産後期間の免除>

申請が承認されると、出産予定日または出産月の前月から4ヶ月間が全額免除されます。多胎妊娠の場合は、免除される期間が延びます。

 

<主な法定免除>

・障害基礎年金・障害厚生年金の1級・2級を受けている人(障害厚生年金3級は法定免除の対象外です)

<主な特例免除>

・退職・失業等による特例免除
・配偶者からの暴力(DV)を受けた人の特例免除
・災害で被災した人への特例免除(所得に関わらず免除になる場合もあります)

 

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「猶予」とは、どんなこと?

「猶予」とは、申請をして年金保険料納付を一定期間待ってもらい、後で納付することをいいます。本人(50歳未満)などの前年所得が一定金額以下で、納付が困難な場合に申請できます。
大学・専修学校などに在学中の学生が申請を行える「学生納付特例制度」もあります。
 

将来の老齢年金を受け取る時に、影響はあるの?

免除期間中は、保険料を納付したものとして計算されます。猶予制度は「支払えなかった保険料を、後で納付する人」が承認されるため、猶予期間中は老齢年金額に反映されません。
猶予された人は、追納できる期間内に納めないと老齢年金が増えなくなるので注意が必要です。納付・免除等による年金への影響は、図表1の通りです。
 
図表1
 

老齢基礎年金の
受給資格期間への算入
老齢基礎年金の
年金額への反映
障害基礎年金、
遺族基礎年金の
受給資格期間への算入
納付 あり あり あり
全額免除 あり あり あり
一部納付 あり あり あり
納付猶予
学生納付特例
あり なし あり
未納 なし なし なし

 
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度を基に作成
 

まとめ

国民年金保険料を納めていないと「病気・けがなどでの障害年金を受け取れない」「遺族年金・老齢年金などが受け取れない・年金額が少ない」という事態になる可能性があります。
 
年金保険料の納付免除・猶予の制度は、申請をして承認されないと適用されません。申請から承認までは数ヶ月程度の時間がかかるので、年金保険料納付が難しくなった時には自治体の年金担当課や年金事務所に相談し、申請が可能な期間内に申請を行うことをおすすめします。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度

日本年金機構 国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間

日本年金機構 国民年金保険料の法定免除制度

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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