【企業型DC】「老齢給付金」を受け取った後、転職先の「企業型DC」に加入できる?
配信日: 2022.12.14
本記事では、企業型DCの加入可能年齢、老齢給付金の受給方法、受給期間、受給開始年齢、受給開始上限年齢を紹介した上で、企業型DCの老齢給付金を受け取った後、転職先の企業型DCに加入できるかどうかについて説明します。
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執筆者:福嶋淳裕(ふくしま あつひろ)
日本証券アナリスト協会認定アナリスト CMA、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本商工会議所認定 1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
リタイアメントプランニング、老後資金形成を得意分野として活動中の独立系FPです。東証一部上場企業にて、企業年金基金、ライフプランセミナー、DC継続教育の実務経験もあります。
企業型DCの加入可能年齢
法令上、厚生年金保険の被保険者であれば70歳未満まで企業型DCに加入できます。ただし、実際の加入可能年齢は労使合意に基づいて定められた規約によって企業ごとに異なり、60歳未満から70歳未満まで幅があります。自分の加入可能年齢については勤め先の規約をしっかり確認しましょう。
なお、事業主および加入者が掛け金を納付できる期間は、規約に定められた加入可能年齢(加入者資格を喪失するとき)までです。加入者資格喪失後、新たな掛け金の納付はできません。
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企業型DCの老齢給付金
企業型DCの老齢給付金は、退職金(退職一時金)、退職年金の一種です。障害給付金など、ほかの給付を受け取ることなく一定の年齢(受給開始年齢)に達したときから、受給開始上限年齢に達するまでの間の任意の時期に受給を申し込みます。
受給方法、受給期間
・有期年金(5年以上20年以下)
・終身年金
・一時金
上記の中で、規約に定められた選択肢から選びます。
受給開始年齢
原則60歳から受給できます。60歳時点の通算加入者等期間が10年に満たない場合(50歳以降に新規加入したなど)、受給開始年齢は61歳から65歳まで段階的に先延ばしになります。60歳以降に新規加入する場合は、加入日から5年経過した日以降に受給できます。
受給開始上限年齢
企業型DCの老齢給付金は、受給開始上限年齢が75歳です。75歳に達するまでは、老齢給付金を受け取らずに年金資産の運用を続けることができます。
企業型DCの老齢給付金を受け取った後、転職先の企業型DCに加入できる?
ここまで、企業型DCの加入可能年齢は最長70歳未満であること、受給開始年齢は原則60歳であること、受給開始上限年齢は75歳であることを紹介してきました。
60歳定年制の企業にお勤めで、定年後に他の企業への転職を計画している方の中には、「60歳になり次第、企業型DCの老齢給付金を受け取り、定年退職後は転職先の企業型DCに入り直そう」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。しかしながら、企業型DCの老齢給付金を受給した人は、その企業型DCはもちろん、転職先の企業型DCにも再加入することはできません。
もし、企業型DCの老齢給付金を受け取った後、転職先の企業型DCに誤って加入した場合、さかのぼって加入を取り消すことになります(誤って納付した掛け金は還付されます)。「企業型DCの老齢給付金を受け取ったら、企業型DCに再加入できない」と覚えておきましょう。
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まとめ
今回は企業型DCの基本的な仕組みを確認した上で、企業型DCの老後給付金を受け取った後には転職後であっても再加入ができないことを解説しました。
ちなみに企業型DCの老齢給付金を受け取った方でも、要件を満たせば個人型確定拠出年金(iDeCo)には加入できますので、利用を検討してみてはいかがでしょうか。
出典
厚生労働省 確定拠出年金制度の概要
厚生労働省 企業型DC加入者の加入可能年齢が引き上げられます
執筆者:福嶋淳裕
CMA、CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、1級DCプランナー