更新日: 2022.12.02 国民年金

年金を支払うのが65歳までになったら支払い総額はいくらになる?何歳でもとをとれる?

年金を支払うのが65歳までになったら支払い総額はいくらになる?何歳でもとをとれる?
年金制度の見直しに関連し、国民年金保険料の納付をこれまでの「60歳まで」から「65歳まで」に延長する議論が政府で始まっています。延長によって年金保険料の支払総額はいくらになるのでしょうか。また何歳まで生きればもとがとれるのでしょうか。

この記事では国民年金のみに加入しているケース(国民年金第1号被保険者)を例に、疑問に答えていきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

国民年金保険の被保険者の種類と月額保険料

国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入するものです。自営業、農業、漁業などに従事している人は第1号被保険者、会社勤めの人など厚生年金保険や共済組合に加入している人は第2号被保険者、第2号被保険者に扶養されている配偶者などは第3号被保険者となり、年金保険料の額や納付方法が異なります。
 
自分で直接納付するのは第1号被保険者のみで、保険料は一律で月額1万6590円(令和4年度)と決まっています。第2号被保険者、第3号被保険者の年金保険料は収入などによって異なるため、ここでは第1号被保険者を例に年金保険料の支払総額を算出します。
 

【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資

【PR】J.P.Returns

おすすめポイント

・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる

20歳から65歳までの支払総額を回収できるのは78歳4ヶ月から

国民年金保険料の金額は毎年変わりますが、ここでは令和4年度の国民年金保険料1万6590円を20歳から65歳までの45年間支払い続けたとして計算します。計算式は「1万6590円×12ヶ月×45年」で、支払総額は895万8600円です。
 
国民年金受給者の平均年金月額は5万6049円(令和元年度)です。支払総額を回収するのに何ヶ月かかるかの計算式は「895万8600円÷5万6049円」となり、答えは約159.8ヶ月になります。年月に直すと、受給総額が支払総額を上回るのは、65歳から受給を開始して13年4ヶ月後の78歳4ヶ月です。
 

納付期間が5年間延長されることで約100万円負担が増える

これまでどおり、納付期間が20歳から60歳までであれば支払総額は「1万6590円×12ヶ月×40年」となり796万3200円です。支払総額を回収するのに何ヶ月かかるかの計算式は「796万3200円÷5万6049円」となり、答えは約142ヶ月になります。
 
年月に直すと、受給総額が支払総額を上回るのは、65歳から受給を開始して11年11ヶ月後の76歳11ヶ月です。もとをとれる年齢は、65歳まで納付をした場合が78歳4ヶ月、従来通り60歳まで納付をした場合が76歳11ヶ月となり、大きな差はありません。
 
令和2年時点で20歳の人の平均余命は男性61.97歳(平均寿命は81.97歳)、女性68.04歳(平均寿命は88.04歳)で、もとを取れる年齢は平均寿命よりも若いことも分かります。
 
一方で、年金保険料の納付が5年間延長されることで、負担は99万5400円(1万6590円×12ヶ月×5年)増えます。国民年金保険料は年々上昇し続けているため、今後も負担額が増えることが予想され、もとを取れる年齢が上がっていく可能性は否定できません。
 

65歳までに支払う総額は895万8600円、もとをとれるのは78歳4ヶ月から

国民年金保険第1号被保険者の場合、年金保険料の納付が5年間延長されることにより、負担額が99万5400円増えます。20歳から65歳までに支払う総額は895万8600円です。
 
国民年金の平均受給月額をもとに、もとをとれる年齢を算出すると、65歳から13年4ヶ月後の78歳4ヶ月からということが分かります。今後、保険料の負担が増えることが予想されるため、もとを取れる年齢も上がっていくと考えられるでしょう。
 

出典

日本年金機構 「国民年金保険料の変遷」
令和元年度
厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業の概況「表20国民年金受給者の平均年金月額の推移」

厚生労働省 令和2年簡易生命表「主な年齢の平均余命」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集