更新日: 2022.12.14 その他年金
【併給不可!】受給額が多いのは「遺族年金」と「国民年金」のどっち? 受け取れる要件も確認しよう! 「64歳の妻」の場合で考える
また、65歳になると妻は自分の「老齢年金(国民年金)」を受け取れるようになりますが、「遺族基礎年金」と「老齢基礎年金」の両方を同時に受給することはできません。
64歳の妻はどちらの年金を受け取った方がよいでしょうか。本記事ではこの問題について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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遺族年金
生計を支えていた夫が死亡したとき、妻は遺族基礎年金を受給することができます。ただし、子がいない場合、妻はこの年金をもらえません。また、子がいても、遺族年金を受給できるのは、子が18歳到達年度の末日までです。
なお、子が障害等級1級または2級の障害がある場合は、同人が20歳になるまで受給期間は延長されますが、子が結婚したとき、遺族年金を受給できなくなります。
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老齢年金
老齢年金を受け取れるのは原則として65歳になってからですが、60歳になった人は受給開始時期を早めることができます。その場合、受給額は1ヶ月繰り上げるごとに0.4%少なくなります(1962年4月1日以前の生まれであれば0.5%)。
20歳から60歳になるまでの40年間、保険料を納めていた人は年金を満額、受け取ることができ、その年額は遺族年金の年額と同じ77万7800円です。
そのため、64歳の妻が遺族年金を受給できる場合には、遺族年金を選択した方が受け取る額は多くなります。65歳になって老齢年金の受給を開始する場合であっても、遺族年金には子どもの額が加算されるため、遺族年金の方が受け取る額は多くなります。
なお、老齢年金には税金がかかるというデメリットもありますが、60歳から64歳までは年額が108万円未満、また、65歳以降は158万円未満であれば課税されません。
遺族年金と老齢年金の両方を受け取れる場合
ところで、遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。前者は死亡した人が国民年金にのみ加入していた場合に支給されるのに対し、死亡した人が厚生年金保険の被保険者で一定の要件を満たす場合は、遺族基礎年金に遺族厚生年金が上乗せされます。
後者であれば、遺族は自分の「老齢年金」と併せて受給することができます。ただし、遺族が「老齢年金」の受け取りを繰り上げて開始したとき、65歳になるまでは両方を同時に受給することはできません。
遺族年金の方が受給額は多いが、もらえる可能性は小さい
夫が先に死亡したとき、妻は自分の老齢年金(国民年金)と遺族基礎年金の両方を同時にもらうことはできません。両者を比較すると、後者の方が受取額は多くなります。
ただし、この年金は18歳未満の子がいなければ受け取れません。そのため、それぞれの事情にもよりますが、64歳の妻が遺族基礎年金を選択できる可能性は小さいでしょう。
「遺族年金」と「老齢基礎年金」、金額だけでなく、自身が受け取れるかどうかも確認しておきましょう。
出典
日本年金機構 国民年金に若いときから加入して60歳になりますが、65歳前でも年金を受けることができますか。(繰り上げ請求)
日本年金機構 遺族年金
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 老齢年金から税金が差し引かれていません。どうしてですか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
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