年金受給者がなくなったとき、どのような手続きが必要?

配信日: 2022.12.06

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年金受給者がなくなったとき、どのような手続きが必要?
人が亡くなると、さまざまな手続きが発生します。
 
今回は、年金受給者が亡くなった場合に行う手続きについて、どこに・どのような手続きをすべきか、その際の注意点についても併せてお話します。
田久保誠

執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)

田久保誠行政書士事務所代表

CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員

行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。

まずは、年金事務所へ死亡届を提出

当然ですが、死亡後は年金を受給する権利がなくなりますので、「受給権者死亡届(報告書)」の提出が必要です。
 
ただし、日本年金機構に個人番号(マイナンバー)が収録されている場合は、原則「年金受給権者死亡届(報告書)」を省略できます。これは、役所に死亡届が出され、年金機構でもマイナンバーで死亡が確認できれば、自動的に年金の支給を止めるという仕組みになっているからです。
 

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未支給年金の請求もできる

年金は後払いです。年金は受給権が発生した翌月から支給が始まり、受給権を失った月(死亡月)まで支給されます。つまり6月17日に死亡した場合、死亡した6月分までの年金を受け取ることができます。
 
6月分の年金は、本来であれば8月15日に振り込まれることになりますが、実際のところ本人は死亡していますので、本人が受け取れることはできません。
 
そこで、本来なら本人が受け取ることができたはずの年金を、遺族が「未支給年金」として受け取ることができます。請求用紙は、死亡届と複写になっていますので、死亡届と当時に未支給年金の請求ができるようになっています。
 
未支給年金を受け取れる遺族は、年金受給者が死亡した当時、その人と生計を同じくしていた、(1)配偶者、(2)子、(3)父母、(4)孫、(5)祖父母、(6)兄弟姉妹、(7)その他の3親等内の親族です。また、未支給年金を受け取れる順位もこのとおりです。
 
未支給年金を請求ことによって、上記の例ですと、6月分の年金が請求者の口座へ振り込まれます。
 

請求時の注意点は?

書類の提出が遅れると年金を多く受け取りすぎることとなり、後で返金する必要がありますので、受給者が亡くなったときは、すみやかに届け出をしなければなりません。また、亡くなった受給者の口座が解約されていないと入金される場合があります。
 
亡くなった方の未支給年金は、その支給金を受け取った方の一時所得に該当し、確定申告が必要になる場合があります。不明点があれば、最寄りの税務署へ相談するようにしましょう。
 

遺族年金の対象となる場合も手続きが必要

遺族年金には、遺族基礎年金と厚生年金保険の被保険者、被保険者であった場合の遺族厚生年金があります。亡くなった方によって生計維持されていた「18歳到達年度の末日までにある子(障害の状態にある場合は20歳未満)のいる配偶者」または「子」がいる場合、遺族基礎年金を受けることができます。
 
また遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者中、または被保険者であった方が亡くなられたときで、その方によって生計維持されていた遺族は、遺族厚生年金を受けることができます。
 
両方の遺族年金も多くの場合は配偶者が対象だと思われますが、配偶者以外でも子、父母、孫、祖父母(配偶者以外は年齢要件があります)も対象となります。
 
遺族年金の請求時、戸籍が入っていない事実婚の夫婦のケースの場合でも、公的年金制度では法律婚と同様に事実婚も夫婦であるとしています。ただし、手続きは法律婚の夫婦と異なりますので注意が必要です。
 

そのほかにも手続きはある

年金以外には、埋葬料(埋葬費)の手続きがあります。また、医療保険証や介護保険証の返却、保険料の精算などがあります。これらはあくまで年金・社会保険関係の手続きで、そのほかの手続きもいろいろあります。
 
親族が亡くなった際に行う手続きはたくさんあります。一覧表を作って1つずつ行うのもよいですが、ご自身で行うのが難しい場合や時間がない場合は、専門家の手を借りるのも1つの方法ではないでしょうか。
 

出典

日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき/1. 未支給年金を受け取れる遺族
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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